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<カレル・ヴァン・ウォルフレン教授講演会>
[2010.12.5(日) TKP東京駅日本橋ビジネスセンター]
後援者:カレル・ヴァン・ウォルフレン[Karel van Wolferen]
実行グループ 代表:高木共生 ・ 総司会:Noriko Espinosa ・ 逐次通訳:原不二子
実行委員:上京 明、Noriko Espinosa、笹崎幸雄、小川真由美、服部弘志、川田 保、佐藤和子、山梨アイ子
『こんばんは。こんなに沢山の方がみえてとっても嬉しいです。複雑な話しをする事になると思うんですが、皆さんに判って頂けるように話しをしますから、よく聞いてください。この問題はそんなにやさしい問題ではなくて、政治の事を私は長年に渡り取り上げて書いてきました。とくに日本の政治∞日本に関わる政治≠ノついて書き続けているんです。30年以上日本の政治≠ノついては、日本に関わる政治≠通して[…分析]しているんです。私は日本≠ノ極めて深い関心を持っておりますし、また日本≠ノ住んで居る訳ですから日本≠フいろんな面が好きですし、日本の未来≠ェ明るいものてあって欲しいと心から願うからです。同時にそうは言いましたけれども、日本≠ノはいろいろな問題「結構劇的な問題がある…」という事で、「日本の政治システム≠ノ組み入れられているその問題」ということを私は長年に渡って分析もし、幾つかの著書も書いて来ました[…「日本 権力構造の謎/Karel van Wolferen」等]。特に最近私は関心をもっていろいろ分析して来ている事は「権力≠ニいうものがどういうふうに世界いろんなところで公使されて来ているか」と、特に「アメリカ≠ナ権力≠ェどのように公使されているか」というのを追求して来ました。アメリカ≠ナの権力の公使≠ニいうことも書いた訳ですけれども、数週間前に日本≠ナ発行された一番のヒットなんですけども、これも書いた訳です[…「アメリカとともに沈みゆく自由世界/Karel van Wolferen」]。』
『この本で言っている事なんですけれども、いろんな意味で「アメリカ≠ナは悲劇≠ェ起きている」という事です。「重要な事がもうコントロール出来ない状態になってしまっている」ということです。特にアメリカ≠ナの悲劇≠ニいうのは二つあるんですけれども、それは「アメリカの防衛≠ノは必要でない戦争をいろんなところで起こして来ている」という事です。それからもう一つは金融機関≠ニいう事で、これは世界中に問題をいろんなところでばらまいていて、誰のコントロールの手からも離れてしまっている状態です。その事は日本≠ノとっても日本の問題≠ナもある訳です。それは「日本≠ニアメリカ≠フ、何とも言えない不可思議な特別な関係」があるからです。この本で書いている事ですけれども、これは日本≠ホかりではなくて、ヨーロッパのいろんな国にも(適用)あてはまる事な訳ですけれども、いわゆる「自由世界≠ニ言われたところに属している日本≠含めて、国は眼を覚ます必要がある」と、「冷戦のときにアメリカ≠フ依存をした、アメリカ≠ノ頼った…、そういう事はもう出来ない」という事を知る必要があるという事です。日本≠フ場合特に言いたい事は、「日本≠ヘ真摯に、本当の意味で独立国家≠ノなる必要がある」という事です。多くの人はここに居る皆さんの中にも「そんな事言わないでくださいよ…」と、「日本≠ヘ独立国家≠ナすよ…」と仰るかもしれないけれども、公式には独立国家≠ニいう事になっているけれども、いろんな面に於いて、本当に独立≠オていると言える状態ではない訳です。』
