http://www.asyura2.com/10/senkyo100/msg/236.html
Tweet |
ねじれ国会で話題になるのが国会同意人事だ。国会同意人事とは、衆議院・参議院の本会議での同意を経て内閣、内閣総理大臣又は各省大臣が任命する人事のことをいう。両院で過半数の賛成が必要で、衆院の優越規定がないため、野党優位の参院が大きな影響力を行使できる。
政府は4日、今年6月から空席となっている預金保険機構の理事長に、同機構の元理事で元日銀信用機構局長の田辺昌徳氏をあてるなど国会同意人事案を提示した。しかし、同理事長ポストをはじめ、48人分の人事が宙に浮いて協議に入れない状況だ。
これは、過去の苦い経緯がある。2008年の福田政権での日銀総裁人事だ。武藤敏郎氏、田波耕治氏と、財務(旧大蔵)次官経験者が次々拒否され、戦後初めて日銀総裁が空席になった。現白川方明総裁が同意されるまで異常事態は3週間続いた。結局、衆参ねじれになって以降、自公政権では合計28人の人事案が否決されている。
仙谷由人官房長官は、当時の日銀総裁人事の際、民主党党国会同意人事検討小委員長として反対派の急先鋒(せんぽう)だった。それが、今では仙谷氏が国会同意人事を担当している。野党の自民党として、簡単には譲れないわけだ。
国会同意人事が停滞すると、様々な影響が出てくる。預金保険機構では、今年6月、旧大蔵省出身の永田俊一理事長、検察庁出身の新堀俊彦理事が退任し、その後欠員が続いている。日本振興銀行で国内初のペイオフが発動されるなど、預金保険機構の運営が平時以上に難しくなっている中で、このような欠員が4カ月以上続いていることは異常な事態である。
証券取引等監視委員会などは、後任が決まるまで前任者が継続できるので、さしあたっては支障が出ない。しかし、任期を超えて職務を行わざるをえないのは普通でない。任期いっぱいで終わりと思っていた人に、その後それまでのモチベーションを期待するのも酷な話である。
そもそも、かつての民主党が国会同意人事を政争の具にしたことは、今でも大きな影響がでている。白川総裁は本来は総裁になる人でなかったが、野党時代の民主党が日銀総裁の国会同意人事を何度も拒否し、消去法で誕生した経緯がある。はたして適切な人事であったかどうか疑問である。
その当時の民主党の対応はかなり乱暴だった。日銀審議委員人事では池尾和人慶應義塾大学教授が提示されたが国会同意に至らなかった。驚いたのはその理由で、池尾氏が郵政民営化に賛成だからという。池尾氏は郵政民営化に反対だったので、まったくの事実誤認であった。
(嘉悦大教授、元内閣参事官・高橋洋一)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101122/plt1011221611003-n1.htm
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK100掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。