http://www.asyura2.com/10/senkyo101/msg/895.html
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[坂の上の陥穽] 菅仮免政権が終焉し愈々<政界野合型偽装市民プラットフォーム新党>時代が来たる
[副 題]ポーランド型「多様性創出経済」の苦闘に無関心なノーテンキ日本の深層
<注記1>いったんUP済みですが、表題が分りにくかったので、一部内容の補筆及び加除修正を加えて再UPします。
<注記2>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20101212
【プロローグ動画】Stand Alone 『坂の上の雲』の主題歌
[http://www.youtube.com/watch?v=6Bfn_UBSZBE:movie]
【スーベニール画像】ポーランドの風景、ア・ラ・カルト
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(プロローグ)
<小沢の政治とカネ>のせいで茨城県議選の民主は現有6議席に止まり(そうだったので)、菅首相が“実は、今までは仮免(仮面?)だった、これから自分の色を出していきたい”と新たな決意を語ったとか報じられているが、まったくフザケタ御大臣だ!何処の国に仮面をかぶったり仮免許で国民の命を預かる宰相がいるというのか!
また、主要メディアが報じるには、日本国の近未来の命運を左右するらしい<小沢の政治とカネの大問題>をめぐり、民主党内が“決戦前夜”(ハルマゲドン前夜?)を迎えたらしい、これで日本も政権交代後の最大の政治的山場を迎え、この難関を突破すれば、いよいよ全国民が一丸となりネオ“坂の上の雲”を目指す新時代の幕開けとなるのか(参照⇒
http://news.google.co.jp/news/more?pz=1&cf=all&ned=jp&ncl=d_YnrP8X5qgB5zMjGYlQVsk7A0ejM&topic=h)・・・・・が、残念ながらそれは甚だ疑問である。
それどころか、toxandoriaの如き“ど素人”の目から見ても、この不可知でアポリアな日本の政治状況を“決戦前夜”(ハルマゲドン前夜?)とまで見なし煽りたてること自体が極めて不自然で奇っ怪だ。それは、記者クラブメディアのプロパガンダが仕組んだ、この<小沢の政治とカネの大問題>をめぐる“ハルマゲドン前夜”騒ぎの裏で、実は恐るべき<坂の上の陥穽>が着実に仕込まれつつある空気が臭うからだ。
・・・・・以下は[ディアローグ的論考、米国型自由原理(連帯分解・孤立型)を一気にコペルニクス的転回させ得るポーランド型自由原理(連帯持続・深化型)のユニークな意義、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20101115]のコメント(ポーランド在住の“ぴっちゃん”さまから頂いた)&レスの転載である。・・・・・
・・・・・・・・・・
(本 論)
ぴっちゃん 2010/12/11 04:04
マクロ経済学の「主流派」には二つあります:
1.ヒックスやスティグリッツなどの解釈によるケインズ経済学(アメリカン・ケインジアニズム→ケインズ本人の視点とは基本的なところでもはや無関係)。その最新の流れがニュー・ケインジアニズム。総需要の操作を主張。
2.古典派の系統。その最も新しいのがこの20年ぐらいで力を持った新しい古典派(ニュー・クラシカル)。一般均衡の人工的な達成を主張。これは実はランゲが達成をの如き目指した市場社会主義そのもの。さらにサプライサイド経済学はこの一派。
1と2は、どちらもフリードマン以来のマネタリズムを武器に「ニュー・・・」がつく状態に発展。さらに有効需要と一般均衡というふうに視点が異なる両者の折衷も発展してきました。
世界金融危機で2が破たんしたように見えますが、世間はこれを放棄するどころか、実はゾンビ化して性質がわるくなっています。