『その事は最初に言ったように日本の政治システム≠ノいろいろ組み込まれてしまっている問題が故に、それはなかなか手を付ける事は出来ないし、変える事が出来ないが故に問題がある訳です。今まで多くの人たちは「その事を理解している」、理解と言わないまでも、薄々1980年代の終わり頃から90年代の初めに感じている人は居るんだろうと思います。その話しをすると「仕方がないですよ、何も出来ないんだから…」という答えが跳ね返って来るんです。そのとき皮肉紛れが故に私が書いたのは、「仕方がない」というのは「日本の政治用語≠フ中で最も頻繁に使われる言葉だ[…Japanese protect vocabulary]」と書いた訳です。変化が実際にその後起きた訳です。1993年…、覚えておられる方もあるかも知れないけれども、日本の政党政治史上¢蛯ォな変化が起きた訳です。覚えておられるかもあるかも知れないけれども、1993年の春でした。羽多 孜≠ウんと小沢一郎≠ェ自民党を離党します。その二人が離党した事によって新しい状況が創られる、いわゆる55年体制≠ニいうものの瓦解(がかい)が始まった訳です。私は凄くよく覚えている訳です。もう胸がときめくぐらい、ワクワクした訳だし、私ばかりではなくて日本≠フジャーナリストの人達も含めて「その事は凄い事が起きた」という事で、よく集まっては話しをして私もいろんな座談会に呼ばれて話しをしました。そのときのジャーナリストは、メディアによるマスコミのいろんな記事≠ナ「日本の有権者≠ノよって選出された人達が、政治を支配する必要がある」と、そして「内閣を中心にした政治が官僚制度≠ニいうのをきちんとコントロールすべきだ」という事を書いた訳です。』
『しかしこの問題は、当初から大きな課題であり問題であったため物議、争議を醸した訳で、いろいろな人達の気持ちも揺れ動いていた訳です。最終的に1993年の変化が起きたといういろんな激動の中から生まれていったのが民主党≠セった訳です。そして民主党≠ェ政権≠創る事になったと、政権≠ェ出来てすぐにいろんな物議、争議≠ェ醸し出された訳です。党内のいろいろな紛争、対立≠ニいうのも、浮上して来た訳です。現在の日本≠フ政治システム≠ナ起きている闘争≠ニいうか争議≠ニいうのは、いわゆる角福戦争≠ニいうものがありますからね、田中角栄≠ニ福田 実≠フ…、それとかそれから自民党≠フ中の派閥≠フ衝突というものとは全然性格が違うものです。それは何の闘争≠ゥといったら「日本≠支配する、日本≠政治する権利を持っている人は誰か」という事に対するぶつかり合いだからです。そして日本の政治制度≠フ中には、本当に「内閣が中心になった政府がある」と、「政治家≠ェ官僚≠支配するシステムが出て来る、対抗する事に本当に恐れ戦いている人≠ェいる」という事です。その人達の気持ちが判らないではない、ある意味では同情さえする訳です。彼らのその恐れ≠ェ故に、今の本当に必要な政治の改革を阻んでいると、そういう面もある訳ですけれども、彼らは何故それをするかという事が判らないでもない、ある意味では同情さえある訳です。』
『まず何が問題かという事を理解するという事が大事だと思います。「何故、本当の政治的な改革というものを阻害しているのか」と、その何故という事が判る事によって、その阻害をしている力を弱体化するというか、削いでいく事が出来るからであります。そしてそれが出来て初めて日本の新しいカタチの政府≠ニいうものが誕生する訳で、本当に有権者≠フ選んだ人達が新しい政策≠創って、日本の新しいコース≠創っていく事が出来る事にになるからです。なぜ、本当の政治的な改革というものを阻害しているかいう事を理解するために言わなければならない事は、日本の政治制度≠ニいうのもが構築されている、創られている方向というのはシステムシスター=m…私はシステムシスター(System shyster)]≠ニ言わなければならないんですけれども、日本の憲法≠ノうたわれている情報に沿って出来たシステム≠ナなければ、どんな法律によって創られたシステム≠ナもないと非公式のシステム≠セと言う事です。そして、このシステム=m…シスター(Shyster)=nの持っている目的というのは「秩序を維持する、守る」という事であります。それは「社会秩序を守るという事であり、経済の秩序を守る、そして政治的秩序を守るためのシステム=vだという事です。この秩序を維持しなければならないという、いわゆる「已(や)むに已まれぬ気持ち」というのは、官僚≠フ特に高官≠ネどをはじめ新聞の編集者なども持っているものでありまして、遡(さかのぼ)ってみればそれは明治時代からそういう仕組みがあって、それが守られて来たという事です。』
