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集団的自衛権行使で、自衛隊が海外で殺され、市民を殺す !
安倍政権が隠す、戦場のリアリティー安保法制、ドイツ軍が直面した現場、
アフガン「治安維持」派遣で55人死亡 !
自衛隊のリスク増大を隠す、安倍内閣 !
(聞き手:松本一弥『Journalism』編集長) 2015年06月22日より抜粋・転載
伊勢ア賢治・元国連PKO幹部の主張:
新しい安全保障法制が引き起こす事態を戦場のリアリティーとして想定すべきだ
伊勢ア賢治(聞き手:松本一弥『Journalism』編集長)
2015年06月22日
COIN|PKO|ジャーナリズム|戦場のリアリティー|自衛隊
自衛隊の海外での活動が範囲・内容ともに大幅に拡大される !
――安倍政権は、戦後の日本の安全保障政策を大きく転換する法案を今国会中に成立させようとしています。
新たな安全保障法制の関連11法案のうち、「武力攻撃事態法改正案」では、日本が直接攻撃を受けた場合ではなくとも、日本と密接な関係にある他国が攻撃を受け、政府が「日本の存立が脅かされて国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」と判断しさえすれば、海外で武力行使ができるようにしています。
また「国際平和支援法案」では、国会の事前承認があれば、どこでも素早く自衛隊を紛争地に派遣することを可能にする―といった具合に、自衛隊の海外での活動が範囲・内容ともに大幅に拡大される方向です。
安倍首相は、党首討論で「一般に海外派兵は(法改正後も)認められない」と語りましたが、戦後の安保政策の積み重ねを、根底から覆すような、「大改革」であることは間違いありません。
新しいことばや概念が、次々に登場することもあって、国民の間に広範な議論や理解が広がっているとは、到底いえない状態でもあります。
アフリカのシエラレオネや東ティモールでは、国連PKO幹部として現地の武装解除を指揮し、タリバン政権崩壊後のアフガニスタンでは、外務省任命の特別代表として、軍閥たちの武装解除を、直接指揮してこられた、御経験を踏まえ、政権のこうしたやり方をどう考えていますか。
多国籍部隊を発動する集団安全保障の話
伊勢ア: 私はまず、集団的自衛権の行使をめぐる問題ではなく、「国連的措置」と呼びたいと思っている、国連に指揮権があって、多国籍部隊(PKF=国連平和維持軍)を発動する集団安全保障の話からしたいと思います。
PKOの活動については「自衛隊を海外に出すといってもPKOへの国際協力ぐらいなら別に問題ないんじゃないの?」といった受け止め方をしている人が多いように感じます。
しかし、現在のPKOを取り巻く状況は、1990年代に日本がカンボジアに自衛隊を派遣していた時のような牧歌的なものでは、まったくないのだということを、まずは知る必要があります。
冷戦後、世界各地で内戦が多発するようになり、その内戦に対して
国際社会が関与していく事態 !
歴史をひもとくと、「国連PKO」という概念自体が、もともとかなり無理した考え方であって、常にファジーさがつきまとってきたということがいえます。
1945年に国連憲章がつくられた当時、国連がこんな活動を展開することになるということは誰も想定していなかったからです。ところが冷戦が終わってその「たが」が外れた結果、世界各地で内戦が多発するようになり、その内戦に対して国際社会が関与していくという事態になりました。
国連憲章をみると、第6章は「紛争の平和的解決」について定めていて、紛争の当事者に、平和的手段による解決を求めることを義務づけています。
続く、第7章は「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」についての規定で、つまりは、強制措置を伴う内容が書かれている。
国連PKOは、その中間にあるという感じで、正式な名称ではありませんが「6・5章」というふうにとらえられてこれまで運用されてきたのです。
この間、国連法務局の中では「他国の軍隊が彼の地に派遣されて、現地で何か問題を起こした時はどうするのか?」ということがずっと議論されてきました。
軍隊が、国外に出る場合、行動をどの
ようにして律するか ?日本では、未定 !
