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2010年12月05日
小沢一郎と陸山会政治資金虚偽記載問題で、多くの国民が“国策捜査”という言葉を認識するようになった。
筆者のように、多少法律を噛んだ人間でも、これ程までに我が国の刑事司法制度が民主主義国家の中で異端児である事を理解したのは、小沢一郎の秘書逮捕が事前の事情聴取もなく、突然になされた事への違和感から発している。
逮捕起訴された秘書諸君には申し訳ないのだが、筆者に限らず多くの国民が、何が問題だった? 大なり小なり政治家ならやっていそうな事象を、政権交代を目前にした民主党小沢一郎代表だけを標的に捜査がなされたのか、正常な目線を持つ人間なら疑問を持つのが当然だ。
そして、この一連の捜査に誘発されるように大阪地検特捜部が無計画な捜査起訴で大不祥事を惹起させたのだから、小沢一郎の秘書諸君は日本の特捜の在り方を顕在化させた功労者と見ることが出来る。皮肉にも、大阪地検の前田検事も検察の存在にスポットを当てた意味で功労者? である。
勿論、小沢の秘書たちは、トンデモナイ被害者ではあるが、その無実は是非公判で明確に証明して貰いたい。ただ、貴方がたの犠牲は、広い意味で日本の司法制度そのものに、風穴を開けたと云う意味で貴重な犠牲である。このような被害の発生がなぜ起きるか、司法に関わる人々だけの問題ではなく、我々一人ひとりの問題として理解する義務があるのだと思う。
ただ、刑事司法と云うものは刑事訴訟法と云う無味簡素な条文に構成される法律であり、決して面白い法律ではない。まして一般の市民が手にとってスラスラ理解できる類のものでもない。そこがつけ目とでも云うか、日本の刑事司法は驚異的に検察のフィールドになっている。
こと細かな話は抜きにするが、一般的に警察が捜査逮捕し、それを検察に送検、検察が最終的に起訴または不起訴を決定する。日本の検察が行った刑事裁判の有罪率は99.9%と云う事だから、極論、その辺を歩いている子供に裁判官をさせても、「有罪」と言えれば裁判官は職をまっとう出来ると云う事だ。
つまり、日本の刑事司法では検察の力が絶対的であり、判事の仕事も概ね兼ねていると云う事だ。 日本の裁判官の仕事は、検察や警察が目立った違法な捜査や取調べにおいて脅迫暴力が無かったとか、確認作業は行うが、後は判決要旨を上級審の判例に則し、自白調書等を参考に書くだけと云う代書屋化していると言っても過言ではない。
一概にこのような流れがケシカランと云うものでもない。何故かと云うと、極めて経済的合理性があるのだ。何といっても裁判官の数が最小で済む。公務員の数は無限に拡大するが、裁判官と云う公僕の数は極めて抑制的に推移している。彼等の多くは日々証拠調書(自白調書)との格闘であり、机の上は書類の束で壁が出来ている。一種文字の職人で法の番人として機能しているとは思えないのが実情だ。
我が国の刑事司法制度では、主に各都道府県の警察が犯罪の発生、被害者の存在を持って捜査に乗り出す。捜査の結果、犯罪者を逮捕勾留取調べとなるのだが、我が国の勾留(拘禁)期間と云うのが異様に長い。当然警察の請求により、裁判所が逮捕状も勾留も決めるのだが、問題はこの拘禁され取調べを受ける期間(勾留期間)が最大で23日間もあると云う事だ。
多くの諸外国の場合、この勾留期間は多くても72時間程度しか認められていない。また、弁護士の同席どころか、接見自体制約を受け、まともに弁護士と被疑者が意思疎通できないシステムになっている。これは民主主義国家としては異様なのだ。 なぜこのようなシステムを刑事司法が好んだのか云うと、やはり戦前からのお上意識の警察国家の仕組みが生き残った為だと思われる。
*「特捜検察は、自ら捜査し、逮捕し、起訴してしまうので、警察対検察と云う唯一のチェック機能までネグレクトしてしまうので、そこに国策捜査と云う政治等による恣意的権力行使の疑いが生じるのである。ただ汚職事件や広域暴力団の経済事犯等、被害者が存在しない犯罪の捜査においては、一定の価値はあるので、その機能をどういう形で残すのがベターかが問題だ。筆者のイメージではFBI組織が思い浮かばれる。」
「自白主義」は刑事訴訟法上、厳に慎むべきと表向きなっているが、何々、裁判官はこの自白調書の齟齬がないかどうかに重きを置いて、調書を確認し、判決を言い渡す事が多いのだ。 このように我が国に戦前の司法意識が生き残ってしまったのは、戦争を通して裁かれた筈の官僚組織の中で、法務官僚組織だけは生き残った証左でもある。
