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安倍首相、靖国神社の秋の例大祭で「真榊」奉納 !
超党派国会議員85人が靖国参拝 !
靖国神社は、戦前の軍国主義の総本山 !
なぜ、総理・閣僚等の靖国参拝が問題なのか !
大東亜戦争・侵略戦争の犠牲者数は?
T 安倍首相、「真榊」奉納 !
(www3.nhk.or.jp:2016年10月17日 18時22分より抜粋・転載)
安倍総理大臣は、10月17日から始まった靖国神社の秋の例大祭にあわせて、「真榊(まさかき)」と呼ばれる、鉢植えの供え物を奉納しました。
東京・九段の靖国神社では、17日から4日間の日程で、秋の例大祭が始まりました。
安倍総理大臣はこれにあわせて、「内閣総理大臣安倍晋三」名で、「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。
安倍総理大臣は、17日、今の国会の焦点となっている、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の国会承認を求める、議案を審議する衆議院の特別委員会に出席する予定で、秋の例大祭にあわせた靖国神社参拝は、行わない見通しです。
☆安倍総理大臣は、春の例大祭にも今回と同様に
「真榊」を奉納し、8月15日の「終戦の日」には、
自民党総裁として私費で玉串料を納めています。
また、今回の例大祭にあわせて、塩崎厚生労働大臣も「真榊」を奉納しました。
◆菅官房長官:「私人としての行動」だ !
菅官房長官は、午後の記者会見で、「安倍総理大臣が『真榊』を奉納したのは当然承知しているが、私人としての行動だと思っているし、政府として見解を申し上げる事柄ではない。いずれにせよ、安倍総理大臣が適切に判断されたと思う」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団から、安倍内閣の靖国神社参拝に対する方針を問われたのに対し、「私人としての行動なので内閣として方針があるということではない」と述べました。
◆中国:「間違ったやり方に断固反対」する !
中国外務省の華春瑩報道官は17日の定例の記者会見で、「日本の政界の要人の間違ったやり方に断固として反対する」と述べました。そして、「日本側には侵略の歴史を直視して深く反省し、実際の行動でアジアの隣国や国際社会の信用を得るよう、せつに促す」と強調しました。
U 超党派国会議員85人が靖国参拝
(www3.nhk.or.jp:2016年10月18日 9時55分より抜粋・転載)
超党派でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の衆参両院の
国会議員85人が、10月18日、秋の例大祭が行われている、靖国神社に参拝しました。
「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は、毎年、春と秋の例大祭と、
8月15日の「終戦の日」に、東京・九段の靖国神社に参拝しています。
18日は、会長を務める自民党の尾辻元参議院副議長や、民進党の羽田元国土交通大臣、日本維新の会の東総務会長、日本のこころを大切にする党の中山代表ら、超党派の衆参両院の国会議員85人が、午前8時に靖国神社の本殿に昇殿し、そろって参拝しました。
安倍内閣からは、水落文部科学副大臣らが参拝しました。
参拝のあと尾辻氏は、記者会見し、安倍総理大臣が秋の例大祭に合わせた靖国神社参拝は行わない見通しであることについて、「諸外国との関係を考えて判断したのであれば、亡くなった方々もそれなりに理解すると思う。ただ、安倍総理大臣にはそのことを率直に、『参拝できないことは痛恨の極みだ』などと語っていただいたほうがいい」と述べました。
韓国外務省「深い憂慮と失望」
安倍総理大臣が、10月17日、靖国神社の秋の例大祭に合わせて「真榊(まさかき)」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納したほか、18日、衆参両院の国会議員85人が靖国神社に参拝したことについて、韓国外務省のチョ・ジュンヒョク(趙俊赫)報道官は、論評を出し、「日本の政府と国会の政治指導者たちが、過去の日本の侵略戦争を美化する靖国神社に再び供え物を奉納し、参拝を繰り返したことに、深い憂慮と失望を禁じえない」と批判しました。
そのうえで、「日本の政治家が正しい歴史認識を土台にして、過去の歴史に対する謙虚な省察と誠実な反省を行動で示すことで、周辺国と国際社会の信頼を得て未来に向かうよう求める」としています。
(参考資料)
T なぜ、総理・閣僚等の靖国参拝が問題なのか !