『昭和の時代には、社会秩序というのがいろんな意味で壊れていった訳ですから「秩序を維持するという徹底した気持ち」というのは強かった訳です。この「秩序を守る」という事は「現状を維持する」という事で、「基本的な事は何一つ変えない」という事に等しい訳です。その人達から見れば民主党≠ニいうのは「現状維持を覆(くつがえ)したい」と思っている訳ですから、大きな脅威に見なされる訳です。「まったく新しい方向で政治を行っていきたい」と民主党≠ヘ思っているからです。ですから日本の政治システム≠フ中には、民主党≠ェ目標を目的を達成する事を阻害する「いろいろな要素や仕組み」というのが仕込まれている訳です。民主党≠フ党内の中には、非常に優秀で何を民主党政権≠ェしなければならないかという事を明晰(めいせき)に知っている人がいる「小沢一郎≠ニいう人ですけれども」、この小沢一郎≠ヘ秩序を守りたい人≠ノとっては眼の上のタンコブ=迷惑な存在≠ネ訳です。』
『小沢一郎≠ヘ、特に1955年以降「日本の社会≠ェ動いて来た、政治が動いて来た、その仕組みに対して大きな脅威だ」というふうに秩序を守りたい人達≠ヘ見る訳です。現状「今の仕組み=システムの現状」を維持したいという人達≠ヘ免疫≠つくったという事です。丁度「身体の免疫と同じように、ウィルスはばい菌だという事になると免疫≠ェそれを入って来ないようにする」訳です。「それと同じような免疫≠ェ日本の政治システム≠ノはある」という事を言いたい訳です。この日本の免疫システム≠ニいうのは何かといえば、検察≠ニ、それからメディア≠ナす。特に大新聞≠ナす。ですから、多くの人達がこれに気がついて「日本のメディア≠ヘおかしいな」と「日本の検察≠ヘ日本≠ノとって大きな問題だな」という事を言うんですが、私は同感です。だけれども「悪者だけにしたくはないんで、いい事もやってるよ」という事を言いたい訳です。「日本の検察≠ニいうのは、いろんな意味である意味で極めて稀な機関だ」という事が言える訳です。』
『日本の監獄≠ノはあまり多くの囚人がいません。他国と比べますと「日本の監獄≠ニいうのはあまり囚人がいない」と空いてる訳ですね。それはやはり検察≠フ政策≠ェ賢明、賢いところがあるからであります。「最初に罪を犯した初犯の人達には割りと優しい」という事と、それから「お詫びをすれば、再び犯罪は犯しません」という事を公言すれば「優しく扱ってくれると」いう面がある訳です。ところがひとたび「検察≠含むその免疫システム=vというのは[…というのが作動し始めると]、「法律を守るため[…だけ]に機能してはいない」訳ではありますし、それから政治システム≠ニいうものが「今までと違った事をやるということ」に対して「手を打つというか、それをさせないというふうに機能させる」訳です。』
『検察≠ェ相手にするのは政治家≠セけではない訳です。経済界≠ノ於いても、例えば「リクルート≠創った江添さん≠ニいう人が居ましてね、彼も検察≠ノよって引っ張られた」という事がありましたし、「ホリエモン≠ナ有名な堀江さん≠烽ワた検察≠ノ引っかかった」訳ですね。それは「[彼の存在を…]同じ金融界、経済界の他の人達が迷惑だと彼の存在を感じた」からです。ところが、彼らが一番目の敵にしているのは政治家≠ネ訳です。今まできちんと守って来た整然とした日本の秩序≠アれを覆そうとしているのは政治家≠セという事に捉えられているからです。有名な雑誌であるとか、大新聞の編集者達≠フ態度というのはよく見てみると、どちらともつかない態度を取っているという事が判ります。編集者のトップの人達は皆さんと同じように、「本当に抜本的な何か変化が今の政治システム≠ノ起こらなければいけない」という事を感じている人達です。そういう事を理解はしているけれども、「大きな抜本的な変革を起こしてしまったら日本の秩序≠ニいうのが破壊されるんではないか」という恐れ≠一方で抱いてる訳です。彼らは秩序が崩れるという事の心に抱いている恐れ≠ニいうのを官僚の高官≠フ人達に共有する訳です。その話しをする訳です。』