その典型のひとつがバーナンキ式量的緩和です。バーナンキ式というのは、日銀式が単に金融危機を回避する手段であり規模もその程度なのですが、Fedの場合はこれでもって景気を回復させるというコミットメントを事実上しているところです。だからFedのはQE2だけでも日銀が過去にやったQEよりも規模が4倍ぐらい大きいです。要するにやりすぎ。
典型のもう一つはオバマ減税です。アメリカで過去に恒久減税で税収が上向いた試しがないことが、1981年のレーガン減税のときに皆が疑問に感じて調べだしたときから明らかになっています。レーガン減税では所得の上位2割の人々しか減税からの恩恵がなかったのです。トリクルダウン仮説は偽です。
ケインズとハイエクの考えは根本的に1とも2とも異なります。
ケインズは「アニマルスピリット」と「ルーレット的ではないほうの不確実性」を強調していますが、1はこの二つの要素を無視しています。
実はこの二つの要素を理論の中核においているのが誰あろうハイエクやシュンペーターをはじめとしたオーストリア学派などの、「異端経済学」の人々でした。
サッチャーはコンベンショナルなバーク的穏健保守主義を採用したのはよいものの、マクロではハイエクの考えを踏襲したつもりが、どうも2の連中にうまいこと騙されてしまったようにも思えます。自由化や規制緩和などのやり方がかなり強引でした。
そのため大量失業が生まれ、成長が本格的に回復したのはサッチャー政権が倒れた後です。あの時代からイギリスで2の連中とも1の連中とも対立してきたウィレム・ビューターが、昨年そんなことを言っていました。
ポーランドではイギリスに10年遅れてバルツェロヴィチが同様の政策をやりましたがサッチャーとは政策目標の設定が異なりました。
サッチャーのはどうも2を推す連中に騙されてあれで均衡を達成しようと考えていた節があります。
バルツェロヴィチのはあれでもって国際的信用を回復し公私両部門の金融システムを立て直すことが政策目標でした。そのためポーランドは彼のショック療法を政策をはじめて2年後にはすでに経済成長が急速に回復していきました。
トゥスクはそこをちゃんとわかっていて、1の連中にも2の連中に騙されないようにしているように見えます。市民プラットフォームはマクロ経済学に非常に強い政党で、内閣だけでなく中央執行部の役員や党の元老たちはみなトゥスクと同じ考えを持っていることで有名な経済学者がずらりと揃っています。
一部の人は彼らをオーストリア学派と捉えますが、当の本人たちはそういうことは言いません。ごくあたりまえのことをごくあたりまえにやってるので、「・・・学派」などという言い方で自分たちが縛られるのを嫌がっているのでしょう。
彼らが念頭に置いているのは中小企業(金融・不動産業を除く)が商売しやすい社会をつくることのようです。
大企業は信用があるからほっといても勝手に商売します。また、老化した大企業はその存在自体が社会・経済の重荷になりますから新興の中小企業がどんどん成長して大企業の市場をどんどん食って自分たちが大企業になってしまえばいいということです。つまり経済の新陳代謝。
そういう社会をつくるためのマクロ経済・ミクロ経済での工夫に腐心しているようです。
これはサプライサイド経済学を導入するということではありません。逆に規制緩和や減税と規制強化や増税を上手に組み合わせることです。
たとえば累進課税の強化には理論的裏付けがちゃんとあります。いままでは2の連中に騙されて世界中が累進税率を緩和してしまいました。(この点ではポーランドの与党も累進税率の緩和を公約にしてしまっています。これには事情があって、数年前に党内のラジカルな自由主義を標榜する勢力に妥協したものらしいです。というのもそのラジカルな勢力は選挙運動がうまいからだとのこと。まるで小泉時代までの日本の自民党のよう)。
当面の敵の第一は、経済が安定しているポーランドを「発見」してしまった外国の投資家からの投機的資本の流入(バーナンキのQEのせい)。この圧倒的マネー攻勢に対応するためにポーランドがどう出るのか、そこが見ものです。
第二は、アメリカ(の、おそらくポーランド系社会)から支援を受けている、ポピュリズムやリバタリアニズムを標榜するラジカリズム野党の各勢力です。彼らポピュリスト野党がどう出るか、そして与党と社民主義野党というモデラティズム勢力による対ラジカリズム共闘ができるかどうか、そこでしょう。日本にはこの政治的パースペクティヴがまったく欠落しています。