天皇と国家と兵士を結ぶ回路を追認する事だから
(www.linelabo.com:2001年9月より抜粋・転載)
松 葉 祥 一:神戸市看護大学:『週刊読書人』第2402号(2001年9月7日付)[論潮 9月]欄に掲載されたものを『週刊読書人』編集部および著者の許諾を得て転載する。
◆政府主催の全国戦没者追悼式は、中国・韓国等
から批判されない !
なぜ、首相の靖国神社参拝が問題になるのか。それが,〈現在〉この国の「国民」がどのような国家を作ろうとしているのかを示す試金石だからである。
小泉首相は,靖国に参拝するのは〈過去〉の戦死者に敬意を表すためだと言う。しかし,戦没者に敬意を表すためであれば、政府主催の全国戦没者追悼式で十分である。
首相が、就任当初から,他の政治課題と並べて,八月一五日に靖国参拝を行うと繰り返し強調してきたことは,逆に〈現在〉そのことに大きな象徴的意味があることを示している。
では,首相が、靖国神社に参拝することにどのような意味があるのか。
◆首相が、靖国神社に参拝することにどのような意味があるのか ?
1) 靖国神社があってはじめて,天皇と国家と兵士
を結ぶ回路が完結する
それは、まず、第一に,
「国のために戦って死ねば神様になれるという回路」を国として認めることである(井上ひさし,『朝日新聞』八月九日夕)。
この回路があったからこそ,この国の政府は,生きながらにして爆弾になれ,魚雷になれと若者に命じ,一六・五%の命中率しかない特攻に送り込むことができたのである。
否,それは国のためではなく,〈天皇のため〉であった。
実際,靖国神社においては,天皇にとって、逆賊だった、西郷隆盛たちは、排除されているのに対して,官軍の戦没者は,「天皇のために忠死したという唯一点で,国によって神として祀られ,現人神天皇の礼拝を受けるという無上の栄誉」(『国史大辞典』吉川弘文堂)を与えられている。
この靖国神社があってはじめて,天皇と国家と兵士を結ぶ回路が完結するのである。
それゆえ靖国神社は,戦時中「軍国主義を普及徹底させるうえで,絶大な威力を発揮し,
日本国民を侵略戦争にかりたてる精神的支柱としての役割を担うことができた」(同書)のである。
多くの反対を押し切って、首相が、靖国神社参拝を強行することは,少なくともこの回路を追認することになることは明らかである。
さらに,現在再び若者たちをこの回路に誘い込もうとする意図があると理解されても仕方がない。
2) 首相の靖国参拝は,「日本は紛争解決の手段
として戦争を選びもするぞ」と公言することだ !
そこから第二の意味が生じる。すなわち,首相の靖国参拝は,「日本は紛争解決の手段として戦争を選びもするぞ」(井上ひさし)と公言することに他ならない。
それゆえ,「天皇の軍隊によって運命をひどく悪い方へ変えられてしまったアジアの国々」が危機感をもつのは当然である。アジアから見たとき,靖国神社は日本の軍国主義と侵略戦争の象徴だからである。
それは,一九七八年東条英機元首相ら一四名のA級戦犯が,「昭和殉難者」として
合祀されたことによって強まった。
この戦争指導者たちを神として祀る靖国神社に首相が参拝し「心をこめて敬意と感謝の意をささげる」行為は,過去の侵略戦争を肯定する立場に日本政府が立つこと,その上で現在それを踏襲しようとしていることを内外に表明することにほかならない(中江要介「総理は靖国公式参拝を決行すべきではない」,『世界』九月号)。
したがって,中国や韓国による、靖国参拝批判は、内政干渉だという主張(中嶋嶺雄「なぜ中国は反対するのか」,『Voice』九月号)は成立しない。
それが,この国の基本的な外交・軍事方針を示し,近隣諸国にはっきりした脅威をもたらすものである以上,重要な外交問題だからである。
3) 総理・閣僚等の靖国参拝は、憲法をないがしろ
にすることを意味する !
