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日曜日の本欄(前回)で、柳田前法相の発言に対する問責問題に触れて、その最後に次のように追記した。即ち「柳田法相の発言は、6年前の第2次小泉改造内閣で南野智恵子法相が答弁に窮して、『何分専門家ではないもので』と述べたのと比べれば、自らの法相としての不適性・無能を認める点では甲乙付け難く、国会軽視も同じようなものだと思う」と書いた。この考えは今も大きく変わらないが、少し変わった。
22日月曜日朝、柳田前法相は自らの進退に関し菅首相と会談した。菅首相は「国民生活を考えると10年度補正予算案をなんとしても速やかに通さねばならない」と強調。これを受け、その場で柳田氏が辞表を書いたそうだ。処が、23日の毎日新聞朝刊によると、この更迭は補正予算成立の確証を得られないままの「見切り発車」だったと書いてある。そうだとすると、柳田氏は無駄死にしたことになる。
自民党政権の時は、水面下で野党との妥協を済ませた後に、大臣の首を差し出した。これに比べ、民主党執行部の岡田幹事長・鉢呂国対委員長と菅・仙谷内閣の連携が全く取れていないのだろう。だから、党執行部が野党と話を詰める前に、法相更迭を公表する馬鹿をした。菅首相のリーダーシップが無いのに加え、党執行部に状況打開能力が欠如しているから、柳田法相を無駄死にさせてしまったようだ。
処で、23日のTBSテレビで、「失言」と「放言」との違いを説明し、これまで大臣が辞任したのは「放言」をした場合だけと言っていた。「失言」とは「言ってはいけないことを不注意で言ってしまうこと」。それに対して「放言」とは「無責任なことを言い放つこと」だそうだ。その定義からすれば、柳田発言は「放言」だろうか。国会軽視だと野党は騒ぐが、柳田は「放言」だとは思えない。「失言」だと思う。
これまでの歴代法務大臣も、「個別の事案については答えを差し控える」と「法と証拠に基づいて、適切に措置している」と何回も答弁していた。まさに柳田氏が言うように「便利な言葉」なのである。これに対して、南野智恵子法相(当時)が答弁に窮して、「何分専門家ではないもので」と答えたのは、TBSテレビ流に言えば、当に「無責任な発言」で「放言」の類(たぐい)に入るだろう。
一方、前回記述した柳田発言には、次のような続きがある。即ち「(二つの言葉を)まあ、何回使ったことか。使うたびに、野党からは責められ、政治家としての答えるべきじゃないとさんざん怒られている。ただ、法相が法を犯してしゃべることはできないという当たり前の話。法を守って私は答弁している」と述べている。柳田氏は事実を述べたに過ぎない。だが、言ってはいけないことだった。つまり「失言」になる。
テレビの定義が正しいとは限らない。「失言」であろうが「放言」であろうが、その時の内閣と野党との力関係、それとマスコミの煽りによって左右されるようだ。「人生いろいろ」とか、国債発行額30兆円の公約を破って、「この程度の約束を守らないのは大したことではない」との「放言」をした首相もいたが辞めなかった。要は、菅首相と野党の力関係で、首相が負けているのだ。では、どうしてそうなったか。
誰かが、オリジナル民主党には「仲間を庇う文化が無い」と書いていた。その通りだと思う。だから、野党から問責だと言われると、内閣と党とが団結して当たることができない。その点、自民党は派閥間の争いは凄かったが、対野党では一致団結した。言葉を変えれば、民主党は「俺が、俺が」と目立ちたがる幼稚園児のような体質だということ。だからやること成すことが、全て幼稚で纏まりがない。
首相が、柳田氏が法相として適任だと信じて任命したのなら、全力を上げて彼を守るはずだ。仙谷官房長官も岡田幹事長も、必死で菅内閣を支えようと思うなら、自らが「泥」を被るはずだ。だが、この二人をはじめ今の党幹部には「泥」を被る(=責任を取る)覚悟の者がいない。そして前回も書いたが、多くの国民と約束した「国民の生活が第一」の旗印を忘れ、目先の「小異」に拘る幼稚性を発揮している。
参院選敗北の責任を取らなかった菅氏を、民主党の代表に選んだ党員・サポーターそして205人の国会議員。彼らは、昨年の衆院選での国民との約束に逆行し、野党の攻勢の前に右往左往している菅内閣を見て、その責任をどのように感じているのだ。もし、この文を読まれた中にそのような方がおられたら、是非意見欄にコメント願いたいものである。
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