自民党あたりは市民プラットフォームのようになれそうな気もしないでもないですが、市民プラットフォームのポーランド人たちと比較したとき、日本人の知的レベルの低さに愕然とする思いがします。ポーランドの動きは日本では無視されるでしょう。
大国のアメリカあたりでポーランドのような動きがあれば日本も得意の「真似」をして変わっていきそうな気もしないでもないですが・・・。ちなみにポーランドにも以前自民党があって、そこが解体して自由連合というやはり当時あった政党と合併して市民プラットフォームになったそうです。
toxandoria 2010/12/12 21:05
“ぴっちゃん”さま、ポーランドの政治・経済の核心について、非常に興味深くかつ具体的で有意義な情報ありがとうございます。常日頃からの疑問が少しずつ解消してきた気がします。
まず前半のマクロ経済学派の主流と異端の問題ですが、日本では「1 ニューケインジアニズム」はほぼ正しく理解されているようですが、「2 サプライサイド(一般均衡についての人工達成の主張、それとネオリベラリズムの主張)」と「オーストリア学派」を混同する節がかなり多いように見えます(政治的背景か何かで作為的にそうする輩も多いようです)。
そもそものケインズ、およびハイエクとシュンペーターらオーストリア学派が重視する「ルーレット的ではない方の不確実性」と「アニマルスピリット」が、直近に読んだばかりの、発生生物学者・古澤満氏の仮説『不均衡進化(Disparity Evolution)』(DNA複製の過程における非常に有意で見事な進化論的戦略)に重なった偶然に驚いています。
詳しくは、お手数ながらコチラ(⇒http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20101210)をご覧いただきたく思いますが、古澤満氏は、先ず「本源部分(元本)も保守しつつ変異に併せて全体が、その変異に至る迄のプロセス(謂わば自己言及的な進化の歴史)を次世代へ繋ぐこと」が生物進化の最重要な点だと見なしているようです。
そこで進化の原動力に見立てた機能が<カオスの海>と<不均衡変異モデル>の二つです。<カオスの海>は従来型進化論のセントラルドグマである自然淘汰機能が主に作用する部分であり、言い換えれば、それは“アダムスミス又はネオリベが言う市場原理の如き自然選択、つまり神の手に委ねられるため失敗すれば制御不能で大きなダメージを受けるか死を意味するフィールド”だということです。
一方、<不均衡変異モデル>の方は、「不連続鎖」(二本のDNAがほつれて複製されるとき、「二本の鎖」のうち一本は安定したベクトルで複製される「連続鎖」(保守的な役割を分担する)だが、もう一本は多種類の酵素が非常に複雑に関わって出来上がる不連続鎖であり、これは<変異の閾値>の範囲で革新的な作用を分担する。そこで古澤満氏はこの「不連続鎖」側での<変異の閾値>の範囲での革新的な作用を採って『不均衡進化(Disparity Evolution) 』仮説と名付けました。
結局、古澤満氏のユニークな進化論仮説の全体が意味することを人間社会に合わせて擬態表現的に言えば『元本保証された多様性の創出』ということです。
更に、それを人間の経済社会全体の進化ということに当て嵌めるれば『保守すべき価値感および人間としての最低限の権利、歴史・文化、自然・生態環境、モノ、情報などは確実に守りつつ、大きな環境変化にも耐え得る革新性を何時でも発動できるよう常時スタンバイすべきであり、又そのようなスタンバイを可能ならしめる知恵をメンバー間で共有し、かつ若者・子供・子孫等へ確実にそれを継承するのが肝要』だということになります。
ともかくも、このように見てくると、“ぴっちゃん”さまご指摘のオーストリア学派が重視する「ルーレット的ではない方の不確実性」と「アニマルスピリット」が、古澤満氏の説く『不均衡進化(Disparity Evolution) 』における<均衡変異モデル>と<不均衡変異モデル>の二つにピタリと重なることが分り驚きました。更に、どうやら生物進化と理想的な経済均衡モデルには、もう一つ相似するパラメータ概念のようなものが存在するのではないかと思われます。
