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遅れて、「埋立承認を取り消し」ても、「辺野古に基地を建設」されれば、
公約違反だ !
翁長支持陣営の中に、大きな政府の「沖縄支援策を獲得しよう」と考える勢力がいる !
沖縄県民を悩ます、仲井真・前知事・埋め立て承認の内幕は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2015/10/14より抜粋・転載)
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1)翁長知事、漸く埋立承認を取り消し、問題は、「辺野古に基地を造らせない」
という公約を実現できるかどうかだ !
想定通り、沖縄県の翁長雄志知事が、埋立承認を取り消しした。
問題は、「辺野古に基地を造らせない」という公約を実現できるかどうかである。
「辺野古に基地を造らせない」という公約を実現するために、何よりも重要なことは、辺野古米軍基地建設の本体工事着手を阻止することである。
沖縄防衛局は、7月29日に、本体工事着手のために、沖縄県に事前協議書を提出した。
仲井真弘多前知事が出した埋め立て申請承認のなかで、埋め立て工事着手の前に事前協議をすることが定められていた。
2)国は、沖縄県と事前協議をしなければ、
本体工事に着工することができなかった !
このために、国は、沖縄県と事前協議をしなければ、本体工事に着工することができなかったのである。
したがって、この「事前協議」のための協議書が沖縄県に提出される前に、翁長知事が埋立承認を取り消してしまえば、沖縄県は「事前協議」のための協議書を受理する必要がなかった。
そうなると、手続き上、国は本体工事に着手することができなかった。
したがって、「本当に」「辺野古に基地を造らせない」という公約を守るには、一番遅くとも、国が本体工事着手の事前協議書を提出する前に、埋立承認を取り消しておく必要があった。
メディアは、翁長知事が埋立承認を取り消したことを沖縄県民が高く評価していることを報道するが、沖縄県民の翁長知事に対する評価は、「埋立承認を取り消したか否か」ではなく、「辺野古に基地を造らせない」公約を実現できるかどうかで判定されるべきものだ。
3)遅れて、「埋立承認を取り消し」ても、
「辺野古に基地を建設」されれば、公約違反だ !
「埋立承認の取り消し」は、「辺野古に基地を造らせない」ための手段であって目的ではない。
「埋立承認を取り消し」ても、「辺野古に基地を造らせてしまう」なら、翁長氏は公約を守ることにならない。昨年11月に沖縄知事選が実施された。
この候補者選定の時点から、私はこの点を指摘し続けてきた。
翁長氏が知事に就任して、直ちに埋立承認を取り消ししていれば、「辺野古に基地を造らせない」という公約を守ることができた可能性は高い。
4)「事前協議書」を沖縄県が受理し、その後、埋立承認を取り消ししても、
基地建設の可能性大だ !
しかし、本体工事着手のための「事前協議書」が提出され、沖縄県がこれを受理してしまったあとに、埋立承認を取り消ししても、「辺野古に基地を造らせない」公約を守ることはかなり困難であると推察される。
現時点で、結果が出ているわけではないから、断定することはもちろんできないが、少なくとも、これまでの翁長知事の行動が、「辺野古に基地を造らせない」公約を守るための「全力投球の行動」
ではなかったことだけははっきりしている。
5)翁長支持陣営の中に、大きな政府の「沖縄支援策を獲得しよう」と
考える勢力がいる !
翁長氏の支持陣営のなかに、「辺野古に基地を造る」ことを容認して、それと引き換えに、大きな政府の「沖縄支援策を獲得しよう」と考える勢力が存在すると考えられる。
USJの誘致も、那覇空港の滑走路増設も、医療特区の創設も、沖縄コンベンションビューロー会長人事も、沖縄都市モノレール社長人事も、沖縄MICE建設地選定も、この文脈で、捉えることが必要との指摘がある。
翁長氏に対する評価は、あくまでも、「辺野古に基地を造らせない」公約の可否によって定められるべきものだ。
なぜなら、埋立承認取消を、ここまで先送りしてきた合理的な理由が存在しないからである。
その最大の原因は、
6)基地が建設された場合、最大の原因は、
「埋立承認取り消し」があまりに遅すぎた事だ !
「埋立承認は取り消した」が「基地は造られた」という結果が生じる場合には、その最大の原因は、「埋立承認取り消し」があまりに遅すぎたということになるからである。
問題は、国が辺野古基地の本体工事に着手するのかどうかである。
国が本体工事に着手し、工事が進行する場合、「辺野古に基地を造らせない」公約を実現することは難しくなる。実際に工事が進んでしまうからだ。
翁長知事が、6月までに、埋立承認を取り消していれば、国は本体工事に着手できなかったと考えられる。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
仲井真・沖縄県知事が辺野古埋立申請を一蹴できなかった理由は ?
対米隷属・安倍自公政権下の謀略と圧力 !
公約違反・民意破壊を狙う、米国・安倍政権 !
