http://www.asyura2.com/10/senkyo101/msg/132.html
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砲戦勃発から今日12/2までの経緯を整理しまし、少し分析しました。内容は以下の三つです。
T.日本の内閣と国会は人格欠陥を露呈
U.韓朝米日政府の軍隊統制問題
V.軍事演習を火種海域で行う日韓米
T.日本の内閣と国会は人格欠陥を露呈
韓米は、中国の喉にあたる黄海の火薬庫海域で、原潜参加の合同軍事訓練を2ケ月毎に実施。米越はダナン沖南中国海で横須賀母港の原子力空母を使って合同軍事訓練。日本は尖閣で海保艦隊が事件を起し、来年は近隣の島に自衛隊を常駐させる。これらは明らかに中国に対する武力挑発である。
案の定、絶好のチャンスと米国は原子力空母(横須賀母港)を中国の喉元黄海に入れて米韓軍事演習を行うと中国政府に通告した。韓米首脳会談で決めたと報道されているが、前原誠司も大賛成は間違いない。これだから、前原誠司は「笑顔を見せながら後ろから切りつける。典型的な日本人」と揶揄される。
(参照)【黄海空母派遣、中国に通告=対北抑止力を強調−米国防総省(時事)】
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010112500150
こんな外交は「東アジア共同体への隣国交際」とは程遠い。北朝鮮に対してはいまだに国交すらなく、中国首脳に電話すらかけられない
その前原誠司外相は中国の程永華駐日大使を外務省に呼んだ。
(参照)【前原外相、中国大使と連携確認=菅首相、超党派の協力要請(時事)】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010112400674《続》
前原外相は、
@北朝鮮を強く非難し、韓国を支持するとの立場を伝達‥‥即座に韓国支持。韓国はいつも正しいという思考停止。北朝鮮と国交が無いのは日米。160国が国交を持っている。むしろ日米が異常。
A中国政府から北朝鮮に対して自制を求めるよう要請した。菅直人首相も「中国は国際的に大きな存在になっている。それだけに大きな責任を負っている」‥‥北朝鮮を抑制できないのは中国政府の責任であると非難していることと同義で、喧嘩を売っているに等しい。この発言は人格欠陥内閣を露呈している。
中国の程大使は「(北朝鮮が砲撃の原因と主張している)韓国の軍事演習について事実を精査したい」と述べた。‥‥ロシア訪問中の温家宝首相も「いかなる武力挑発にも反対」と述べている。韓国軍と米軍による火薬庫海域での度重なる実弾演習による北朝鮮への武力挑発も含まれる。
(参照)【温首相 いかなる武力挑発にも反対(CRI)】
http://japanese.cri.cn/881/2010/11/25/161s167083.htm
中国政府は困ったことだと思いながら、北朝鮮軍の気持がわからぬでもない。南北両国の言い分を精査中であるとしている。中国の報道は海外報道を淡々と流していた。
(参照)
【中国側は朝鮮半島砲撃事件を注視(人民網)】
「報道に留意し、事態を注視している。具体的な状況の確認が必要だ」
【韓国、朝鮮側の軍事挑発は国連憲法に違反(CRI)】韓国外交通商部発表をそのまま報道。
【朝鮮、「韓国側が先に軍事挑発した」(CRI)】これも朝鮮中央通信社の報道を引用
そして、韓国にある「国連軍司令部」は両国軍首脳の会談を提案したが、韓国側が応じる気配はない。
(参照)【国連軍司令部、朝鮮との将官級会談を提案(CRI)】
http://japanese.cri.cn/881/2010/11/24/144s167066.htm
日本の内閣と国会で行われていることは、やはりというか、前代未聞の醜態と言うべきか、国交なき国に対する感情的扇動を国民に煽るだけである。
(参考)【朝鮮学校無償化「私がプロセス停止指示」24日の菅首相(朝日)】
http://www.asahi.com/politics/update/1124/TKY201011240386.html
【衆参本会議で北朝鮮非難決議へ 与野党が調整(朝日)】
http://www.asahi.com/politics/update/1125/TKY201011240502.html
U.韓朝米日政府の軍隊統制問題
韓国大統領が韓国軍を統制することはかなり難しい。その原因と思われることについてWikiの記述から抜粋しました。