その可能性の一つは、<多様性の創出>ではないかと思い始めました。例えば、生物進化については<カオスの海>と<不均衡変異モデル>の他に分子生物学者・木村資生氏が唱える「中立的な意味での自由原理」(中立進化説)があります。それは、遺伝子の間を埋めるイントロンなどの表面的・外見的に見る限り一見では何の役に立ちそうにもないジャンク遺伝子(ゲノム全体の95%を占める)が何か重要な活力源の場となっているらしいという考え方です。
これは、まさに“ぴっちゃん”さまがご指摘の<ポーランド・市民プラットフォームが中小企業(金融・不動産業を除く)が商売しやすい社会をつくる経済の実現をターゲットとしていること>にオーバーラップします。然るに、日本の現状は企業数・就業人口・生産額ともに95%以上を占める肝心の中小企業対策は掛け声ばかりで全くお座なりである一方、数パーセントを占めるに過ぎぬ大企業へは大変な気配りの様子です。老化・老衰した大企業が自然死へ向かうのは、それこそ競争原理(<変異の閾値>の範囲での自助努力≒一定セーフティ・ネット内での看取り)に任せるべきでしょう。
>・・・つまり経済の新陳代謝。そういう社会をつくるためのマクロ経済・ミクロ経済での工夫に腐心しているようです。これはサプライサイド経済学を導入するということではありません。逆に規制緩和や減税と規制強化や増税を上手に組み合わせることです。たとえば累進課税の強化には理論的裏付けがちゃんとあります。・・・
このような観点からすれば、上の“ぴっちゃん”さま記述からの引用部分(>・・・・・・)は、ポーランドにおける経済政策のユニークさであり、シュラフタ的なポーランド・モデラティズムの真骨頂ではないでしょうか。
>当面の敵の第一は、経済が安定しているポーランドを「発見」してしまった外国の投資家からの投機的資本の流入(バーナンキのQEのせい)。この圧倒的マネー攻勢に対応するためにポーランドがどう出るのか、そこが見ものです。
この点が最も懸念されるところです。<バーナンキ式量的緩和>と<オバマ減税(ブッシュ減税の延長)>によるトリクルダウン幻想への妥協は再び世界をリーマンショック型の世界恐慌へ接近させる恐れがありますね。それに「経済が安定しているポーランドを「発見」してしまった外国の投資家からの投機的資本の流入(バーナンキのQEのせい)」とCDS金融時限爆弾の奇襲攻撃(http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090102)も心配です。ポーランドの英知の健闘を祈るばかりです。
>・・・市民プラットフォームのポーランド人たちと比較したとき、日本人の知的レベルの低さに愕然とする思いがします。ポーランドの動きは日本では無視されるでしょう。大国のアメリカあたりでポーランドのような動きがあれば日本も得意の「真似」をして変わっていきそうな気もしないでもないですが・・・。
このご指摘は“正鵠を射る”ことになりそうです。先ず、実効権力(既得権益)化した主要(記者クラブ)メディアとアカデミズムが正しい方向へ動きません(本当の愚か者でない限り分っているはずでしょうが・・・)。そして、混迷が深まる“市民派看板の現民主党政権の混迷”を尻目に自民・民主らの垣根を超えたアメリカ・シンパのネオリベ連合が米国モダニズム戦略(新・日本植民地化戦略)のための強固な橋頭保を水面下で築きつつあります。
おそらく、これは非常に残念なことですが・・・2011年以降の日本で見られる“ネオリベ型・猿芝居”は、例えば日本のニュープリンスこと小泉進次郎あたりをメディアプロパガンダで希望の星に担ぐ「偽装市民プラットフォーム新党」の結成の如き方向へ進む姿ではないかと思っています。その“おぞましいイメージ”は、すでに下のような関連情報で傍証されつつあります。
《傍証1》映画『クヒオ大佐』鑑賞後の感想…http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20091119より転載
結婚詐欺がバレそうになると、クヒオ大佐は必ず“米国は世界平和の実現のために戦っている(=人道的戦争の必要性)、君たち日本人は何もそのために貢献していない!”と絶叫する。・・・と、妙にそのヨタ話に納得してヘナってしまう日本の女たち。
