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巨大与党でヒトラー化する安倍首相 ! 国民生活の今後(上)
香山リカ・精神科医:安倍総理と「傲慢症候群」=“権力中毒” !
(beautiful2015.web.fc2.com: 2017年10月24日より抜粋・転載)
いつ大暴走しても不思議ではない(C)日刊ゲンダイ:
巨大与党でヒトラー化する安倍首相 国民生活の今後<上> 日刊ゲンダイ 2017年10月24日
■この選挙制度の悪魔的弊害と「健全な保守」などと
言っている野党のバカぶり
「力強い支持を国民からいただいた」――。
衆院選から一夜明けた23日、自民党本部で開かれた会見で、安倍首相はドヤ顔で選挙結果を振り返り、こう威張っていた。つくづく国民は最悪の選択をしたと言わざるを得ない。
3割台の支持率しかない政権で、大多数の国民が続投を望まない男が日本の最高権力の座に今後も居続ける。考えるほど頭がクラクラしてしまうが、この選挙結果でハッキリしたことがある。
289選挙区のうち、自公、希望・維新、立憲・共産という3極対決となった208選挙区では、自公が173勝と8割超を制した。つまり、選挙区で1人しか当選しない小選挙区制度では、野党が分裂する限り、相対的に与党が漁夫の利を得る、ということだ。制度の「悪魔的弊害」と言っていい。
野党が巨大与党を打ち負かすには、小異を捨てて大同につき、保守からリベラル、共産党まで含めた野党連合で対峙する以外に道はない。今回のように野党が3極にも4極にも分裂する限り、万年与党・野党の構図は決して変わらないだろう。そして何よりも不幸なのは、有権者が政権選択ができない状態が永遠に続くということだ。
過去の選挙でその教訓を学んでいるにもかかわらず、選挙前に民進党の前原代表は「非自民・非共産」などと言い、希望の候補からも「健全な保守」なんて声が出ていたのだから、“野党ボケ”としか言いようがない。政治評論家の森田実氏がこう言う。
「かつての中選挙区制であれば政権交代はとっくに起きていたでしょうが、今さら、選挙制度を戻すのは現実的ではありません。となれば、今の小選挙区制度で、いつ大暴走しても不思議ではない極限状態にある安倍独裁政権を止めるには、野党が大同団結するしか方法がありません。
大義は『独裁阻止』で十分で、細かな主義主張は二の次で構わないのです」
バカな野党のせいで、国民は危急存亡のときに立たされてしまった。
■窮地の小池百合子と希望の党は、必ず安倍にすり寄るだろう !
小池知事に利用される(C)日刊ゲンダイ
希望の党が失望に転じた「小池劇場」の悲惨な結末には、目が当てられない。側近の若狭勝は落選、お膝元の東京は、1勝22敗の大惨敗。唯一当選した長島昭久は、選挙ポスターの小池とのツーショット写真を、シールで隠す奇策が功を奏したというから、もはや笑い話だ。
今夏の都議選で「都民ファーストの会」を躍進させたことで、政界の主役に躍り出た小池だが、求心力は急激に低下。希望は小池が出張先のパリから帰国する25日、両院議員懇談会を開き党人事と首相指名を協議する。
その場で、代表辞任を含め“小池批判”が噴出するのは確実だ。
希望の党・落選者の中には「人生を狂わされた」と恨み節を口にする者もいるという。まあ、小池人気に群がろうとした連中が、どの口で言うのかと呆れてしまうが、小池が崖っぷちに立たされているのは事実。
離党者が続出し、崩壊状態に陥るのは、時間の問題だ。小池知事が、この窮地を脱するには、選挙中に批判しまくった、安倍首相にすり寄るしかなさそうだ。政治評論家の伊藤達美氏が言う。
「小池百合子氏が、潔く代表を辞任すれば済む話ですが、小池氏はそんなことをすれば、自らの政治家生命が絶たれると拒否するでしょう。復権を目指す、小池氏に残されているのは、五輪の協力などで、自公と緩やかに連携していく方法しかない。
朝鮮半島有事や憲法改正で、現実的な政策議論をしながら政策担当能力をアピールしていく。改憲勢力として安倍政権に加担していくことが政治家として生き残る道となりそうです」
落ち目の小池を延命させるために、改憲論議が加速するなんてことがあってはならない。