(植草一秀の『知られざる真実』:2013年12月25日 より抜粋・転載)
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る
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仲井真知事が辺野古埋立申請を一蹴できない理由は ?
★仲井真弘多沖縄県知事は、徳洲会の全面的な選挙支援で辛勝 !
仲井真弘多沖縄県知事が、2006年12月の知事選で辛勝した決め手になったのは、徳洲会の全面的な選挙支援であったと伝えられている。
徳田毅議員は、自由連合に所属し、2006年の沖縄知事選に立候補した糸数慶子候補の支持陣営にいた。
その徳田毅氏が知事選直前に自由連合を離脱し、仲井真弘多候補支持に回った。
徳洲会は、組織的な選挙を展開したと伝えられている。
徳洲会は、沖縄にも病院を保有し、これらの病院が基軸となって大規模な選挙応援が繰り広げられた。
★県知事選挙は、糸数候補優位に進展したが、
最後の局面で徳洲会支援により、仲井真氏が当選した !
選挙は、糸数候補優位に進展したが、最後の局面で徳洲会による選挙支援が功を奏して仲井真氏が当選したと伝えられている。
この時期に世間を賑わした大きなニュースがあった。
★徳洲会病院による生体腎移植の問題が、
仲井真氏が当選後、報道から消滅 !
徳洲会病院による生体腎移植の問題である。
刑事事件に発展する様相を示していたが、沖縄知事選が終了するのと同時に、潮が引くようにこの問題も報じられなくなった。
徳洲会に大きな力が加えられ、そのなかで、徳田毅氏が、自由連合を離脱して、仲井真氏支持に回ったと見られる。このときの首相が安倍晋三氏である。
★徳田毅氏は、沖縄知事選が終了すると、直ちに自民党に入党 !
徳田毅氏は、沖縄知事選が終了すると、直ちに自民党に入党した。
この「工作」を担当したのは自民党幹事長の中川秀直氏であったと伝えられている。
徳洲会と日本医師会は犬猿の関係にある。
徳洲会の徳田毅氏の自民党入党を医師会は嫌ったが、安倍政権がこれを押し切った。
2012年12月総選挙における、徳洲会による、「選挙違反事案」が、この時期に表面化した最大の狙いは、仲井真弘多氏に対する揺さぶりにあるというのが私の見立てである。
★徳洲会による、「選挙違反事案」が、
報道され、仲井真氏に飛び火の可能性大 !
その見解をかねてより提示してきた。
仲井真弘多氏は、2010年11月の知事選で再選を果たしたが、2006年同様、徳洲会が選挙を全面支援したと見られる。
選挙違反事案が、仲井真氏に飛び火してもおかしくはない状況にあると考えられる。
2006年の安倍政権にとって、沖縄県知事選は負けることのできない選挙であった。
そこで、かなり強引な方法で仲井真氏を勝たせる手を打ったのだと思われる。
2010年の知事選では、前宜野湾市長の伊波洋一氏が立候補して、辺野古移設反対を主張した。
仲井真氏を再選させるために、基地反対票を分断する候補者が擁立されたが、米国は仲井真知事の再選を最優先事項に位置付けたと思われる。
1月19日には沖縄県名護市で市長選が実施される。
辺野古基地建設反対を主張する稲嶺進氏が再選されれば、辺野古基地建設はより困難になる。
米国の指令を受けている安倍政権は、何とか、名護市長選の前に仲井真弘多氏に辺野古埋め立て許可を出させようとしている。
★仲井真弘多氏は、普天間飛行場の県外移設を公約に掲げた、
辺野古移設承認は、県民への裏切りだ !
仲井真弘多氏は、普天間飛行場の県外移設を公約に掲げて知事選に臨んでいる。
辺野古埋め立て許可を出すことは、県民への裏切り行為である。
しかも、1月19日には、名護市長選が行なわれる。
地方自治の基本は地域住民の意思の尊重である。
地域のことは地域が決める。当然のことだ。
名護市長選があるのだから、埋め立て許可の判断は、名護市長選の結果を踏まえるべきことは当然だ。
ところが、仲井真氏の挙動が不審である。
仲井真氏は12月25日に安倍首相と会談し、同日にも、辺野古埋め立て許可を出す可能性がある。
これを実行したら、仲井真氏はおしまいである。
晩節を汚すとはこのことを言う。
★安倍政権は、米国から尻を叩かれ、名護市長選の前に、知事から埋め立て
許可を引き出せと「命令」されている !
安倍政権は、米国から尻を叩かれている。
名護市長選の前に、知事から埋め立て許可を引き出せと「命令」されているのであると思われる。
仲井真弘多氏は、徳洲会問題で揺さぶられているのだろう。
しかし、だからと言って県民に対する、「裏切り行為」が正当化されるわけではない。
最後のカギを握るのは、沖縄県民の行動である。
政府は、法外な沖縄振興策を提示しているが、振興策が実施されるなら、基地建設を認めるというのが沖縄県民の考え方であるのか。沖縄県民の判断が問われることになる。
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