冒頭に湾岸戦争のドキュメンタリー映像、政府関係者・外務省関係者らが米国政府と過激に交渉する場面が出てくる。が、結局は米国政府にドヤされて巨額資金の供与を押しつけられる。
この屈辱的な冒頭のシリアス・シーンが最後まで隠し味的なスパイス効果をもたらすため、主演・堺雅人の横暴さと悲哀感と滑稽味がミックスしたような屈折した個性が十分に発揮され、みごとなブラック・ユーモア作品となっている。
ゲラゲラ笑い転げながら『クヒオ大佐』を観終わった後に、独特のやりきれなさと“屈辱感”を味わうはずである。しかも、それは、今や限りなく“小泉=竹中式“詐欺劇場”へ変質するかに見える民主党政権の偽装政治(これもヤハリ偽装であったか?)が我われ一般国民に与える“脱力感・消耗感”と妙に重なってくるはずだ。
<参考>映画『クヒオ大佐』について ・・・同じく、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20091119より転載
監督:吉田大八 キャスト:堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、内野聖陽
湾岸戦争(1990)年8月2日〜1991年4月6日)の頃、実際にあった結婚詐欺事件をフィーチャーした作品。映画は米軍基地がある三浦半島の横須賀(小泉純一郎元首相、同ジュニア小泉進次郎“寄生・世襲型天下り議員一族”の選挙地盤)あたりと東京・銀座を舞台に進行する。
主人公の自称クヒオ大佐(日本人の詐欺師)は、「アメリカ空軍パイロットでカメハメハ大王やエリザベス女王の親類」と名乗りつつ結婚話を次々と交際女性に持ちかける。
クヒオ大佐を名乗る男は容姿がやや白人に似ていたため、髪を金髪に染め軍服のレプリカを着てカタコト日本語を使う「ニセ軍人」を演じた。映画では「つけ鼻」も用意し、より「白人」らしく見せている。
米軍人の凛々しい(?)軍服姿と軍装品の小道具類(実は、横須賀のミリタリー・ショップで手に入るものばかり)とデタラメな戦闘場面の作り話にメロメロとなり大金を巻き上げられる日本の女たちの末路は哀れだ。
原作は吉田和正の「結婚詐欺師 クヒオ大佐」(新風舎文庫、また映画公開に合わせ幻冬舎アウトロー文庫からも発売)。
《傍証2》『小泉進次郎氏、麻生前首相らと初訪米。日米関係について米政府と意見交換…有意義なものにしたい』、http://read2ch.com/r/newsplus/1272597022/
・・・2007.08 日米印会議出席 (CSIS非常勤研究員として出席)、会議出席者リストに、アーミテージやパターソンと一緒に小泉進次郎の名前がある。このときの小泉進次郎はまだ国会議員でなく民間人だが、前年までジェラルド・カーティスの指導下にいた。レイセオン(軍需製品メーカー)からも二人が出席している。⇒日米印会議レポート、
http://www2.jiia.or.jp/pdf/report/070817_us_j_ireport-j.pdf
《傍証3》現実の日本政治が映画『クヒオ大佐』化する背景=レイセオンら戦争請負会社の現況・・・http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20100111より転載
これは、米国からの対日「年次改革要望書」に沿って忠実に実行された小泉政権下の「郵政民営化」についても言えることだが、米国型の市場原理主義が密かに目論むトリックの一つに、なんでも“民営化”の大義名分の下で“市場環境の不安定化”(=不安定が日常化する状態)を計略的に持続させるという戦略がある。
このことを理論的に明言したのは『真の変革は、不安定な危機状況によってのみ可能となる』と述べた“小さな政府と市場原理主義の教祖”たるミルトン・フリードマン(Milton Friedman/ 1912 - 2006)だ。なお、シカゴ大学には2008年7月に、フリードマンの業績を記念する「ミルトン・フリードマン研究所」が設立されている(情報源:2009.1.9付・日本経済新聞)。