■権力亡者が身内も「飽きる」10年政権のおぞましさ
身内が一番よく分かっている(C)日刊ゲンダイ
自公大勝が招く、最悪のシナリオは、安倍の自民党総裁3選、10年に及ぶ超長期政権の実現だ。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「台風直撃で、投票率は戦後2番目の低さとなり、組織力のある自民党に有利な戦況ではありました。とはいえ、内閣支持率は、不支持率を下回り、世論の半数が、アベ続投を拒否している状況で、自公で3分の2の勢力を維持したなんて、にわかに信じられない。
安倍首相は、曲芸と禁じ手で、総理のイスにしがみついてきた、権力亡者。今回の圧勝で、モリカケ疑惑(森友事案・加計事案)の免罪符とフリーハンドの信認を得たとばかりに、やりたい放題になるのは明々白々でしょう」
安倍のオツムにあるのは、祖父(岸信介元首相)の代からの悲願である、改憲だけ。一再ならず「私は、立法府の長であります」と明言し、加計疑惑を追及した野党議員に「アナタ、責任取れるんですか!」と逆切れ。
安倍の強引な国会運営に批判的な有権者を「こんな人たち」と切り捨てた。主権者である国民をないがしろにし、国会を蹂躙する世紀の自己チュー、反知性の問題人物が佐藤栄作元首相(2798日)、吉田茂元首相(2616日)の在任期間超えに“リーチ”をかけたのだからおぞましい。
毛嫌いされる、安倍の名代で選挙中に全国を飛び回った、小泉進次郎筆頭副幹事長が「おごり、緩みだけでなくて、飽きだ。だんだん飽きてきている」などと世論を代弁する形でアベ批判を口にしたが、それは、党内に渦巻く本音でもある。
数の力をかさに、独裁色を強め、アベ友だけが甘い汁を吸う、デタラメ政治の横行は、身内が一番よく分かっている。それでも引きずり降ろせない、愚の骨頂。史上最低総裁に史上最長任期を与えようとする自民党は、まるでマンガである。
■全ての法律が、自動成立、大政翼賛会で加速する労働者と弱者、言論弾圧 !
全て強行で自動成立(C)日刊ゲンダイ
自公与党で定数の3分の2を上回る313議席を確保。「是々非々」の維新が11議席、希望は50議席を占め、改憲・安保法制容認の親アベは衆院の8割を占める巨大勢力に膨れ上がった。
加速する国会の大政翼賛会化で最も苦しめられるのは、言うまでもなく国民だ。安倍政権は世論が猛反発した特定秘密保護法と安保法を強行採決。テロ対策だと大ボラを吹いた共謀罪法は、委員会審議打ち切りの中間報告なる禁じ手を使い、力ずくて成立させた。さらに数の力を増し、露骨に異論封殺に動くのは目に見えている。
まず俎上に載るのが、「働き方改革」と称した裁量労働制の拡大だ。残業時間の罰則付き上限規制と、高年収の専門職を規制外にする「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の導入を画策している。
労働問題に詳しい政治学者の五十嵐仁氏は言う。
「自公は残業時間の上限を〈年720時間まで〉〈月最大100時間未満〉と規制し、労働者保護を装っていますが、疑似餌に過ぎません。過労死ラインの100時間まで残業を認めるのはメチャクチャですし、高プロの実態は『残業代ゼロ』です。労働力を安価にコキ使うことに主眼を置いたこの法案に賛成する労働者がどれほどいるでしょうか。
しかし、安倍政権と近い経団連が法制化を求めている。衆参両院で3分の2の勢力を再び手にした安倍政権は強引に押し通そうとするでしょう」
安倍の胸三寸でどんな法律でも自動成立しかねない。
政府の暴走にストップをかけるのが「第三の権力」と呼ばれるメディアの役割だが、囲い込みと恫喝で骨抜きにされた大マスコミにそうした気概はもはや期待できない。選挙戦の最中は公正中立を大義に、政権を直撃するモリカケ疑惑の報道を自粛。各党の主張を横並びで伝えて争点をボヤかし、与党大勝をアシストした。
そうした中で国政選挙5連勝をモノにした安倍官邸が味を占め、ご都合主義の言論弾圧をさらに強めるのは言うまでもない。
【出典】日刊ゲンダイ 2017年10月24日
(参考資料)
安倍総理と「傲慢症候群」=“権力中毒” !
