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「小沢の政治とカネ」と「仙谷問責」という政権直撃型の大障害を2つも抱えて民主党政権のあえぎが聞こえる。首相・菅直人も幹事長・岡田克也もアリバイ作りのような党首会談や発言を繰り返し、問題の本質に迫れない。らちがあかないとみた自民党は、1月の通常国会冒頭で首相・菅直人に対する問責決議案を可決させる戦略を描き始めた。法的拘束力はないが、政権を揺さぶり一挙に解散か総辞職を実現させようという荒技である。
言わなきゃいいのにと思える発言を繰り返す官房長官・仙谷由人は、やはり言語中枢に問題があるのかも知れない。29日の記者会見でも「衆院では不信任決議案が否決されている。参院には不信任をして内閣を倒す権限はない。辞任する気は全くと言っていいほどない。今の職務を全うするだけだ」と一見“理路整然”と開き直った。テレビで見たが、ドスの利いた声で恫喝するような答え方であった。しかしこれは政治家でなく、やはり「法匪」の理論だ。「内閣を倒す権限がない」問責で、福田・麻生両内閣が倒れていることを忘れている。それも民主党が出した問責決議が影響して倒れたのだ。問題の焦点は中学生でも知っている参院の法的立場の問題などではなく、両院のうち一院が官房長官・仙谷由人としての存在を否定したという政治論にあることを理解していない。保身に頭がいっぱいで、憲政の常道を無視して、詭弁(きべん)をろうしているにすぎない。
まさに仙谷は政権最大のアキレスけんとなったが、もう一つの大アキレスけんが小沢一郎だ。菅は両足のアキレスけんに直撃をくらっている形なのだ。その小沢は29日夜「地方の危機感は強い。地方議員から反乱が起こると民主党政権が根っこから崩れる。菅政権は地方への危機感が薄い」と“地方反乱論”を展開した。菅内閣について「もうしょうがないと思っている」とさじを投げたといもう。しかしこの発言は仙谷にまさるとも劣らない唯我独尊ぶりだ。なぜなら民主党地方選挙連敗の責任の半分は、自分にあることに気づいていないか、棚上げにしている。「政治とカネ」の国会招致を拒否し続け、岡田をして「統一地方選挙や野党との連携の障害」とまで言わしめた。
事実、不戦敗の沖縄知事選を始め、金沢市長選、福岡市長選で民主党は、出ると負けの選挙を余儀なくされている。一番ひどいのが千葉・松戸市議選で、11人の公認候補を立てたが、20代と30代の新人2人が当選しただけ。現職は党県総支部幹事長を含む4人全員が落選だ。自民党が「いま総選挙をやったら戻れる」と「敵失民主」からの政権奪還を思っても不思議はない。
こうした中で菅は党首会談に応じたが、まさにアリバイ作りで中身なし。他方で岡田が29日の党役員会で、政治倫理審査会における小沢招致の議決もあり得ると表明したが、これもアリバイ作りだ。議決には強制力がなく、かって代表だった鳩山由紀夫も議決を無視して出席しなかった。とても小沢に対する“離党勧告”まで視野に入れた腹の据わった話ではあるまい。こうした政権首脳陣の態度にしびれを切らした自民党が、通常国会冒頭の問責決議案可決を戦略に描き始めた。同党幹部は筆者に「もう一挙に勝負に出るしかない」と漏らした。菅は内閣改造という“仙谷切り”を念頭に置いているようだが、これがなし得なかったら、菅政権は通常国会は冒頭から地雷原に突入する。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
オバマ政権裏の顔 外交文書ウイキリークス暴露
内部告発情報をネット上で暴露する「ウイキリークス」が、入手したベイ外交文書約25万件の一部を28日公開し、「関与と対話」の外交路線を掲げてきたオバマ政権に、深刻な痛手を与えている。
★毎日
核放棄揺れた政府
外務省は29日、70年の核拡散防止条約(NPT)の署名を前に、核兵器保有とNTT加盟をてんびんにかけ加盟の長所・短所を活発に議論していたことを示す外交文書を発表した。
★読売
農業衰退か撤退か
政府は30日、農業改革を検討する「食と農林漁業の再生推進本部」の初会合を開く。
★産経
F15後継機共同開発へ
防衛省は29日、防衛産業の基盤維持に向け、官民合同の研究会を発足させると発表した。「武器輸出三原則」の見直しで装備の国際共同開発に道を開くことを念頭に、開発に参加する上で産業側が強化すべき分野の「選択と集中」を図るのがねらいだ。防衛省の内部資料などによると、航空自衛隊の主力戦闘機F15の後継機の共同開発に参加するための態勢構築を急ぐとともに、潜水艦やサイバー、宇宙といった分野での共同開発も視野に入れる。来年度からの「中期防衛力整備計画」の期間中に将来構想を打ち出す方針だ。
★日経
マツダ、メキシコに工場
住商と13年にも、脱フォード進める 中南米を開拓
マツダはメキシコに乗用車工場を建設する方針を固めた。住友商事と共同で300億〜400億円を投資し、2013年にも稼働させる。ブラジルなど中南米向けの小型車供給拠点と位置付け、まず年間10万台で生産を始める。マツダは米フォード・モーターとの資本提携を縮小したばかり。フォード頼みだった海外の生産と販売で独自路線を打ち出し、新興国市場の開拓を急ぐ。
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2010-11-30
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