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「積極的平和、沖縄から提案を」! ガルトゥング博士が講演 !
安倍政権の「積極的平和主義」は「概念の盗用」だ !
来日の目的は、真の「積極的平和」を基とした3つの提言をすることだった !
平和学の世界的権威の主張は ?
T 沖縄県で、ガルトゥング博士が講演
(news.goo.ne.jp : 2015年 08月23日:朝日新聞より抜粋・転載)
「積極的平和、沖縄から提案を」 ガルトゥング氏が講演
(朝日新聞)
ノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング博士(84)が22日、沖縄県浦添市で講演し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の県内移設計画に関連し、「政府が嫌がるのは、『積極的平和』の考えに基づく新たな提案を沖縄側からすることだ」と述べた。
博士は、貧困や差別といった構造的な暴力のない状態を「積極的平和」と定義している。
移設計画について、「日米両政府が進める『プランA』(第一案)は、東京やワシントンから遠いところに軍事基地を置こうとするもの。
軍拡は他国を刺激し、戦争につながる可能性もある。
積極的平和を通じた『プランB』(別の提案)が大事だ」と訴えた。
U ガルトゥング博士の来日目的は真の「積極的平和」を基とした
3つの提言をすることだった !
(www.huffingtonpost.jp: 2015年08月25日 より抜粋・転載)
☆安倍政権の「積極的平和主義」は 「概念の盗用」だ !
戦後70年、安保法案が国会通過をしようとしている、8月19日から8月22日の3泊4日の日程で、「積極的平和」の提唱者であり、平和学の世界的権威であるヨハン・ガルトゥング博士来日ツアーを企画したものとして、伝えなければならないことがあります。
多くのメディアが、私が来日前に書いた記事のタイトルに倣うように、ガルトゥング博士が、安倍政権の「積極的平和主義」は「概念の盗用」だと発言したことを強調して報道していますが、彼の来日目的が「私が正しい」「本家だ」とわざわざヨーロッパから言いに来たのではないということを説明させてください。
☆安倍政権の「積極的平和主義」は、 軍事をベースとしているから、「誤用だ」 !
来日前に「盗用だ」とおっしゃたことは事実ですし、インタビュー等で実際に安倍政権の「積極的平和主義」は、軍事をベースとしており「私の提唱する積極的平和とは全く異なる考えだ。平和の要素が全くない」「誤用だ」とはっきりと明言されていたことも事実です。
☆本来の「積極的平和」の概念にもとづいた、 日本へ提言をするために来日した !
しかしこれを伝えることがガルトゥング博士の来日の主目的ではありませんでした。
本当の来日目的は、本来の「積極的平和」の概念にもとづいた日本への提言をするためだったのです。
「なぜ私が世界中から招かれるかというと、それは私が何かに声高に反対する意見を持っているからではなく、提案を持っているからなんだ」
「日本には、平和運動(Movement)がない。あるのは反応(Reaction)だけだ。憲法9条を安眠枕に寝続けている。起きて未来に向けてクリエイティブに何ができるのか、右派左派を超えて考えねばならない」
☆政府が恐れるのは、反対ではなく代替案を国民が出してくることだ !
「日本には、何かに反対するムードで覆っている。政府が恐れるのは、反対ではなく代替案を国民が出してくることだ」
このように語ったガルトゥング博士が提案する安保法案に替わる「積極的平和」に基づいた代替案は以下の3つでした。
1.北東アジア共同体を構築すること
中国、台湾、北朝鮮、韓国、極東ロシア、そして日本が公正で共感を持って参加する北東アジア共同体(NEAC)を構築すること。沖縄を特別県としてNEACの本部を置く。
6ヶ国から始まった欧州共同体(EC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)から学ぶことが出来る。米国との関係は、良好なままを保つこと。
2.専守防衛に徹すること
集団的自衛権ではなく専守防衛を提案する。敵地攻撃能力のある武器ではなく、防衛のために短距離な武器を所有する。
沿岸を防衛するために、自衛隊だけではなく民兵にも役割を求める。
スイスをモデルに日本が占領された場合にどのように市民が抵抗するかということも準備する。
例えば日中が抱えている尖閣諸島(中国名釣魚島)の解決方法としては、共同管理を提案する。日中がそれぞれ40%ずつの権益を分けあい、残りの20%をNEACか周辺の環境整備のために使う。中国の40%のうちの5%を台湾に渡してもいい。分け方はいろいろ考えられる。
3.憲法9条1項を世界のために活用を働きかける !
憲法9条1項を日本のためだけではなく世界に広げること。
世界で最も好戦的な国はある調査によるとアメリカ、イスラエル、英国だが、彼らの憲法に日本の憲法9条1項を盛り込むように働きかける。
日本はアメリカの従属国でなく、このような平和貢献の分野において世界のリーダーとなることができる。
8月19日の田原総一朗さんとの対談イベントには、300名。8月21日の横浜市大さん橋ホールでの講演ワークショップには400名が詰めかけました。
この2つのイベント以外には、数多くのプレスインタビューをこなし、安倍昭恵夫人との対談、鳩山元総理との面会などもありました。
(参考資料)
平和学でいう「積極的平和」とは ?
(www.transcendjapan.net/より抜粋・転載)
平和学でいう「積極的平和」とは、戦争や内戦などの直接的暴力、経済的搾取などの構造的暴力、それらを肯定しようとする選民思想などの文化的暴力のようなあらゆる暴力を世界からなくしていく努力の中で、さらに一歩を進め、単にそれらの暴力をなくすだけでなく、対話や協力など何か積極的なものを新たに創造していくことを意味します。
もちろんこれは、非暴力的な手段によって達成されなくてはなりません。
トランセンド国際の共同代表で、平和学の創設世代の一人であるガルトゥング博士が、「積極的平和」の概念を提言したのは、1969年の論文「暴力、平和と平和研究」("Journal of Peace Research" Vol.6, No.3)においてでした。
戦争(直接的暴力)の無い状態が平和、と当然に解されていた時代にあって、飢餓や抑圧、差別などの「構造的暴力」も平和研究の対象として設定し、それらの克服された社会的正義としての状態を「積極的平和」と位置づけることを提唱しました。
もちろんそうすると、平和学の研究範囲は果てしなく拡がるように見え、当時は大きな論議を呼びましたが、「直接的暴力」も「構造的暴力」もともに無い状態を「積極的平和」とする考え方は、その後広く意識されるようになりました。
1981年には、世界各地の文化圏での「平和」の概念の比較検討に関する論文「社会的な観念と平和の概念」(JPR Vol.18, No.2)を発表しました。
積極的平和」の概念は、『構造的暴力と平和』(高柳・塩屋・酒井 共訳、1991年刊)の翻訳書で、日本国内でも多くの人々に本格的に知られるようになりました。
1990年に、ガルトゥング博士はさらに、既存の思想やイデオロギー、宗教、神話などの一部に含まれている、選民思想や自民族中心的・差別的な考え方のように、「直接的暴力」「構造的暴力」を正当化したりやむを得ないものとしたりする考え方を、「文化的暴力」と呼び(論文「文化的暴力」JPR Vol.27, No,3, 1990)、暴力の概念をさらに拡大することを提唱しました。
そして「文化的暴力」の克服された状態を「文化的平和」と定義しました。
2007年に、ガルトゥング博士がこれらの様々な概念を改めて整理し直したものが、次の表(省略)です。
ここでは、「積極的平和」が、協力、衡平・平等、平和の文化・対話などの存在する状態として、新たに紹介されています。
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