香山リカ・精神科医の主張 !
(webronza.asahi.com:2015年07月25日より抜粋・転載)
◆組織や社会を「死に至らしめる病」、
一刻も早く“権力中毒”から覚めよ !
香山(かやま)リカ 精神科医、立教大学現代心理学部教授
傲慢症候群|安倍政権|権力中毒
◆「安倍総理と傲慢症候群」=“権力中毒” !
今回は、さらに一歩、踏み込んで「安倍総理と傲慢症候群」について語ってみたいと思う。
安倍総理は、5月の衆院平和安全法制特別委員会での審議で、質問していた民主党の辻元清美議員に「早く質問しろよ!」とヤジを飛ばした(後に民主党が抗議したため、総理は陳謝)。
また2月の衆院予算委員会では、旧大蔵省出身の民主党議員の質問の最中、「日教組どうすんだ!日教組!」と繰り返しヤジを飛ばし、委員長からたしなめられる一幕もあった。
ヤジは国会につきものではあるが、現役総理とは思えないほど品位もなく、傲慢無礼な態度だと言える。 これは、安倍総理のもともとの性格ゆえなのだろうか。どうもそうではないようだ。
私は、安倍総理は「傲慢症候群」と名付けられた一種の“権力中毒”に陥っているのではないか、と考えている。
◆安倍首相が陥った、「傲慢症候群」とは ?
ここで、「傲慢症候群とは何か」について改めて説明しておこう。
簡単に言えば、これは「権力の座にある者に起きる特有の人格の変化」だ。一般のパーソナリティ障害が人生の早期からその特徴が見られる半ば生得的なものであるのに対し、傲慢症候群が発生するのは、あくまで権力を手にした後である。
この概念を生み出したデービッド・オーエン氏も、自著の論文に「獲得された(後天的な)パーソナリティ障害なのか?」という副題をつけている(Owen D. Hubris syndrome: An acquired personality disorder?.Brain 2009;132)。
だとしたら、ほかのパーソナリティ障害に比べてこの傲慢症候群は軽症と言えるのだろうか。
そうとは言えない。この症候群にかかるのは権力者であるがゆえに、その影響は甚大なのだ。
◆傲慢症候群の特徴 !
@自己陶酔の傾向があり、「この世は基本的に権力をふるって栄達をめざす劇場だ」と思うことがある
A何かするときは、まずは自分がよく映るようにしたい
Bイメージや外見がかなり気になる
C偉大な指導者のような態度をとることがある。話しているうちに気がたかぶり、我を失うこともある
D自分のことを「国」や「組織」と重ねあわせるようになり、考えや利害もおなじだと思ってしまう
E自分のことを王様のように「わたしたち」と気取って言ったり、自分を大きく見せるため「彼は」「彼女は」などと三人称をつかったりする
F自分の判断には大きすぎる自信があるが、ほかの人の助言や批判は見下すことがある
G自分の能力を過信する。「私には無限に近い力があるのではないか」とも思う
H「私の可否を問うのは、同僚や世論などのありふれたものではない。審判するのは歴史か神だ」と思う
I「いずれ私の正しさは歴史か神が判断してくれる」と信じている
J現実感覚を失い、ひきこもりがちになることがある
Kせわしなく、むこうみずで衝動的
L大きなビジョンに気をとられがち。「私がやろうとしていることは道義的に正しいので、実用性やコスト、結果についてさほど検討する必要はない」と思うことがある
M政策や計画を進めるとき、基本動作をないがしろにしたり、詳細に注意を払わなかったりするので、ミスや失敗を招いてしまう
たしかにこのような人といっしょに仕事をするのは、部下や秘書としては愉快なことではないだろう。
しかし、問題はそれだけではない。傲慢症候群のリーダーを仰ぐ側の人々にとって最も重要なのは、上記の特徴のLやMだ。彼らはあまりにひとりよがりな成功物語にとらわれて現実を見失い、細部に目が行かなくなるため、結局、その統治は破綻に終わるのである。
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