『実は私、東アジアを担当していた特派員でジャーナリストであったときに、いろんな編集者と昼食を一緒にしたり、それから官僚のトップの人達≠ニ話しをしましたから、彼らがそういう気持ちでいるという事はじかに聞いて知っている訳です。「日本≠ノとってまったく新しい道を行く」という事と、「新しいその政治のセンターを創る必要がある、新しい政策≠ェ必要だ」と、そして「いろんな政策≠きちんと調整する中核を成すセンターも必要だ」と、「それを内閣に置かなければならない」と、いう事は判っている訳ですけれども、「それを政治家≠ノ頼るという事は出来ない」と思っている訳です。何となれば、「彼らから見て政治家達≠ヘ責任≠取らない人達だと思われている」からです。「政治家≠ヘ信頼に足りない」と彼らの関心は「金儲けだけだ」とか、それから「国をきちんと指導してくれる経験≠ネんて持ってないじゃないか」と、「大事な政策≠まかせるには足らない」という事、そういう考え方というのは今に始まった事ではなくて、「政治家≠ェそもそも出て来たとき代から」…明治時代からある訳です。明治の改革≠成した人達は「政治家≠ェ必要」だと、「近代的な国家≠ニいうのはみんな国会を持っている、議会を持っている、人民によって選出された政治家≠ェいる、だから日本≠ナもそれが必要だ」というふうに思った訳です。政治家≠フ問題というのは選挙≠フときのお互いにぶつかって戦い合う訳ですから、戦っている間というのはお互いの間の和≠ニいうか、そのハーモニー≠ニいうものがない訳です。日本国≠ノは特別な他国にはない和の精神≠ェあるという事を打ち出したのは、明治の新しい改革をした改革派の人達≠セったのです。』
『その日本≠統一≠キる必要があって、それではその統一≠どのようにするかという事を考えたときに「天皇制度」というものを創った。「人徳のあるその天皇≠中心に置いて和≠持つ社会を、国を創っていこうと」いう事になった訳です。ですから、その考え方の中には政治家≠フ存在というものは入って来てなかった訳です。選挙≠フときにはお互いにぶつかって喧嘩し合うという事で、常に「お金が欲しい」と「資金が欲しい」というような事でありますから、和を持って尊しと成す≠ニいうような社会づくりに政治家≠ヘ合わないという感じがあった訳です。「いやに古い歴史を引っ張り出して話しているな」と思われる方がいるかも知れませんが、一番最初に言った「日本≠支配する」というか「日本の政治≠行なう権利を持った人達は誰か」というその問いかけといういのは「今に始まったものではないと、その時代まで遡って考えなければならない事だ」という事だからです。そういった伝統が永く続いて来たうえの今日ですから、非常に厳しい苦々しい戦いが成されている訳です。その日本の政治≠フ現状というのは、大きな意味で日米関係≠ニも関わり合いがある訳です。このことは「非常に極めて密接な関係がある」と言った訳ですけれどもその事を理解するうえで、その官僚≠ノしても、それから大臣≠ノしても、そのずーと前に成された決定に従って出来たシステム≠ナありますから、「これだけ永きに続いて来たシステム≠政治的な決断によって変える」とか、「新しい政策≠打ち出す」という事が出来にくい訳です。』
