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民主党内で、菅直人首相と小沢一郎元代表の抗争が激化している。菅首相側は、13日の党役員会で、「政治とカネ」問題を抱える小沢氏の国会招致を議決で求めることを提案する方針。対する小沢氏側は12日投開票の茨城県議選での民主党惨敗を見越し、離党カードをチラつかせつつ首相批判を続けているのだ。「13日」が大政変に向けた分水嶺(ぶんすいれい)となるのか。
9日夜、民主党内の不和を象徴する出来事があった。
都内で開かれた民主党ワイン産業振興議連の試飲会で、「影の宰相」仙谷由人官房長官と、小沢氏と組んで首相批判を続ける鳩山由紀夫前首相がバッティングした。しかし、遅れてきた仙谷氏のあいさつが始まると、鳩山氏は言葉も交わさず退席していったのだ。
菅首相や仙谷氏が岡田克也幹事長を使い狙っている流れは、13日の党役員会で小沢氏招致に関して一任を取り付け、後に衆院政治倫理審査会(政倫審)の民主党委員が議決を申し立て、年内にも政倫審を開いて小沢氏招致を議決するというもの。
各プロセスで生じる親小沢系議員の反対は押し切り、議決を経ても小沢氏が招致を拒否するなら、離党勧告や除名を含めて検討するという超強硬路線だ。民主党関係者は「小沢切りで内閣支持率を回復させる。また、通常国会で公明党を中心とした野党の協力を得るための生け贄にする。成功すれば一石二鳥だ」と狙いを解説する。
ただ、小沢氏側も座して死を待つうようなことはしない。
小沢氏に近い松木謙公農水政務官は9日、議決方針について「そんなバカなこと、とても考えられない。そんなことより問責決議のほうが重い」と猛反発。川内博史衆院議員は「党執行部や内閣への国民の信頼が失墜していることが、支持率の低下に結びついている」と菅首相側の責任転嫁を糾弾した。
小沢氏は8日夜、新党改革の舛添要一代表らとの会合で「どうしようもなければ次のことも考えないといけない」と新党結成も視野に入れていることを明らかにしたという。側近は「菅首相では多数派工作は無理だ。小沢切りにくるなら、党を割って政権をつぶし政界再編に出る選択肢もある」といい、予断は許さない状況だ。
菅首相は9日、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトを率いた宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授の表敬訪問を受け「エイヤ!でやったわけですね」「勝負できてよかったじゃないですか」と自らを鼓舞するかのように興奮気味に語ったが、民主党は分裂含みでいよいよ抜き差しならない状況となってきた。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101210/plt1012101623002-n1.htm
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