@韓国軍の性格:軍事クーデターや大統領失脚時非常警戒など、政治に強い関与をしてきた。また、少なくともベトナム人住民9000人を虐殺し強姦を起すなど、国際戦争法規無視の傾向が強い、といわれる。
Aその原因:旧日本軍や満州国軍出身者の幹部によって創立されたことに求める意見がある。今なお旧日本軍式の極端な精神主義や体罰、私的制裁、いじめなどの習慣が残存し、そのため「ビンタ」「根性」など、旧日本軍の軍隊用語が韓国軍でもそのまま定着しているからである。
B休戦協定(1953年):軍は不満である。北朝鮮軍・中国人民志願軍と国連軍の間で調印され、李承晩は不服として調印式に欠席。380万人とも言われる予備役にこの意識が引き継がれて、天安艦沈没などでも政府の軍備軽視を声高に非難している。
C現有総兵力:69万人である。平時の作戦統制権は韓国軍が単独行使するが、有事の際の戦時作戦統制権は米軍と共同行使−事実上、米軍司令部の指揮に従う。これも、韓国軍の不満原因をなしている。
D国防予算:2004年は211億米ドルで、対前年比8%増加、GDPの3.2%。さらに在韓米軍(公式には今も国連軍?)3.7万人が駐在する。
E作戦統制権:2016年には全在韓米地上軍を撤退させる計画。李大統領は天安艦沈没で猛烈な批判を予備役から受け、有事における作戦統制権の返還を2012年から2015年に延期をオバマ大統領に依頼している。韓国軍にとっては微妙な決定であり、韓国軍単独で北朝鮮を威圧する動機がある。
近大中大統領以来の韓国軍近代化(旧日本陸軍規範の廃止と日本陸軍士官学校出身将校の予備役化)と軍事費の圧縮によって野に潜った職業軍人たちの激烈なる政府批判と反抗が李政権になって復活したと思う。
彼らは、天安艦沈没では欠陥艦艇の放置責任を、今回の砲戦事件では韓国軍の士気の低下と交戦規定の欠陥を声高に責め立てた。その背景にある退役・予備役軍人は380万人で投票権の8%を占め、創価学会の2倍である。そして米韓軍事演習直前に北朝鮮を威嚇中に韓国国防大臣が辞任した。
北朝鮮の政府と軍の関係については良く判らない。それで、様々な憶測が流布される。判っていることは軍の兵器が1960年代のままであり、韓国と日本に駐留する米軍どころか、韓国軍の戦力とも較べようも無いということ。そのために核兵器とミサイルによる抑止力に頼ろうとしていること、くらい。
北朝鮮政府による、中国を目標とする経済自由化政策への転換が軍の存在を脅かしている。実際、ミサイルや核兵器以外に目立った軍備新鋭化は止められている。軍の不満はつのっているのだろう。追い詰められつつあといえるかもしれない。その状況での政府による軍の統制は弱まらざるを得ない。
米国については、アイゼンハワー大統領の離任演説に代表されるように、広義の雇用が軍事産業に偏重しており、最近では兵站や交戦を含む警備まで民営化され巨大な軍事請負会社に成長している。この国でも予備役や在郷軍人会が強烈な勢力を保っている。それを無視すると大統領すら生命の保証がない。
その米軍が戦ったベトナム・イラク・アフガニスタンは、戦争の大義が軍によるでっち上げまたは政府内好戦閣僚によるこじ付けである。抑止力自体が戦争を起している。米国にとって各国と結ぶ同盟が政府による軍の統制を不可能にしている。
日本軍(自衛隊)に三矢事件で軍事クーデターの机上シミュレーションまでおこなわれて危機に陥ったが、国会の努力によって克服したかにみえた。しかし、田母神事件で軍の統制が再び危うくなっている。米国と同じ軍の先走りが起こらないとも限らない状況である。
田母神氏は防衛大学校1期生。この大学の学長は猪木正道。猪木は京都大学で高坂正堯を育てた。その高坂の門下生が、新しい教科書をつくる会・日本教育再生機構・靖国神社崇敬奉賛会・安倍内閣「美しい国づくり」に関係した中西輝政であり、次期首相とマスコミが喧伝する前原誠司である。
「世論」の中心は、米国では在郷軍人会であり、日本では日本会議と結託した退役職業軍人であるとおもう。彼らに米国留学などを通じて洗脳されて帰国した検察官を含む高級官僚やマスコミ首脳がつるんでいる。日米韓朝ともに危険な火種をはらんでいる。(おわり)
V.軍事演習を火種海域で行う日韓米
今回の砲戦は領土問題が現存する諸島海域で、軍事演習それも米韓合同演習を頻繁に行って威嚇いた結果である。北朝鮮が砲撃したから威嚇の目的は達成したが、さらに原子力空母をこの海域にいれての演習を行った。(11/28−12/1 黄海の北朝鮮沿岸近くにて)
米韓軍事共同演習は北朝鮮威嚇というより中国威嚇の意味が強いとおもう。砲撃事件は韓国海軍が北朝鮮領土から6Km先で実弾演習していたが、米韓軍事共同演習は60Km〜160Km離れている。中国の北京まで30分以内に原子力空母艦隊を入れ、この艦隊のみでも中国軍と対等以上であると威嚇。
