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秋の臨時国会は3日、仙谷由人官房長官、馬淵澄夫国土交通相の問責決議をめぐり、与野党が対立したまま、閉会しました。
菅直人政権は問責決議にかかわらず、仙谷氏らを続投させています。しかし、これは国権の最高機関である国会の一方である参院の意思を無視する、いわば議会制民主主義を軽視した対応です。また、民主党は野党時代、問責決議案が可決された首相、閣僚には即刻辞任を求めてきた経緯があり、これとも矛盾します。今回はこの問責決議に、与党と野党はどう対応すべきかをテーマに書きたいと思います。
参院の首相や閣僚の問責決議は、衆院の内閣不信任決議と違って、法的拘束力はありません。憲法上、衆院で内閣不信任決議案が可決された場合は、首相は衆院を解散するか、総辞職しなければなりませんが、参院の問責決議は法律のうえで、辞任が義務づけられているわけではありません。
しかし、院の決議ですから、政治的には極めて大きな意味をもちます。とくに今年7月に参院選が行われており、参院の決議は直近の民意と言えます。それだけに菅政権は今回の問責決議を重く受け止めるべきだと思います。
現行憲法下で参院で問責決議案が可決されたのは、平成10年の額賀福志郎防衛庁長官、20年の福田康夫首相、21年の麻生太郎首相の3例だけです。額賀氏は1カ月後に辞任、福田氏は3カ月後に退陣、麻生氏は7日後に衆院を解散と、いずれも辞任または解散に追い込まれています。
この3例において、野党だった民主党は問責決議に賛成して可決し、「即刻辞任」を強く求めてきました。その民主党が政権についたら、態度を一変させ、仙谷氏らを続投させているのです。明らかに筋の通らない、矛盾した対応です。しかし、これは長続きしないでしょう。私は来年1月の通常国会を考えると、菅政権はこのままではすまないとみています。
もし、仙谷氏らを続投させたまま、通常国会に突入したら、問責決議案に賛成した野党は審議に応じないと思われます。そうすると、国会は冒頭から空転し、平成23年度予算案の審議はまったく進まないという異常事態に陥ります。したがって、私は菅政権は通常国会前には、仙谷氏らを更迭するか、内閣改造に踏み切るかという状況に追い込まれるとみているわけです。
また、議会制民主主義、国権の最高機関たる国会の権威を維持する観点からも、菅政権は仙谷氏らの更迭または内閣改造に踏み切るべきだと思います。そうしなければ、国会の決議とは何なのかということになってしまいます。
国会ではこれまでに非核三原則などさまざまな決議が行われてきました。これらは法的拘束力はないものの、政治的意思として大きな意味をもってきました。仙谷氏を続投させるということは、これら国会決議そのものの意味を失わせることになってしまうのです。国会の権威を保つうえでも、菅首相には決断を求めたいと思います。
一方、野党も対応が問われます。3日で国会が閉会したことによって、野党は戦いの場を失ってしまいます。通常国会が開会されるまでは1カ月以上あるわけですが、この間、野党がどのように仙谷氏らを続投させている菅政権を攻撃し続けられるかが問われます。
もし、攻撃できずに、野党がなあなあで通常国会の審議に応じたら、これまた国会の権威が問われることになります。そんなことなら、野党は初めから問責決議案を提出すべきではなかったということになります。野党が国会の権威を守ろうと考えるなら、また自らが提出、賛成した問責決議の意味を自覚するなら、仙谷氏らの更迭が実現するまで徹底的に対決していくべきだと思います。
私はとくに仙谷氏の問責決議は「当然だ」と思っています。野党が指摘した問責決議の理由は、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件への対応などですが、その中でも私は仙谷氏が国会答弁で自衛隊を「暴力装置」と発言したことは許せません。
私は父が自衛官であったこともあり、仙谷氏が自らの生命をかけて国を守っている自衛隊を「暴力装置」と発言した際は、強い憤りを覚えました。私でさえそうなのですから、現役の自衛官とその家族は、この発言をどういう気持ちで聞いたでしょうか。
そんな発言をする人物が官房長官を務めている政権のために、自らの生命をかけることはできないと思った自衛官はたくさんいるのではないでしょうか。これでは日本の国防、国際貢献はままなりません。その観点からも、私は菅首相は仙谷氏を罷免すべきだと思います。
仙谷氏らの問責決議をめぐる攻防は、来年1月の通常国会開会まで続きます。ぜひ菅政権は良識を発揮して決断を、野党には毅然(きぜん)たる対応を求めたいと思います。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101205/plc1012051202006-n1.htm
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