『今日の日本の施策≠ニいうのは「言ってみれば1950年代、60年代に創られたもの」であって、「そのときからほとんど何も変わってないものを未だに続いている」という事です。いろんな意味で旨くいっている訳です。それは、全ての官僚≠ニは言いませんけれども「優秀な人達も居ない訳じゃない、居る訳で」いろんな省庁に於いて有能な人達が居る訳です。なかには「酷いな」と言う人もいるかも知れない、私もそう思います。だけれども総じて考えれば「他の国の官僚≠ニ比べれば日本の官僚≠ヘそう悪くはない」と思います。彼らはある意味では仕組みの中にはまり込んでいて政治家≠ェ「こういうふうに政策≠変えるんだ、道を変えるんだ」とその指導が来ない訳ですから、ある現状にはまったままだという事です。彼ら官僚のトップの人達≠焉Aそれから大新聞≠竍メディアの編集者達≠焉u政治家≠ノは任せられないよ」と、「彼らには経験≠烽ネいし、責任≠燻謔轤ネいんだから」という訳です。それは「経験≠ネいよ」と「仰る通り」だと。なぜ経験≠ェないかといったら「官僚≠フあなたたちが手を離さないで彼らに政治家≠ノやらせないから、経験≠ネんか出来ないでしょ」という訳です。』
『民主党政権≠フ最初の一年を、ちょっと考えてみましょう。日本の政治史≠ノ於いて大きな変化、変革だった訳です。半世紀に渡って「1.5政党システム」というのは機能してきたと言える訳であります。自民党≠ニいうのがあった訳でありますし、それから社会党≠ニいうのは政権≠取ろうという気持ちもなかった訳ですから、その二つの体制が続いた事で「1.5政党システム」というふうに呼ばれていた訳です。93年の大きな出来事、変化によって信頼に足る野党というものが政権≠取るという事を言った野党民主党≠ェ誕生した訳です。短期間でありましたけれども2政党のシステム≠ニいうのが出来、2009年にその一つが選挙≠ノ於いて勝利を締めたという事で、新しい民主党政権≠ェ生まれたのです。』
『初めからその民主党政権≠フ運営をサボタージュ[sabotage/争議行為, 怠業]する勢力≠ェあると、それは二つ≠った訳です。一つは国内勢力≠ナす。もう一つは外部勢力、外国の勢力≠サれについてはお話しをします。当局≠ニ私が呼んでいるのは大新聞の編集者≠ナあり、それから検察≠ニいう事になる訳でありますけれど、2009年の選挙≠フ前に「小沢一郎≠ェ首相になるんではないか」という事を極めて非常に恐れた訳です。2009年の初めに私は日本≠ノ来た訳ですけれども、日本≠ノ来てみたところ、ジャーナリストの仲間達がみんな嬉しそうに「この夏、凄い事が起きるんだぞ」と「8月末の夏の選挙≠ナ民主党≠ェ勝つ」と「そうすれば小沢一郎≠ェ首相になる」と言っていた訳ですが、私は「イヤイヤそうはならない」と「小沢一郎≠ェ首相になる事を止める勢力があるから」という事を言った訳です。私はそれを自信をもってそう言った訳です。ある程度の予測というものが付いたからであります。小沢≠ヘ日本≠フ現状の維持を覆す大きな脅威として捉えられているからです。そして本人もその「自分が留まっていたら民主党政権≠ェ旨くいかないかも知れない」という事で代表辞任≠しましたし、民主党≠フ方も「小沢≠ノ残られたら選挙≠ノ勝てないかも知れない」と思った訳であります。』
『これは興味深い現象だと思う訳で、実は私、今その事で本を書いておりまして来年の1月に発刊される予定なんですが、「小沢一郎≠フ人格の、暗殺という言葉はちょっとアレですよね、彼のその存在を抹殺する」というような題名の本を書いている訳です。』
『私を含め多くの人達が感じたと思った訳ですけれども、小沢一郎≠ヘ身を引いたといっても、影で政策≠ノ対してまだ力を発揮する力をまだ持っていますし、鳩山さん≠燻相になった時に小沢さん≠ニやろうという事を同意しておりましたし、そうすれば私は「内閣をきちんと中心とした政府、機能する政府が出来る」と思った訳であります。それによって「政治がきちんと中心に置かれた政策≠テくりも可能になる」と思いました。ところがその新聞≠フ方は新しい政策≠ノついて書く頭がなかなか無いと、それは何故かというと自民党≠ェ長年に渡って派閥の闘争≠ェあった訳ですから派閥の軋轢(あつれき)≠カバーするという事ばかりやって来た記者さん≠スちは、その政策≠ノついて書く頭が無いという事です。こういう新しい政策≠ェ必要じゃないかというようなアイディア≠もって「記事≠ェ書かれるという事」も、「話し合われるという事」もなかった訳であります。自民党政権時代≠ノは基本的に自民党≠フ面々は新しい政策≠ニいう事に関心がなかった訳でありまして、それは全部官僚≠ノまる投げ≠ナ預けていたからな訳です。そういうような新聞≠ヘ民主党≠ノとって最大の障害ではなかった訳です。もう一つ大きな障害があった、それはワシントン≠ワぁアメリカ≠ネ訳ですよ。』