この辺の理由はまだ勉強不足だが、事実は存続したのである。GHQによる検察官の選挙による任命を、死に物狂いで抵抗したのが法務官僚であり、現在に至っている。特高警察が特別 拷問の専門警察だったわけではなく、刑事警察自体も同様の傾向を持っていた。 この検察官公選制の導入拒否の代わりに登場したのが小沢一郎を密室で起訴相当を決した検察審査会だ。
この司法でもない行政でもないと云う、極めてコウモリ集団の秘密結社のようなものが、民主主義を標榜する法治国家において、堂々と存在し機能しているのだから、異様の中にもう一つの異様がある。
司法じゃないよ、行政じゃないよ、だったら何なのよ? 実際は検察が刑事警察の頂点にある我が国においては、検察の下部組織と考えて間違いないだろう。 裁判所は曲がりなりにも、裁判員制度の導入で検察と仲良しグループでは済まされない改革に一歩前進した。また、裁判員の存在も明らかであり、公式に記者会見を行う事もある。つまり裁判員が幽霊ではないのは確かだ。
しかし、検察官公選制の逃げ道として組織した検察審査会は、すべてが密室であり、開いたかどうかまで密室だ。司法でも行政でもない機関、こりゃなんだ! まさか立法ではないだろう。日本は三権分立だったはずだが、これでは四権分立になっしまう。
こんな馬鹿でも判りそうな、重大な国家の闇の権力の存在を論評しないマスメディアなどと云うものは、ゴミどころの話ではない。放射線物質を包含するヘドロのような存在だ。
誰がどのように、この第四の権力を行使しているのか?辞めさせられた柳田稔前法相が残念がっていた「検察の在り方検討会議」の議題の中には入っていなかったようだ。民主党の国会議員で頑張っているのは森ゆうこ議員一人に見えるのだが、国会議員は何をしているのだろう。日本が四権になった事実を解明するくらいやって欲しいものだ。
学芸会のような事業仕分けをする暇があるなら、検察審査会を徹底的に洗うべきだ。国政調査権の限界まで洗い出せ。政敵である小沢一郎が被害者だから、見て見ぬふりしようと云う魂胆のようだが、必ず君達をも裁く検察の第二の機関となり、法治国家を根こそぎ破壊する爆発力を持っている点 心してほしいものだ。
とまぁ元気に怒ってみたのだが、今の民主党、自民党議員には馬耳東風、蛙の面に小便だろう、言うだけ無駄と云うものだ。筆者は日本の刑事司法改革は根が深く、現在行われている司法制度改革のようなお茶濁しでは、絶対に改革出来ないと断言しておく。
そもそも、司法試験に合格した者たちが、司法研修所で同じ釜の飯を食う事からして気にいらん。俺達は選ばれた民だと云う驕りの集団が法律をあらためて、国民の税金で学ぶのである。そして時に、その国民を苦しめる司法を形成するのだから、如何ともしがたい。
その中で、成績優秀者が判事と検事にスカウトされる。勿論在野の法曹界船出する弁護士の中にも当然優秀な人材はいるのだが、弁護士の場合は玉石混交だ。 法律に精通していると云うだけで、社会人として世間を知る機会もなく、判事は裁判所の中で暮らす。検事は検察官であると同時に法務官僚の顔も持つ。つまり行政官だ。
その法務官僚と思しき検察官と司法の中枢にあるべき判事は、司法研修所のエリート集団であり、仲間意識が強い。さらに判検交流が盛んで、相当数が判事と検事を経験する。同じ経験させるなら、在野の弁護士を経験させるのが見識を深める最高の経験ではないのか?
世間に背を向ける司法制度は生き残るのが容易ではない。 しかし、正しい刑事司法が機能しないのも怖ろしい話だ。筆者など素人レベルは解決策など考えられないが、重大な組織的瑕疵が存在することだけは指摘できる。現在可視化が話題になっているが、取調べ時点での弁護士の同席が全面可視化の欠点を補うだろう。取調べ時間も一日6時間とか厳しく制限すべきだ。
被疑者を疲労困憊、心身耗弱状態にしての自白調書では法律に精通したプロの名折れと云うものだろう。 刑事裁判の有罪率99.9%ってのがオカシイト思う事だ。だから推定無罪の原則すら歪められる。起訴便宜主義で刑事司法を完結しようと云う合理性が、法を歪めている。
信頼されない検察、裁判所の存在は心から不安である。小手先の改革をしても、元の木阿弥になるだろう。しかし、小沢がこの検察や検察審査会の被害者であるだけに、自ら改革を主張するのも憚られるだろうから、他の議員が声を大にすべきなのに、悪法に身を守られている輩も多く、刑事司法の改革の道筋は見えてこないのだと思う。
今夜は少々虚しいコラムになってしまった。まぁ現時点では、検察官や判事たちの倫理・道徳観念に期待しておくほかはない。では、オヤスミなさい。
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