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内閣支持率が急落、政権危機もささやかれ始めた菅直人首相が6日、臨時国会閉会を受けて開いた会見で、自身の発信や成果が伝わっていないと、いら立ちをみせた。厳しい日程の中、外交など結果を出したと強調したが、知ってもらうためには、自画自賛するしかない苦しい立場が現れた。一方、問責決議案が可決された仙谷由人官房長官について「期待以上」とかばい、内閣改造も否定した。追い詰められた菅首相は今後、展望を見いだせるのか。
「この政権は、一体何をしたいのか。飛んでくるボールを打ち返すことだけで、精いっぱいに見える」。臨時国会で積んだ“成果”を披露した会見の最後、菅首相は政権の本質をただされた。首相は反論気味に答えた。「自分が考え、いろんな人に会い、発信する余裕がないくらいタイトなスケジュールだった。一般の方に理解してもらえるか分からないが」と、続けた。
「APECの前にはG20があり、その前の3日間は7時間、7時間、6時間の国会質疑があって、朝5時起きでやった」と強調。厳しい日程をこなす中、実績アピールの余裕がなかったと説明した。「冷静にみていただければ、(実績は)まだたくさんある。歴代の政権ができなかったこともやっているが、伝える暇がなかった」とも述べた。
「総理になって発言も言葉を慎重に選んできたが、元気がないと受け止められた。これからは率直に国民に直接訴えたい」。発信を強める考えを示す一方、「(所信表明に対する)野党の代表質問も、真正面から受け止めたものがなかった。メディアも、私が一番重点を置いたところに多くの論評をしていただけなかった」と、不満の先は野党や報道にまで及んだ。
中国漁船衝突事件や閣僚の答弁、自身の発言など、菅首相にはいばらの道だった臨時国会。報道各社の内閣支持率は危険水域の30%を割り込み20台前半の数字もある。会見では、歯がゆさを漏らす場面が多かったが、忙しさを理由にしたり自画自賛をしたり。必死な様子は逆に追い詰められている姿を浮き彫りにした。
国会運営を厳しくさせた要因のひとつが仙谷氏。今後の処遇について問われた菅首相は「期待以上の仕事をしてくれ、今も続いている」とした上で、問責決議案は、衆院の内閣不信任決議とは重みが違うと指摘。「改造うんぬんではなく、政権運営をしっかり進める体制をつくりたい」と内閣改造は否定。仙谷氏を守る姿勢を示した。仙谷氏はうつむきながら話を聞いた。
しかし、野党は仙谷氏らが通常国会冒頭で辞任していなければ、審議拒否の構えを示している。いばらの道が続きそうな菅首相。打開のきっかけを、アピールできる機会は訪れるのか。【中山知子】
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