『昨年の11月から12月にかけて、私は「ワシントン≠ェアメリカ≠ェ鳩山政権≠引き倒そうというか、いろいろ計画を立てているぞ」という予測をした訳です。この事は非常に複雑な問題でありますから、なかなかすんなりと理解は出来ない訳ですけれども、「沖縄≠フ海兵隊の基地=vの問題とも関わりがある事です。この事は理解して欲しい訳ですけれどもアメリカ≠ナは事情が前と変わって来たという事であります。「国務省≠ノいる日本≠カバーしている人達」というのは日本≠ノ対する関心が薄くなって来ているし、理解もあまりない訳であります。彼らは主に「軍部の人達、軍人出の人達」が、今日本の問題≠国務省≠ナカバーしているという事、いわゆる「国防総省≠フペンタゴン[Pentagon]¢イ業生」といえる人達がカバーしている訳であります。』
『鳩山首相≠ェ本当にやりたかった事、そして彼は出来ると信じていた事はオバマ大統領≠ニ日米関係≠フ将来に対して、または東アジアの将来に対して中国≠ノ対して一緒に話し合う事でした。言うまでもなく、二番目に大きい産業国家である日本≠フ、しかも新しく政権与党≠ノ就いたところの首相≠ェこれまた新しいアメリカ大統領≠ニ会うという事は極めて自然の成り行きだった訳です。私の知る限りでは鳩山首相≠ヘ3回オバマ大統領≠ニの接見という事を申し出て努力をしたけれども、3回ともかなり手厳しく蹴られたというか断られた訳です。』
『新しい日本の首相≠ェ信じられないカタチで待遇されたと、処遇が酷かった訳であります。そういう事を言うのは「日米関係≠観ているアメリカ人≠ナない私だけではない」訳であります。同様にアメリカ人≠ナないオーストラリア≠フギャビン・マコーミック[Gavin McCormick]≠ニいう人も私と同じような考え方なんですけれども、「アメリカ≠フこれだけ外交的でなく非常にルーズ[loose/散漫, 怠慢]なカタチ≠ナ、そのように大きな国の首相を扱ったという事例は自分は知らない」と彼も言っていました。日本の新聞≠ヘ、このような侮辱的な扱いを日本の首相≠ェ受けたという事に関して、「どうしていいか判らなかったと、失礼だという事で異論を唱える事もなかったし、どうしたらいいか判らない」という事が率直な感じだったと思う訳です。まったく新しい状況で今まで遭遇したことがない事ですから、どうハンドリングしたらいいか判らないという事だった訳ですけれども、はっきり言って主権国家≠ニして日本≠ヘ扱われなかったという事を意味するんです。新聞のいろんな新聞の社説の解説なんかを見てみますと「鳩山≠ヘ外交に失敗した」という事を書いてある訳ですが、私は「ちょっと待てよ」と、「相手側が主権国家≠ニして認めなくてどうやって外交が入れるのか」という訳です。これらが、ものすごく大きな問題な訳であります。日本≠ヘ主権国家≠ニして行動をしていないという事であります。それは官僚≠熈政治家≠焉Aその事を認識してやって来なかったからであります。強力な中央政府≠ニいうものがあって、きちんと主権≠ニいうものが発動して、独立した政策≠ェあるんだという事をきちんと打ち出すという事が、今まで成されて来なかった訳です。』
『日本≠ナその事を理解しておられるという方はいる訳でありまして、私の古き友人でそして金融問題≠追求している人なんですけれども、そして金融の歴史という事を観て来た人といろんな話しとヨモヤマ話をしていて、小沢さん≠フ事についても電話で話したら「小沢さん≠ヘ危険な存在だというふうに官僚≠ヘ観ているよ」と、「それは日本≠主権国家≠ノしょうとするから危険なんだ」という事を言っていました。今の状態で「何かおかしいな」ってどこかこの辺で思う方は沢山いるんだけれども、「何が、どうおかしいか」という事がなかなか言え切れない状態だと思います。』