ともかくも、これは戦争についても同じことが言える訳で、それこそが「戦争の日常化」という“戦争と平和をめぐる世界環境の不安定化”の日常的な持続ということであり、そのための必須で適格な受け皿となったのが「戦争請負会社」(=傭兵派遣会社)である。そして、この傾向が露わになるのは“旧式な兵器と弾薬の在庫処分セール”とも囁かれた「湾岸戦争(1991)」〜「イラク戦争開戦(2003〜)」までの時期である。
特に「イラク戦争」では少なくとも年間で10〜12兆円以上のアメリカの経費(事実上の軍事費)が投入されている。無論、アメリカに限らず多くの先進諸国では建前上の軍事予算はポスト冷戦で削減(軍縮)傾向にあるものの、地域紛争が多発したりイラク・アフガン戦争が長期化したりするにつれて、アメリカを始めとする先進諸国では、食料・燃料とその輸送、兵士の訓練、事実上の実戦従事等の所謂「戦争民営化(戦争外注化)の経費」は増える傾向にある。因みに、2006年度におけるアメリカの軍事費は国家予算(274兆円程度)の約20%で57兆円前後であるから、世界で最大の軍事国家(世界の総軍事費の約50%)である(情報源、http://lave7171.iza.ne.jp/blog/entry/1237833/)。
上で述べたとおり、本場のアメリカではミルトン・フリードマンが神格化されて過剰な市場原理主義への回帰傾向(産学軍の体制の強化傾向)が強まりつつある。また、我が国においても小泉一家や竹中平蔵らネオリベ派の復興へ向けて“バロック風・通奏低音”を朝日新聞(主筆・船橋洋一)ら主要メディアが奏で始めている。このような空気の流れの中で「戦争の民営化」の受け皿として戦争役務提供会社、軍事コンサル&調査会社、軍事後方支援会社、戦争民営化寄生型の政治・軍事・経済評論家などが増殖してきたという事情がある。従って、その多くが国内利権に直結するとされる累計5兆円におよぶ日本政府提供の対米「思いやり予算」だけでなく、「普天間関連予算」あるいは「アフガン支援関連の出資」にしても、それらの一部が間接的に戦争請負会社等へ流用されていることが想像される。
因みに、世界全体で見ると、各同盟国が拠出した総負担額85億ドルは、米国外の米軍駐留経費総額の50%以上に当たり、そのうちの半分以上を担う日本は、世界の米軍の他国駐留費用の約4分の1を負担しているという推計もある(つまり日米安保は利権の巣窟化しているということ? / 2002年データ / 情報源:『村野瀬玲奈の秘書課広報室』、http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1558.html)。
ところで、このような事実上の「傭兵による代理戦争」(=アメリカ流の戦争の民営化)は国際法上では認められていない。つまり、1989年の国連総会で「傭兵の募集、使用、資金供与及び訓練を禁止する条約」(International Convention against the Re cruitment,Use,Financing and Training of Mercenaries.)が採択されている。が、それにもかかわらず事実上の「傭兵による代理戦争」が行われている背景には、米国など先進諸国の多くが当条約を批准していないことにある(日本も未批准である/参照 → わが国が未批准の国際条約一覧、http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/218/021814.pdf)。
世界における傭兵の数は20〜30万人と推計され、その出身地は南アフリカ・ウクライナ・ロシアなどが多いとされる。が、イラク・アフガン戦争に“従軍”するアメリカの戦争請負会社の“傭兵”は、映画『消されたヘッドライン』でも言及されているとおり、元海兵隊・特殊部隊・グリーンベレー・CIAなどに所属した、いわゆる戦闘意志が旺盛な退役軍人が多いと推測される。
しかしながら、喰いつめた荒くれの犯罪者らまでもが、非定期雇用で派遣社員型の不安定な身分であるにもかかわらず、その危険に見合った高給に誘われて応募していると考えられる。無論、その待遇の実態はかなり悲惨ともいえるもので、自らの戦闘能力を値踏みされ買い叩かれた挙句に日給ca5,000円〜10 万円程度で、傭兵たちは自らの命を売っていることになるようだ(情報源:『一番似つかわしくない言葉"戦争フリーター"が跋扈する現場事情』、http://www.unlimit517.co.jp/gnews38.htm)。
