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2010年11月24日 (水)
北朝鮮からの砲弾を受けて黒煙が立ち昇る韓国・大延坪(テヨンピョン)島
(写真:時事通信)
■3月の韓国哨戒艦沈没事件に続いて、またも国連が定めた北方限界線と(NLL)と
北朝鮮が主張する境界線にはさまれた海域(大延坪島はここにある)で事件が勃発した。
昨日午後2時半ごろ、北朝鮮は海岸に設置した射程30キロの野砲(海岸砲)で韓国の
大延坪島を砲撃。すぐに韓国軍が応戦して砲撃戦になった。
韓国のキム・テヨン国防相によると北朝鮮軍が撃ち込んだ砲弾は170発、韓国軍は80発
撃って応戦したという。
島の住宅の20棟が被害を受け(5棟が全焼)、韓国軍兵士2名が死亡、15名が負傷の他
島民3名も怪我を負った。2名死亡との新情報もある。
北朝鮮側の被害と死傷者は不明。
■砲撃から10分後には日本のラジオ局が事件を伝え、ネット上でも情報が広がった。
テレビ局が放送を開始したのは4時半過ぎごろ。
NHKは最初10分間だけニュースで報じて、あとは大相撲中継になった(^^;
最も大騒ぎして拡大放送を延々と続けたのがテレビ朝日だった。
北朝鮮のこうした暴走ほどおいしいニュースはない大手メディアは、待ってました
とばかり昨日からきょうにかけて北朝鮮の暴挙を大々的に報じて、戦争の危機を煽っている。
■ところが肝心の韓国国民はといえば、またかというかんじで意外と冷静である。
むしろ日本人が大騒ぎして韓国への観光客が減ることの方を心配している。
たしかに民間人の被害や地上への砲撃は初めてだが、攻撃自体はしばしば起こっている。
この事実を隠蔽したまま、朝鮮戦争以来の攻撃と煽り立てる番組作りはむしろ危険だ。
北朝鮮・韓国の専門家や軍事評論家たちもさまざまにコメントしているが
これまで私が見聞きした範囲で、最も冷静かつ的確な状況分析をしていたのは
静岡県立大の伊豆見元教授と軍事評論家の田岡俊次氏だった。
時事通信に載っていた伊豆見教授のコメントは次のとおり。
【◇南北衝突の拡大ない
伊豆見元・静岡県立大教授の話 今回の南北朝鮮の砲撃戦が一線を越え、本格的な軍事衝突に拡大する可能性は当面ないと思う。北朝鮮の攻撃は波状的ではなく、韓国側も抑制的に対応している。
ただし北朝鮮が砲撃をした真意については、同国の公式発言があるまでは予断を許さない。というのは、25日に韓国で予定されていた南北赤十字会談で北朝鮮は、同国が要求していたコメと肥料に対する回答を得るはずだったからだ。
また、砲撃戦を最近のウラン濃縮問題と結び付けて考えるべきではない。北朝鮮は米国を2国間協議に引きずり出すことが最大の目的だから、今回の動きは矛盾する。いずれにしても日米韓は事態のエスカレーションの回避を最優先させなくてはならない。】
田岡氏も、そもそも北朝鮮が中止を求めてきた韓国海軍の軍事演習を境界近くで
行ったのが事件の発端。自分の領海で他国が実弾射撃訓練をすれば黙ってはいられない。
しかし航行中の軍艦を砲撃するのは難しいので固定目標の大延坪島を狙ったのではないか、
どちらかといえば偶発に近いと思うと分析していた。
両者ともに北朝鮮が戦争を始める理由やメリットはないと不思議がっていたのが印象に
残った。
また田岡氏は2時間の間に200発とか80発といった少ない砲撃に注目し、
もしも本気の攻撃なら何千発、何万発も砲撃するはずだとも言っていた。
その他の識者や軍事評論家連中はいたずらに危機を煽るような見解ばかりで、
傾聴に値しない。
■周辺国の見解としては、
ロシア外務省「今回の事件が朝鮮半島の緊張を先鋭化させることがないよう期待」
ロシア国防省「情勢を見守る。東方軍管区の戦闘準備態勢を引き上げる意向はない」
中国「双方が地域の安全と安定のためにさらに尽力するように。地域の平和と安全は、
すべての当事国に利益をもたらすものだ」
私にとって過日のグルジア戦争の発端と経過が大きく印象に残っているが、そのときの
プーチン首相の素早い動きと現場での指揮の手際よさには目を見張った。
当初西側メディアはグルジアの方を正義とみなしてロシア批判の報道を展開したが、
結局、戦争の発端がグルジア側にあることが発覚してしまった(^^;
今回の軍事衝突では、ロシアの場合と何が違うのか。
それは他国から攻撃されても、韓国そして日本は米国の許可がなければ、本当の報復攻撃が
できないという点だ。
韓国哨戒艦沈没事件のときも、尖閣漁船衝突事件のときも、そして今回の砲弾事件でも
毎回かならず韓国軍と自衛隊のそばに、まるで背後霊みたいに米軍の陰がちらついている。
互いに属国であることの悲劇が見え隠れしているのだ。
■そしてこれもいつも通りというか、菅首相が事件について知ったのはかなり時間が経過して、
それもテレビのニュースからだったという。
呆れてものも言えないが、たとえそうだとしてもこんな恥ずかしい事実を外部に漏らしては
いけない。
自前の情報・諜報機関をもてない(米国が許さない)悲しさである。
中国や北朝鮮がどうのという前に、こうした日本の置かれた現状を冷静に見つめ、どうしたら
本当の独立国になれるのか(独立国になろうという気概をもてるのか)を考える方が大切だと
思うのだが。
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