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9月以降、日本の株式暴落の要因は何か ?
最近の日本の株式暴落は、中国問題やVW問題によるドイツの株式暴落に
引きずられたものであり、日本の技術力の正念場だ !
自公政権・NHK等が隠す「失われた20余年」の実態は ?
(blog.goo.ne.jp:2015年9月30日 より抜粋・転載)
◆VW問題はサプライチェーンを破壊する
9月30日 坂口孝則
日本でも同様だが、自動車産業は発展とともに、必然としてその構造における密接性を高めてきた。すなわち、アッセンブリー企業(VW等)とコンポーネンツサプライヤー(部品供給社)との協業した部品開発、共同設計にはじまり、JIT(ジャスト・イン・タイム)といった企業間の生産同期なども進めてきた。
その密接性は、すなわち、リスクの高まりをも意味する。蜜月の関係にあっては、そのアッセンブリー企業の不振をもろに影響を受ける。
例えば1996年と1998年に、米ゼネラル・モーターズ(GM)の不振を受けて、GMのサプライヤーで働く労働者はストライキを実施したが、結果として総計50万人もの人たちが職を失った。
◆「Volkswagen FAST」は加速するか ?
このところVWは「Volkswagen FAST」というプログラムを開始していた。これは、VWグループのサプライチェーン革新のプログラムで、「Future Automotive Supply Tracks」の頭文字をとったものだ。
サプライヤーたちとより密接な関係を構築したり、グループ内で投資案件に優先順位をつけスピーディーな意思決定を行ったりするものだった。
これは、トップサプライヤーとの技術共有やグローバル展開を含む、かなり大掛かりなものだ。
目標としては、VWグループの持つ戦略とサプライヤーの戦略までを調和し、軌を一にする。VWが提示する商品計画に初期段階から携わり、グローバル展開までを高速で回す。
特にグローバル展開を加速するためには、VWだけでは難しく、サプライヤーやサービス供給者との早期段階から協力を仰ぐことが重要となる。
Volkswagen FASTでは、クリーンディーゼルという最強の武器をもつVWグループが、文字どおりFAST=速い経営活動を行うための嚆矢だった。そして、そこに起きたのが、今回の排ガス問題だった。
◆サプライチェーン負の連鎖 !
近代のサプライチェーンは、正の波及効果も大きいものの、負の波及効果も大きい。
多くのプレーヤーが関わるほど、その負の連鎖も大きく長くなっていく。
自動車メーカーは、文字通りアッセンブリー企業だから組み立てしか行っていない。
もちろん開発は担っているものの、生産の観点からはごく一部だ。
その売上高と比べ7〜8割は外部の力に依存している状況だ。
さらに、そのサプライヤーも単独で事業ができるわけではない。
さらに下(ティア3サプライヤー)から部品等供給を受ける。
そしてティア3サプライヤーは、さらに下のサプライヤーへ発注を行う。
このような網の目の状況では、アッセンブリー企業の停滞は、そのまま下部構造へ大影響を与えていく。
前述したようにGMのサプライヤーはかつて50万人もの失業者を生んだ。
VWが、こうならないとも限らない。
私は、VWの事件が発覚してすぐに、VWと関わりのあるメーカー2社にその影響を聞いてみた。2社の反応はほぼおなじだった。
「影響が大きすぎて、まだその全容がつかめずにいる」。
◆進むサプライヤー再編 !
注目すべきは、ディーゼル関連サプライヤーを無用のものにしてしまう可能性だ。
ディーゼル車はもともと燃費の良さを喧伝し市場で勝利してきた。
さらに軽油の方がガソリンより安価で、乗り心地や走行性能にも優れるとされた。
日本ではディーゼル車が環境に優しくないイメージがあったため、本格普及には至らなかったものの、欧州では環境対応と燃費からクリーンディーゼルを選択してきた。
ガソリンエンジンよりもCO2排出量が少なく、かつ欧州メーカーも力を入れていた。
ヨーロッパ圏では、ディーゼル車の普及に向けて多額の補助金が配られ、消費者行動を促した。
これはハイブリッド車への移行や、電気自動車の活用を遅らせてしまう結果となった。
彼らはディーゼルからもっとも多くの利益を稼いでいたが、皮肉な意味で今回の事件が、ヨーロッパ圏の主要自動車をハイブリッド車や電気自動車に転換させるかもしれない。
ヨーロッパ圏では、ディーゼル車が約50%を占める。
よってディーゼル関連のサプライヤーが多い。
それらのサプライヤーや触媒メーカー、VWへパワートレイン部品を供給していたメーカーなどは軒並み株価を下げている。
残念ながら「クリーンディーゼル」が「ダークディーゼル」だったと分かったいま、VWは高い代償を支払うことになるだろう。
本来は、ディーゼルの、かつ一部機種の問題しか明確ではないものの、VWのイメージは低下が避けられない。消費者からの訴訟は想像以上かもしれない。
ただし、冷静に考えると、VWが倒産し霧消することはないだろう(多分)。
台数減少と、それに伴う売上高と利益急落が瞬く間に(“FAST”に)生じる中で、同社はしばらく呻吟する時代が続くかもしれない。
サプライヤーの倒産もあり得る。
しかし、皮肉なことに結果としては、ディーゼル車の問題を受けて、サプライヤー再編が進むだろう。
それは、台数の縮小を前に、サプライヤーを絞らざるを得ないからだ。
◆日本メーカーの代替なるか ?
VWグループの代わりに、日本車が求められることはあるだろうか。
もちろんある。
ただ、著者の経験からすると、ヨーロッパでは日本車を(マツダのような例外を除いて)さほど受け入れる文化がない。
やはり、ヨーロッパ車を中心とした文化のため、たやすくはない。
また、例えば日本車メーカーでもいすゞ自動車がかつて東京都からディフィート・デバイスの使用を指摘されたことがある。
いすゞは、「『排ガスデバイスの保護を目的とした制御』規制には適合、規制逃れの意図はない」としたが、東京都は「反社会的な規制逃れ」と見解を出した。
私はいすゞに関しては、同社の発言通り、悪質な規制逃れの印象はない。
ただし、日本メーカーはこれまで以上に厳格に環境基準クリアをなしとげ、それを環境先進国の商品として地道にアピールしていくほかないだろう。
他社の不幸を利用することはあまり気持ち良いものではないが、いま日本メーカーの実力もまた試されているときだ。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
自公政権・NHK等が隠す
「失われた20余年」の実態 !
「株価」と名目GDPの実態・日本だけの超長期低迷 !
「株価」:@1989年12月末:日経平均:38,915円、米・NYダウ :2753ドル。
A2010年12月末: 日経平均:10,229円(0.26倍)。
米・NYダウ:11,577ドル (4.21倍)
B2013年12月30日:日経平均:16,291円(@の0.42)
米・NYダウ:16,504ドル(@の6倍)
名目GDP:@1991年:日本:467兆円、米国:5,9兆ドル
A 2012年:472.6兆円(@の1.01)、2013年:米:16.7兆ドル(2.83)
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