問題は、戦争による民間人の死傷者の悲惨さに劣らず、彼ら“傭兵”は国際法上で戦場における戦闘員(兵士)として認められていないため(ジュネーブ条約第一追加議定書第47条)、その戦場における死傷については全く法的な保護あるいは救済対象とならず、事実上の犬死に扱いだということである。そればかりか、これら“傭兵”が跋扈する戦場は完全な無法地帯であるため、彼らがどのような残虐行為を行っているかも一切の責任を追及すること自体が不可能となっており、まさにその戦場は敵か味方か無辜の民間人かの別を問わず、事実上“この世の地獄”と化しているのだ。
“需要さえあれば商品は何でもよく、要は市場で売れればよい”というのが「小泉=竹中構造改革」の威勢の良い掛け声の一つであったが、「イラク戦争」へ率先加担する意欲を示した、そして過剰に「市場原理主義」へ傾斜した彼らの異常な視野には、おそらく、この「戦争の民営化」も入っていたのではないかと思うとゾッとするものがある。そして、そこには、我が国におけるあの冷酷な使い捨て型の非定期雇用型労働者の異常な増加現象が重なって見えてくる。
因みに、アメリカの民間戦争請負会社の概要は以下のとおりである(ウイキペディアより転載)。
•AirScan
•ATAC - 戦闘機による仮想敵業務の代行を行う企業。
•Custer Battles
•Defion Internacional
•ダインコープ・インターナショナル
•ITT Corporation
•KBR
•Military Professional Resources Inc.
•MVM, Inc.
•Northbridge Services Group
•ノースロップ・グラマン
•Paratus World Wide Protection
•レイセオン
•Triple Canopy, Inc.
•Sharp End International
•Titan Corporation
•Vinnell Corporation
•Xe - 旧ブラックウォーター社
•Pathfinder Security Services
これらの中での最大手が「Xe - 旧ブラックウォーター社」である。ブラックウォーター社は、アメリカ合衆国の民間軍事会社で、1997年にアメリカ海軍特殊部隊SEALsを退役したエリック・プリンスが「ブラックウォーターUSA」として創設した。同社は文字通りの傭兵派遣会社であり、ズバリ言えばアメリカ政府ご用達でブッシュ政権と密接にかかわる“プロ殺し屋集団”である。
そして、その癒着が高じ「ブラックウォーター社」は莫大な金額の請求書を連邦政府(ブッシュ政権)へ送りつけるようになったため、イラク戦争の戦費が余りにも高額なものとなり、戦場での同社“傭兵”の悪行のみならず、戦費の異常な高騰についても批判が強まっていた。このため、イラク戦争を引き継いだオバマ政権は、イラク戦争の傭兵派遣会社を「ブラックウオーター社」から「トリプル・キャノピー社/Triple Canopy, Inc.」(イスラエルでも外交官の護衛を受け持つ)へ契約変更したという訳だ。
しかしながら、ブラック・ウオーターの所業を詳細に調査してきたジャーナリストのジェレミー・スケイヒル(Jeremy Scahill/ Puffin Foundation Writing Fellow at The Nation Institute)は、これを「オバマによる占領ブランドの看板の掛け替え」(利権構造がCHANGEしただけ?)だと批判している。つまり、選挙中の公約を破り、今やブッシュ政権の手法をそのまま受け継いだに過ぎないという訳だ。
【エピローグ動画】Celine Dion - Just Walk Away
[http://www.youtube.com/watch?v=QB-kr0EbQew:movie]
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