第三に,それは「わたしたちをゆるやかに束ねながら,私たちの共通の価値ともなっている」(井上ひさし)憲法をないがしろにすることを意味する。
すなわち,閣僚による靖国参拝は,どのように解釈しようが,「国および国の機関はいかなる宗教的活動もしてはならない」と定めた憲法第二〇条に違反することは明らかである(奥平康弘「首相靖国参拝に疑義あり」,『潮』九月号)。
実際,九一年に出されて確定した岩手靖国訴訟の仙台高裁判決は,「首相の靖国神社公式参拝は違憲」と明言している。さらに九七年四月,最高裁大法廷判決は,愛媛玉串料訴訟において,「地方公共団体による靖国神社や護国神社への玉串料等の奉納が,たとえ相当数の者が望んでいるとしても,公共団体が特定の宗教団体に対して特別の関わりあいをもつことであり,宗教団体である靖国神社や護国神社が特別のものであるとの印象を一般に与えるものであるから,憲法が禁止する国家や公共団体の宗教活動にあたり違憲」だとした。
今回の参拝は,玉串料等の奉納よりも直接に靖国神社との関わりを顕示するものであり,その違憲性はよりいっそう明らかである。
八月一五日を避けたからよいわけでも,私的参拝だからよいわけでもない。
首相や閣僚が、靖国神社に参拝すること自体がすでに違憲なのである(今回の靖国神社参拝違憲訴訟の提起に向けた準備作業が始まっている。日本基督教団靖国・天皇制問題情報センター,neco@gb3.so-net.ne.jp)。
もちろん、小泉首相は,「虚心坦懐に熟慮」したわけであるから,自らの行為がこのような意味をもつこと,また、世論の六五%が参拝を慎重にした方がよいと考えていること(『朝日新聞』八月四日),歴史修正主義の教科書が問題になった直後であること,自らの行動が平和を望む日本とアジア近隣諸国の民衆を不安に陥れ,これまで積み上げてきた中国や韓国・朝鮮との友好関係を破壊することなどをじゅうぶん承知の上で,「あえて蜂の巣に手を突っ込むようなこと」(『ル・モンド』八月一〇日)をしたのである。
そこには,憲法とくに九条を改正し,「戦争のできる国づくり」をめざそうとする彼の信念が働いているとしか考えようがない。
あるいは,もしかりに彼自身本当に戦争を望んでいないのだとしても,戦争のために重要な役割を果たした宗教施設に参拝するということが,主観的な意図を越えた意味をもつことを知るべきである。
それに,彼は死者を口実にすべきではないと井上ひさしは言う。
すなわち、死者を利用すること,とりわけその死を強制した国家が利用しようとすることは、傲慢と言わざるをえない。
古山高麗雄は、次のように述べる。「死ねば,靖国も何もない。無です。招魂も追悼も葬式も生者の営みです。死者には何もない,霊などというものは,生者が生者のために作った観念だ」(古山高麗雄「万年一等兵の靖国神社」,『文藝春秋』九月号)。
そして,井上は,戦争の犠牲者に対して生者がなすべきことは,亡くなった人たちの家族(アジア諸国の人々を含む)への謝罪と補償をできるだけして,あとは、死者の魂をそっと静かにしておくことだとする。
そして生者は,これらの非業の死の意味を深く噛みしめながら,自分は二度とこのような死に方をしないし,他人にさせもしないと,心のうちで強く誓いながら生きていくしかないとするのである。
(まつば しょういち・哲学)
U 大東亜戦争・侵略戦争の犠牲者数は?
(www.jcp.or.jp:2004年11月4日(木)「しんぶん赤旗」より抜粋・転載)
〈答え〉 1945年8月15日、天皇制政府は、ポツダム宣言を受諾して連合国に降伏しました。15年にわたる戦争は日本人の軍人軍属などの戦死230万人、民間人の国外での死亡30万人、国内での空襲等による死者50万人以上、合計310万人以上(63年の厚生省発表)の犠牲をもたらしました。
戦後、日本政府は、一貫して、侵略戦争と認めることを拒否し、犠牲者数をなるべく過小に計算する見地で資料を作成し、戦争の惨害の本格的な資料を作成してきませんでした。
前記の厚生省資料も、太平洋戦全国戦災都市空爆犠牲者慰霊協会の調査によって推計したものです。
日本の侵略戦争は、アジア・太平洋各国に2000万人以上の死者をふくむ史上最大の惨害をもたらしました。この数は、各国の政府公表あるいは、公的発表にもとづくものです。
−以下省略−
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