米韓軍事演習による挑発に乗らぬよう北朝鮮は自制した。好戦的世論一色になったかに見える韓国。しかし原子力空母は北朝鮮沿岸には近付かなかった。北京・大連・瀋陽・青海に戦闘爆撃機で15分から30分のところまで進入したのだから威嚇目的は達成したと考えている。
11/28からの黄海北朝鮮沿岸での米韓軍事演習は今日終わった。原子力空母ジョージワシントンは12/2に黄海を南下して、12/3から沖縄近海で日米軍事演習に入るらしい。
(参照)【韓米合同軍事演習 今日(11/28〜12/1)終了(KBS)】
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Dm_detail.htm?No=38373&id=Dm
【米空母 自衛隊との共同演習へ(12/3〜12/7)(NHK)】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101201/k10015579711000.html
菅内閣による米韓合同演習による北朝鮮への威嚇に対する支持と、同時に行われる日米合同軍事訓練は憲法違反である。菅内閣は直ちに6ケ国会議再開に向けて全力傾注すべきである。
「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」(9条1項)
「戦争とまでゆかずとも、國の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめた」(新憲法教材 文部省1947年8月発行)
ここで、田中宇さんの分析を少しだけ紹介します。
@「韓国経済はドル安を誘導による韓国はウォン高やインフレに悩まされており、韓米FTA締結も延期され、ソウルG20も米国政策非難の場となった。米韓同盟が強化されているとは言いがたい」
A「日韓対米従属M派が、浮き足立って大騒ぎ」しているのであって、韓国軍の士気低下と韓国軍の作戦権を握る「米軍(軍産複合体)が、勝手に事態を悪化させ、朝鮮戦争を再発しうる」
B北朝鮮はウラン濃縮施設を米国学者に見せた。「イランのIAEAの査察を受けつつウラン濃縮することを認める国が増えている状況下での北朝鮮の公開はIAEAへの再加入・査察受入を示唆しており、そうなると不当な濡れ衣をかけていたのは米国の方だという『善悪の逆転』が起きる」
(参照)【意外と効果的な北朝鮮の過激策(田中宇)】11/24
http://tanakanews.com/101124korea.htm
【朝鮮戦争が再発する?(田中宇)】11/28
http://tanakanews.com/
うがった見方をすれば、米国産軍共同体は日本の思い遣り予算の増額を喉から手が出るほどに必要である。その目的を達成するために、天安艦事件や今回の砲戦事件を起させ、北朝鮮はもとより、中国もまた大いなる脅威であるから普天間の辺野古移転は当然だ、と知事を揺さぶるだろう。
その揺さぶりを効果的にするには、釣魚島嶼近辺で日米軍事演習が必要であると‥‥‥‥
11/30に外務省の斎木局長が北京に出向いた。中国提案の6ケ国会談再開の拒否通告である。
(参考)【6カ国協議開催「条件整わず」=中国側に伝達−斎木局長(時事)】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2010120100001
結局、➊KBS「中国提案の6ケ国緊急会議開催提案は非常に慎重に検討」➋「やがて米国で開かれる米韓日同盟会議で方針を審議する」を言いに行ったのだろう。ついでに、➌今回の事件は中国の責任(北朝鮮の管理不行き届き)であると言ったのだろう。
米韓日は『中国の責任だ』と喚いている。人間性において基本的疑問の多い発言である。その斎木局長が北京でしたであろう中国政府への要求に対する拒否回答が婉曲に報道されている。
(参考)【「朝鮮を服従させられる」は自他ともに欺く考えだ(人民網)】
http://j.peopledaily.com.cn/94474/7218079.html
防衛省は中国脅威論を根拠に軍拡を打ち出したが、中国は「日本に軍拡のカネはない」と冷笑している。おろかな日本の政治家たちは中国の冷笑が現実になるまで進むだろう。菅内閣は新TPP、軍拡、来年度予算編成で行き詰まるとおもう。
(終わり)
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