http://www.asyura2.com/10/senkyo100/msg/647.html
Tweet |
http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-768.html
2010⁄11⁄28(日) 18:00
「他人事の情報を自分事に翻訳する」 by インナーマザー
昨日のエントリーに対するインナーマザー様からのコメント
(未読の方は先にこちらhttp://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-767.htmlをお読みください)
-----------------------------------------------------------------------------
他人事の情報を自分事に翻訳する
土地取引と銀行の不正に関する訴えの中身は詳細が分らないので判断を保留しますが、大高さんの逮捕・拘留は不当だと思います。
役人以外は誰も見ていない役所の閉鎖空間で起きた暴行傷害罪と公務執行妨害罪は、いわゆる因縁、難癖、言いがかりの「転び公妨」だと思います。
密室という閉鎖空間で誰も見ていないと暴走するのは前田検事だけではありません。見られていると人は鍛えられますが、見られていないと堕落します。どんな仕事でも同じです。そして堕落した者が権力を持っていると力で事実を捻じ曲げてでも自己を正当化し、組織を防衛します。神をも畏れぬ暴走をします。自分が宇宙で一番偉いと思っているからです。
ニュースにはトリックがあります。
「男」が逮捕された、という報道がなされると「男」は悪人という印象になります。
「男」という表記は悪人(加害者)を印象づけます。
一方、「男性」という表記は善人(被害者)を印象づけます。「性」という敬称の一文字を奪われるだけで天地がひっくり返る印象になります。
二回目以降の逮捕で実名の「容疑者」になると前回のイメージが「正しいこと」だと再解釈されて、悪人としての印象が厚く上塗りされます。
印象操作、イメージ操作という言葉がありますが、文脈の入り口で「男」と表記されると後の説明はすべて悪人を前提にした解釈に誘導されます。いわゆる「ミスリード」です。
衣服のボタンといっしょで、最初のボタンを掛け違えると以降のボタンはすべてズレてしまいます。
世間に流される情報のほとんどが、善悪の「前提」が無意識に隠されたまま国民は気づかずに反応しています。それを意図して行うことが「誘導」です。
しかし誘導は誘導する側が単独で行えるわけではなく共同作業です。誘導される側も前提を共有しているから成り立つ「誘い」です。舞台と観客の関係です。舞台装置の役者を「どうせ役者の芝居だろ」と覚めた目で見ず、リアルな感覚を共有しているから感動が生まれます。
感動には罠があります。トートロジー(同語反復)という言葉がありますが、「男」なら悪人だろうとか、「司法」なら正義だろうとか、「神様」なら絶対であるなど、無意識にイコール(=)で繋いで物語を作り、その中で我々は感動して生きているのだと思います。
今までは、検察は絶対正義だという前提がありましたが、村木厚子事件で「検察の正義」は崩れました。同時に裁判所の99.9%の有罪判決にも疑義が持たれています。
佐藤優氏や鈴木宗男氏の国策捜査、福島県の佐藤栄佐久前知事やリクルート事件の江副浩正氏などが近年出版した書籍によって、「正義」が「統治」である事実が可視化して来ました。
現在、過去のさまざまな「事件」が冤罪と国策の視点で有識者や市民の集合的英知によって検証が進んでいます。
司法の独立は幻想で、戦前から続く判事と検事の人事交流(判検交流)が象徴するように、司法も含めた官僚機構が発表する「正義」は統治権力が作り上げた舞台の物語であることに国民は気づきました。
つまり「国家の正義」と「社会の正義」は別ものなのです。国家(役人)と社会(市民)は別の共同体なので「統治」と呼ばれます。統治する側と統治される側の区別がかく乱情報によって目隠しされてきたのだと思います。(私のような右翼の視座から見れば、隠されてきたのは八百万の神々の存在であり、神隠しの畏れを官僚が神様から奪い取ったバチが近代化の限界として「閉塞感」になって現れていると思っています。ならば官僚への恐れを禊ぎ、本来の神々への畏れを取り戻せば閉塞から脱出出来ると思っています。)
統治は征服であり、征服は暴力装置を背景に成されます。裁判所は統治下の国民をジャッジする国家の暴力装置です。「カラマーゾフの兄弟」に出てくる大審問官と同じ役割を担っています。
優しい裁判官が登場する娯楽ドラマはおっかない権力が裁量権を少しだけ市民の側に寄せて判断している様子を描いたドラマに過ぎません。統治しているという実態に変わりありません。
