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2010/11/24 掲載
有事にも“仙菅ヤマト”は青年の主張かよ
「周辺事態の適用を言い出すのは尚早。事態を逆にエスカレートさせ、却(かえ)って緊張を高めかねない」。西原正・元防衛大学校長の、「北朝鮮砲撃」を受けての発言です。
朝鮮戦争休戦協定や1992年発効の南北基本合意書に違反する砲撃を敢えて北朝鮮が実施したのは実は、”破れかぶれ”とは対極の、憎らしくも用意周到な戦略だと冷静に認識すべきです。
何故って、黄海の南北境界水域に於(お)ける韓国軍の軍事演習への対抗を口実とする砲撃は協定違反だ、と米韓両国が批判すればする程、板門店での休戦会談を両国は提案せざるを得ないディレンマに陥るのです。
「『平和協定が無いから、こうした事態が生じる』と米国に投げ掛け、交渉に引き込むのが北朝鮮の狙い」、と道下徳成・政策研究大学院大学准教授も看破する所以(ゆえん)です。
であればこそ日本は、早晩、再開されるであろう6カ国協議の場で相も変わらず”ジャパン・パッシング”される事態を回避すべく、如何(いか)なる戦略を構築するのかが問われています。
が、迷走・混迷の”仙菅ヤマト”政権は、緊急開催の閣僚会議でも、「青年の主張」かと見紛う抽象的な精神論に留まっています。
曰(いわ)く、「情報収集と不測の事態に対する万全の態勢を取れ」と首相から指示されたので、「拡大するか、しないかが一番のポイント。しっかり情報を収集し、検討する」、と北澤俊美防衛大臣は宣(のたま)う始末です。
いやはや、これだったら、”子ども新聞”の記者だって語れる内容。「情報収集」とは、一朝有事の前に常日頃から行う作業であり、斯くなる分析に基づく戦略と戦術が予め構築されていなくては、「万全の態勢」もへったくれもないのです。
海底油田、レア・アースに留まらず、アジア最大の天然鉱物資源大国の北朝鮮を、如何にソフト・ランディングに近いハード・ランディングで「民主化」し、その恩恵を5カ国で享受するかが6カ国協議の目的。
その際には日本は、最大の資金負担国を命ぜられるでしょう。であるならば猶(なお)の事、「拉致問題」を解決する上でも日本は、”遠吠え”をするのでなく、戦略的に六カ国協議の舞台回し役を買って出るべきなのです。
う〜む、問題は、その哲学と覚悟を持ち合わせているかどうか、なのですが・・・。
カテゴリー:日刊ゲンダイ にっぽん改国
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