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2010/12/06(月) 00:31:30
■資金の足りない新人政治家を合法的に支援して一体何が悪いのか
どうしても、悪者にしなければ気が済まないらしい。
大マスコミが、またぞろ民主党の小沢一郎元代表の政治資金を騒ぎ立て始めた。30日に総務省が発表した09年の政治資金報告書を受けて、朝日・読売・産経が小沢のカネの流れを1面トップで報じたのだ。
記事の内容は、小沢の資金管理団体「陸山会」が、09年の衆院選解散当日の7月21日、民主党の立候補予定者88人に500万円ずつ支出するなど、8月の総選挙公示までに民主党の立候補予定者91人に総額4億4900万円を提供していたというもの。
この資金提供の際、7月21日に旧新政党の資金がプールされていた政治団体「改革フォーラム21」から、小沢が代表を務める民主党岩手県第4区総支部に3億7000万円が寄付された。翌22日に同額が陸山会に寄付されていた。
「記事を繰り返し読んでも、何が問題なのかサッパリ分かりません」と、九大名誉教授の斎藤文男氏(憲法)がこう言う。
「新政党時代の資金と結びつけて、いかにも怪しげに書き立てていますが、政治資金規正法の目的は、政治資金の流れを透明化させること。寄付した側は『新政党の理念を受け継ぐ民主党の小沢氏の支部に寄付した』と説明していて、その意味では、何ら法に触れることはしていないし、いま裁判を控えている“虚偽記載”とも全く関係がない話です。それなのに、まるで新たな疑惑が表面化したかのように各紙が1面トップで報じるのは違和感がありますね。政治資金規正法の改正論議に話を持っていくなら、まだ分かります。しかし、これは小沢=悪という印象を植えつけるだけの記事。ほとんど嫌がらせの類いで、裁判で彼を有罪にするための世論誘導と言われても仕方がありません」
■正々堂々正当にカネを使った証左
小沢は、選挙資金が足りない新人議員らを合法的に支援しただけだ。やましいことは何もない。だから、正々堂々と終始報告書に記載もしている。資金援助しちゃイカンというなら、むしろ表に出さず配るほうが問題だろう。自民党の派閥が、選挙のたびに軍資金を配って求心力を保ってきたのは周知の事実だ。そのうち何人が、きっちりと収支報告書で詳細を明かしたというのか。
元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏は、こう指摘する。
「クリーンを標榜(ひょうぼう)し、自民党の金権政治を批判してきた民主党の最大実力者が、自民党の派閥政治のようなことをやっているのはいかがなものか、というのがマスコミの論調です。そう書かれれば、小沢氏も民主党もダーティなイメージになる。
一方、今の自民党派閥には、子分に十分な資金を配るだけの力はない。だから派閥が崩壊したわけです。それこそ自民党から小沢氏に対し、“それだけの力があって立派。自民党に戻って立て直して欲しい”という声が上がっても不思議ではないくらいです」
天下国家を考え、理想の実現に向かって突き進む政治家が、合法的に政治資金を集め、有効に活用して何が悪いのか。小沢は昨年の総選挙が勝負時と考え、この時のためにプールしてきた資金で候補者を徹底的にバックアップした。そり結果、143人の新人議員が当選。衆院で圧倒的多数を得ることができた。政権交代のため、この国のために自身の資金を投じたのである。アッパレではないか。
現内閣でトップの収入がありながら、側近らに計810万円しか支援しなかった菅首相とは大違いだ。
今回の一件は、改めて小沢一郎という政治家のスケールの大きさを浮き彫りにした。
だからこそ、小沢復権を何が何でも潰したい大マスコミは大騒ぎするのだ。まったく、おかしな国である。
(日刊ゲンダイ 2010/12/02 掲載)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
☆「新聞はあたかも(小沢氏が)子分を増やすためにカネを配ったように書いています。読売新聞は『小沢部隊 カネで形成』の大見出し、冗談じゃありませんよ。配った中には公募の候補者もいるし、前原グループの国会議員だったのもいる。
当然、彼らは当選後も小沢グループには入っていないし、先の代表選では菅氏に投じた。裏切られたのでなく、派閥とかを超えて、みんなにカネを配ったということです」(小沢側近、12/04記事より)
そのおかげで政権交代が実現できた。
もし政権交代がなければ、いまだに自民党政治が続いていたかと思うとゾッとします。
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