『日本≠ノは「内閣≠中心に据えた強力な政府≠ェ存在しない、不在である」という事と、「その政治≠やっているのは官僚機構≠ナある」という事と、「日本≠フ対米属国化≠ニいうかまるで自分を属国≠フように観ている」という事のこの三つには関連があるのです。「この状況をきちんと把握して何とかしろ」と言うところまで乗り切れないと、それはいろんな日本≠取り巻く環境に恐れがあるからでありまして、一つは中国≠フ出方、もう一つは北朝鮮です。□□も永年の友人で彼も書き手で本などを書く人なんですけれども、彼自身は中国≠凄く恐れている。「だから日本≠ヘ中国≠ノ対して危険だから手を出すべきでない」というような事を言う訳です。「私は、今の段階では中国≠ヘ全然脅威になってないじゃないか」と言う訳です。未来を予測する事は出来ませんから、将来中国≠ニの紛争というものがあるかも知れません。』
『現状を変えるためにやはり北京の、中国≠ニ交渉するためにはやはり主権国家≠ニしてきちんと交渉していく必要がある訳であります。相手にとっても良い状況日本≠ノとっても良い、お互いにウィンミン[Win Myint]の状況になるような交渉をするためには主権国家≠ナある事が必要な訳です。日本≠取り巻く環境がいろいろなところで変化が起きている、そして将来どういう事が起きるか判らないという状況であるから、ますます日本≠ヘ主権国家≠ノ成らなければならないのです。数日前でしたか、夕食を共にしていたアメリカの元外交官≠ニいう人が居るんですけれど、彼は沖縄返還≠ノ携わった人で、当時中日大使館∞米国大使館≠ノ居た訳ですが、彼と話して「日本≠ヘ本当に主権国家≠サして交渉が出来るだろうかと…」。「出来るか出来ないかは、やってみなきゃしょうがないじゃないか」と私は言う訳です。「何回か練習をしているうちに巧く出来るんじゃないか」と、日本≠ノは優秀な人達が沢山いるんです。』
『日本の皆さん≠烽チと現状をきちんと知るという事が必要だと思います。日米関係≠ノついても、それから安全保障条約≠ノついても、もっともっと知る必要があると思います。私は日本人≠ナもない弁護士でもないんですが、日本≠フ弁護士であるならば「アメリカ≠ェ仮にもやろうと沖縄でしている事は安全保障条約≠フ違反であると、不履行だ」と言わなければなりません。日米安全保障条約≠ニいうのは「基地≠アメリカ≠ノ貸与するという協定=vな訳です。「アメリカ≠ノ基地≠貸与する目的条件というのは、日本の防衛≠フため」である。沖縄≠ノいる海兵隊≠ヘ日本の防衛≠ノとっては全く無用で、意味を成さない訳であります。彼らは攻撃部隊≠ニしてイラク≠ノ派遣される、アフガニスタン≠ノ派遣、どこかに有事≠ェ起きた時にはアジアの他のところへ行く攻撃部隊≠ネ訳です。日本の対アメリカ≠ノ対する議論としては「安全保障条約の条件≠守っていないじゃないか、不履行ではないか」と、「私達が条件として貸与した基地≠サの条件を満たしてはいないのではないか」という事を言って責めるべきなのです。本当にどうなるか判らない中で言っている訳ではありますけれど、東京のというか中央政府≠ェ海兵隊≠ニ辺野古≠フ問題などをアメリカとの約束£ハり押したら沖縄≠ヘ爆発する事になるだろうと思います。管 直人≠ヘ、その海兵隊の問題≠解決する事は出来ないと、そして残念な事なんですけれども管 直人≠取り巻く彼のサポーターは、ますます自民党≠フようになって来ているという事です。私は93年以降管さん≠ェ好きというか管さん≠サポートするような気持ちでいましたから、言いたくない言いづらい事でありますけれども、そのHIV≠ノ汚染された血液製剤≠厚労省≠相手にあれだけ交渉したという、その彼の力、彼の勇気というのはどうもここへ来てくじけて来ていて新聞≠ノ対しても□□であると、ますます自民党≠轤オくなって来てしまっている事には残念に思う訳です。』
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