産経新聞 11月28日(日)7時56分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101128-00000066-san-pol

　菅直人首相が、武器輸出を事実上全面禁止している「武器輸出三原則」の見直しを安全保障会議で了承していたことが２７日、分かった。複数の政府筋が明らかにした。政府は１２月１０日の「防衛計画の大綱」の閣議決定に合わせ、戦闘機などの国際共同開発を可能にする緩和案を公表する方向で最終調整する。国際平和協力活動で派遣された自衛隊の重機などの現地供与も三原則の例外とする。

　菅首相は従来、「基本的考えを変えるつもりはない」と慎重姿勢を崩さなかったが、対米関係や緊迫する東アジア情勢を勘案して、自衛隊装備の高度化に向け大きく踏み込んだ。ただ民主党内には反対意見があり、仙谷由人官房長官らの問責決議可決で政権の求心力が低下する中、党内の意見集約は難航しそうだ。

　政府は１１月１６日、国防の重要事項を審議する安全保障会議を開き、防衛大綱を協議した。その席で菅首相は、防衛省などが求める三原則見直しを了承。「国会審議に耐えられるものにしてくれ」と指示した。

　これまで三原則で、兵器に転用可能な物品輸出も禁じられており、世界の趨勢（すうせい）となった共同開発に参加できなかった。最新鋭戦闘機「Ｆ３５ライトニング２」のような開発に参加できないままでは、他国に比べて自衛隊の装備の開発が遅れ、日本の防衛産業も最先端技術から取り残される懸念が出ていた。

　政府筋は「共同開発に参加できないとデメリットが大きいことに首相は理解を示している」と指摘。別の政府筋は「国際紛争を助長しないという三原則の理念を維持することが説明できる緩和案なら否定しないという立場に転換した」と説明している。

　菅首相は２６日の参院予算委員会で、共同開発に参加できない現状に触れ「武器体系が世界の水準から遅れてしまうこともある」と言及していた。

　民主党外交・安全保障調査会も近く大綱提言案をまとめ、共同開発の対象国について「国際的な武器輸出管理レジームを有力な目安とする」との新基準を設けた上での三原則見直しを打ち出す。

【用語解説】武器輸出三原則

　昭和４２年に佐藤栄作内閣が（１）共産圏（２）国連決議で禁止された国（３）国際紛争の当事国−への輸出を禁じた。５１年に三木武夫内閣がこれ以外の国にも「慎む」と事実上の全面禁輸に。その後、米国への武器技術供与、米国とのミサイル防衛の共同開発・生産を例外とした。共同開発の緩和では輸出管理が適正なＮＡＴＯ加盟国や韓国、豪州を対象国とする案などが検討されている。
　

コメント
01. 2010年11月28日 13:18:47: KLT08CD8lU 　菅は力量もないのに、ドンドン憲法違反の重大決定を国民や国会にはかる事なく決定して行くが、これは大変危険な状態である。首相の権限の大きさを自覚して発言しているのか、自棄っぱちになっているのか知らないが、とにかく菅と仙谷の暴走を止めなければ日本は大変な事になる。 　鳩山前首相との会談で、「支持率１％でも辞めない」と言ったが、これほど情けない首相発言をかって聞いた事が無い。「国民のためには命を張ってやる」と言えないアホ菅には、皆が呆れてしまった。
02. 2010年11月28日 14:01:29: EszHBBNJY2 まあ、一国で開発するには高額になりすぎて、最新兵器はもてないわな。 開発に参加していないと、F35など手に入れられないしね。 でも金だけ取られて、ブラックボックスだらけライセンス生産もだめ ってなったら最悪。 日本の潜水艦技術は世界最高水準らしい。 オーストラリアが潜水艦を大量発注するらいいが、 日本の潜水艦が欲しいのではないかな？ 今まではドイツ製だっけ。
03. 2010年11月28日 15:45:55: i3AqgW03WQ 自民党がやりたくてできなかったことを、どんどん進めているな。 なんともすばらしい未来がやってくることだろう。支持率 ゼロ％になるまでやってくれ。そのときまだ国の姿が残っていればの話だが。
04. 2010年11月28日 17:50:18: 9lBKAUr4Dc 菅政権はろくな事はしないが、この見直しは賛成だ。 米国のみ例外とする原則など滑稽そのもの。 でもマスコミから批判が出ると腰砕けになるんだろうなあ。
05. 2010年11月28日 19:50:51: YCFnQXxTn2 今更アメリカのネオコンにどんな媚をうっても 支持率なんぞ一パーセントも戻りはしないのに 馬鹿な菅直人 アメリカが唯一の自国産業ええある軍事産業を 日本に明け渡す訳が無いだろう アメリカの狙いは日本をアメリカの軍事産業の下請けに使う事 日本で下請け産業がどんなに惨めな状態にあるかをみれば 行き着く先は既に見えている
06. 2010年11月28日 23:12:07: K2am0L8D3g 武器輸出三原則は「国際紛争の当事国」の最たるものを例外とした時点で、 全く意味をなさなくなった。 撤廃して国際社会や連合国（国連）で不当にしいたげられている国に 武器を輸出できるようにしたほうがいい。 共同開発は、各国が最新技術の手の内を見せるとは思えないから、 それでどれだけ高性能な兵器が作れるのか疑問だ。 日本は日本の技術をやすやすと盗まれないようにしなければならない。
07. 2010年11月29日 16:17:33: 7WZekNACgc 日本独自に開発するのは資金が続かない。米の下請けには成りたくない。中朝（場合により米にも）に対して有効な武器が欲しい。 これらを満足させるには、開発した武器を輸出して、資金を獲得して技術開発する以外に無い。 共同開発なんて　��06氏の仰るように、最新技術のものになるとは思えない。F2戦闘機がその例だ。 どんどん自力開発して自衛用に装備し、モンキーモデルは輸出に回す。丁度現在米国がやっている方法だね。 潜水艦だって、飛行艇だって、護衛艦だって、戦車だって、紛争当事国以外なら今でも売却できるハズだ。

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