それでも統治は必要です。統治は必要悪だと思います。
必要悪は社会の側から監視しないと暴走します。大高正二氏の逮捕は必要悪が暴走した事件だと思います。同時に国家が弱体化している実態を表しているのだと思います。抗議する市民を寛容できないほど官僚機構が追い詰められているということです。国民を寛容できない国家は暴走します。ファシズムの匂いがするおっかない事件です。
人間は他人から指摘されても不都合なことや不快なことは防衛機制の原理として決して認めません。人間の限界です。しかし、「明日はわが身だ」と自分に引き寄せると共感します。新約聖書にある「隣人を自分のように愛しなさい」という聖句は「自分のように」というところが重要で、今回の事象に類比させて翻訳すれば「大高さんの不当逮捕は他人事ではなく明日のわが身に起こること」だと理解しています。
人間は自己愛から逃れることが出来ない「閉ざされた限界」の中で生きている以上、自己愛を否定せず、自己愛が他者の利益に重なるように物語を再構築したキリストは天才的な蝶番職人だと思います。神であり同時に人であるキリストが人間の頭で理解できる比喩として「自分のように」という言葉で説いた連想は、新自由主義によってアトム化された日本社会には有効な「結びの言葉」だと思います。
印象は事実の一面に過ぎません。時々、裁判所などの役所前で抗議活動をする人を見かけます。たて看板を作ったりビラを配布している人もいます。我々は無意識に「変な人だ」とか「暇な人だ」とか、時には「頭のおかしい人だ」などと安易に判断しているのかもしれません。
戦後65年間も繰り返し官報の催眠術にさらされていますから、自分に理解できないことを蔑視して唾棄する習慣が身についています。
自分の中にある条件反射の反応パターンを再点検するとともに、人間の限界を考える契機として日々坦々様の論考を読ませて頂きました。
我々は聖徳太子ではないので訴える人の言葉をすべて理解できません。無意識に一瞬で頭の中から排除して選別しています。しかし視点を反転させて、娯楽とセットになった官報の情報を一旦相対化し、大高正二さんのように「自分が命がけで正しいと信じるならば一人でも闘う」という気骨な人の言葉を聞く時が来たと思います。
断罪されたキリストと冤罪被害者の共通点は、「社会の正義」は時間がたってから可視化するということです。真実は遅刻の常習者ですが、必ず明らかになるということです。逆から言えば「国家の正義」は必ず先行して流されるということだと思います。
習慣は新参を排除します。先行者は遅刻者を排斥します。丁寧に編集された番組や紙面は情報による統治なので、既存の情報統治から外れた規格外の表現方法を選択する個人を異物として無意識に排斥しています。
無意識に行う行為が一番強いので、決して丁寧な作りではないビラや拡声器で不正を訴える個人に対して「おかしな人」だと排除する暴力を「自明の習慣」として認めてしまっているのだと思います。
よく分らない時は一旦保留にして、「男」が逮捕されたというニュースが流された時は「自分を愛するように」翻訳して繋ぎ直したいと思います。もう他人事では済まされない時代だからです。
そして自分が日常的に使用している言葉の中にも「官報が刷り込んだ善悪の前提」が埋め込まれていないかをチェックしたいと思います。
気づかずにその言葉を使い続けることで官僚機構の思惑を拡大再生産しているのかもしれない。私が「B層」という言葉の使用を警戒しているのも、自ら使う言葉によって自らが呪縛されてしまう罠を防諜するためです。大高さんの逮捕はそのようなことを考えるきっかけになりました。
日々坦々様のエントリーで一番おもしろい発見はユーチューブでの大高さんのインタビューです。大高さんの肉声の中に「こんな世の中では、私は三人の子供を作ったが申し訳ない」と語る場面があります。大高さんの声と表情に良心を感じます。
異端、規格外、新参、少数派などのレッテルを貼られた人々が「異物」扱いされる世の中では、「おもしろい」「不思議だ」と感じさせる力が既存の催眠術を破ります。
このユーチューブのインタビューはおもしろく、不思議です。少数派だと思い込まされていた人々が、実は排除されているという「弱者の連帯」において最大多数の国民なのだ、ということが見えて来ます。
人間は思考の限界にぶつかると三つの道に分かれると思います。排除して否定するか、飛躍して信仰するか、不思議で面白いと感じて関心を継続するかです。弱い者でも闘えるヒントを得られました。ありがとうございます。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK100掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。