基本的に、軍人というのは、社会においては、一番殺傷能力のある兵器を独占している人たちですから、特別な法体系で縛らなければいけない―というのは、世界の共通認識なのです。
特にその軍隊が、国外に出る場合、つまり、国内法が働かないところに派遣される場合ですね。
そこでの行動をどのようにして律するかというのは、国連の問題であると同時に国際社会の課題でもあるのですが、日本ではこの問題が、やりすごされてきました。
「国際的に大変な論争の種になりえる、ある矛盾」
――集団的自衛権の行使とPKOをめぐる問題は長い間議論されてきました。朝日新聞は2007年に21本の社説からなる「社説21」を掲載し、憲法9条は変えないまでもPKOの幅をもっと広げていき、日本の国際貢献をもっと前に進めていこうと提言しました。
しかし伊勢アさんは、PKOの活動に関して、日本の自衛隊には「国際的に大変な論争の種になりえる、ある矛盾を抱えたまま海外に派遣され続けているという問題」があると御著書で指摘されていますね(『日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門』、朝日新書)。
伊勢ア それは何かというと、自衛隊は法的には警察組織の延長としてとらえられているため、「軍隊」であれば当然持っていなければならない「軍法」が存在しない―という点なのです。
軍法や軍事法廷を持たない軍が海外の紛争地に派遣されるというのは、実は大変な矛盾と問題を抱えているのですが、これまではその点について現実を踏まえた議論がされてこなかった。
弁護士会・学者・元法制局長官からの批判に耐えつつ、砂川最高裁判決というワラにすがって、必死に泳いでいるところに思わぬ伏兵が現れた。「安倍政権がすがっているそいつはワラだ。溺れて当然」と、当の最高裁の元長官が言明したのだ。このインパクトは大きい。
(参考資料)
安保法制、ドイツ軍が直面した現場、アフガン「治安維持」派遣で55人死亡 !
自衛隊のリスク増大を隠す、安倍内閣 !
アフガニスタンは戦争状態だったが、ドイツはその事実を7年間、公表不可能 !
(datazoo.jp:2015年6月2日より抜粋・転載)
ドイツ・ポツダム郊外には、1993年以降に国外に派遣されて死亡した、ドイツ軍兵士
104人の名前が刻まれた、記憶の森と呼ばれる慰霊碑がある。
★タリバンの攻撃は、民間人に紛れた自爆テロなど予測不可能 !
2001年に同時多発テロへの報復として、アメリカがはじめたアフガニスタン攻撃に、ドイツは集団的自衛権を行使して軍を派遣して攻撃を支援し、2002年からは、ISAF(国際治安支援部隊)に兵士を派遣した。
ドイツ軍の任務は、「治安維持」で、派遣されたのは、比較的治安が良いとされた北部地域が中心だったが、兵士たちは反政府武装組織タリバンの攻撃は、民間人に紛れた自爆テロなど予測不可能だった。
★タリバンの自爆テロに遭い、バスが吹き飛び、ドイツ兵4人が死亡 !
首都カブールや北部でも兵士たちは次々と命の危険に晒された。
アフガニスタンから帰還したマルティン・イェーガーさんは、2003年にカブールで軍のバスを運転していた際に、タリバンの自爆テロに遭った。バスは一瞬で吹き飛んでドイツ兵4人が死亡した。
マルティン・イェーガーさんは画像を見せながら「これはトラウマになった。
同僚の足だと思って拾ったが、後でテロリストの足だと聞かされた。
知ったときは頭がおかしくなりそうだった」と語った。
★アフガニスタンは戦争状態だったが、ドイツはその事実を公表できなかった !
派兵はあくまで治安維持が目的だったが、「治安維持のために派遣されたが大きな
嘘だった。
アフガンでは、戦争が行われていた。
ドイツ兵としてそれを口にすることも許されなかった。
戦争だなんて言ってはいけなかった。黙って働けと。」と現実には違っていたと語り、
憤った。
ISAFの任務終了までにドイツ軍の兵士55人が死亡、うち戦闘や自爆テロでの死亡は
35人にのぼった。
★「戦争状態」と認めたのは、派兵開始から
7年後の2009年になってからだった !
しかしドイツ政府がアフガンを「戦争状態」と認めたのは、派兵開始から7年後の
2009年になってからだった。
ドイツでは批判が高まり、71%が国外派兵に反対している。
一方、日本の国会で行われている安保法制の法案審議では、PKO法を改正し国連の枠組み以外での活動に参加できるようにするほか、パトロールや検問所の監理などの治安維持業務を新たに自衛隊の任務に加えようとしているが、質疑では咬み合わない答弁も見られる。
安倍首相は「日本が独自に定めているPKO5原則に照らせばアフガニスタンの状況は一般に想定されない」と答えるにとどまった。
しかし、今回の法案では、紛争当事者が存在しなくなった場合も自衛隊派遣を可能にする条文も含まれていて、今後の審議も注目される。
2015年6月2日放送 23:16 - 23:22 TBS
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