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翁長知事の基地建設阻止行動が「ゆるい」、その深層は ?
知事権限を全部活用し、一切の妥協、裏取引を排除、全身全霊で取り組んで、
初めて活路が開ける !
菅官房長官が『沖縄タイムス』『琉球新報』と“懐柔密会”」のスクープ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2015/07/07より抜粋・転載)
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1)後援会長:翁長氏の公約は、「辺野古に基地を
造らせない」でなく、「移設反対」だ !
7月5日付日本経済新聞朝刊に驚くべき記事が掲載された。
『日曜に考える』「政府・沖縄 対立深まる基地問題」と題する特集記事のなかで、宮城篤実前沖縄県嘉手納町町へのインタビュー内容が掲載された。
同紙によると、宮城氏は沖縄県嘉手納町町を20年務めた人物で、翁長雄志知事の後援会長を務めているという。驚くべき内容とは何か。それは、「移設反対が知事の公約」というものだ。
これが事実だとすれば、沖縄県民はオール沖縄で騙されたということになる。
沖縄県民が理解した翁長雄志氏の選挙公約は、「辺野古に基地を造らせない」であったはずだし、いまもそのはずだ。
2)「辺野古に基地を造らせない」と「移設に反対する」はまったく違う !
「辺野古に基地を造らせない」と「移設に反対する」はまったく違う。似ても似つかない。
「戦争をさせない」と「戦争に反対する」がまったく違うのと同じだ。戦争が起きてしまえば「戦争に反対する」は意味を失う。
宮城篤実氏は翁長雄志氏本人ではないが、翁長氏の後援会長であるとされている。
翁長氏の考えを代弁していると見るのが適正だろう。
このインタビュー記事を見て、翁長雄志氏の「辺野古に基地を造らせない」という公約に向けての行動が、あまりにも「ゆるい」、「ぬるい」、「おそい」理由が明確に浮かび上がった。
3)翁長氏は「辺野古に基地を造らせない」・公約を闇に葬るのか?
つまり、翁長氏は「辺野古に基地を造らせない」ことを公約を闇に葬り去ろうとしているのではないか。
これを、「移設に反対する」に「すり替え」ようとしているのではないか。
何が目的か。宮城氏の言葉のなかに明白な回答が含まれていた。
「日本国民全体として判断して沖縄に『この程度は何とかしてほしい。その負担に応えて支援をしましょう』ということで、何らかの妥協点が示されるならば、基地をゼロにしろと言うつもりはない」
これこそが、「移設に反対する」理由なのだと考えらえる。
4)何らかの妥協点が示されるならば、基地をゼロにしろとは言わない !
翁長氏は「移設に反対する」ことによって、「辺野古に基地を造らせない」という公約をうやむやにする考えを有していると推察せざるを得ない。宮城氏はインタビューではっきりと述べた。
「辺野古への移設を阻止できると思いますか」の質問に対して、宮城氏はこう答えている。
「相手は国家権力だ。辺野古での工事が完了し、日米で使用を開始するとなったときにそれを止める方法は県にはない。
しかし、それで翁長知事が負けたことにはなるとは思わない。
知事は、権限の範囲内で精いっぱいやればよい」宮城氏の言葉が示すのは、翁長氏が「移設に反対した」アリバイを残すなら、「辺野古に基地を造らせない」という公約を実現できなくても、責任を回避できる、という狡猾な逃げ道である。
5)翁長氏が「移設に反対した」アリバイを残す
なら、公約未実現でも責任回避できる考え !
沖縄県知事選の段階から、「辺野古に基地を造らせない」ことを実現するには、まず、「埋め立て承認の撤回」、および「取り消し」に邁進するしかないことを訴え続けた。
だからこそ、知事選に際しては、「埋め立て承認の撤回または取消」の確約が必要不可欠であると主張し続けた。
この要請を拒絶し続けたのが翁長雄志氏である。次の場面をもう一度よく確認する必要がある。
2014年10月9日付ブログ記事、「沖縄の主権者必見「翁長雄志氏出馬表明会見」」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-004e.html、に掲載した、翁長氏の知事選出馬会見の模様である。
確認が必要な場面は、動画映像、https://www.youtube.com/watch?v=aZEIXJRXFiY#t=421
の4分45秒〜6分45秒の部分。
6)埋め立て承認の撤回ないし取り消しの公約を
指摘した記者に、逆ギレした翁長氏 !
埋め立て承認の撤回ないし取り消しを公約として掲げなければ公約実現の実効性が担保されないことを指摘する新聞記者に翁長氏が逆ギレして記者を罵倒した場面だ。
翁長氏の支援者も一体となって、最重要の指摘をする記者を攻撃した。
埋め立て承認の撤回ないし取り消しを公約として掲げなければ公約実現の実効性が担保されないことを指摘する新聞記者に翁長氏が逆ギレして記者を罵倒した場面だ。
翁長氏の支援者も一体となって、最重要の指摘をする記者を攻撃した。
ここには、反対意見に耳を傾けるという民主主義の基本姿勢がなかった。
「辺野古に基地を造らせない」の公約を実現するには、埋め立て承認をまず撤回し、その後、法的な瑕疵についての検証を進めて埋め立て承認を取り消しする必要がある。
埋め立て承認の取消後は、国と法廷闘争を繰り広げねばならない。
7)国と対立することなくして、「辺野古に基地を造らせない」の公約実現は不可能 !
国と対立することなくして、「辺野古に基地を造らせない」の公約を実現することは不可能だ。
工事が強行されているから、埋め立て承認の撤回、取り消しに進むことについて、一刻の猶予もない。
宮城氏が指摘するように、「相手は国家権力」だから、「辺野古に基地を造らせない」の公約を実現することは容易ではない。
しかし、だからこそ、辺野古海岸んキャンプでは、この思いを実現するために、多くの人々が、文字通り、体を張って行動を続けているのである。
8)知事権限を全部活用し、一切の妥協、
裏取引を排除、全身全霊で取り組んで、初めて活路が開ける !
知事が知事権限をすべて活用し、一切の妥協、裏取引を排除して、全身全霊で取り組んで、初めて活路が開けるのである。
これに対して、翁長氏の行動はあまりにも「ゆるく」、「ぬるく」、「遅い」のである。
初めから、「相手は国家権力だから、「辺野古に基地を造らせない」ことなど実現不可能である。
「移設反対」を精一杯唱えれば負けたことにならない」と言っていいるなら、もとより「辺野古に基地を造らせない」などと発言するべきでない。
「辺野古に基地を造らせないことを希望するが、どうしても造るというなら沖縄への予算配分を拡充して欲しい」と言うべきである。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
1)菅官房長官が『沖縄タイムス』『琉球新報』と“懐柔密会”」のスクープ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2015/07/05より抜粋・転載)
写真誌「フライデー」(講談社)の6月26日号に、「スクープ撮影、 菅官房長官が『沖縄タイムス』『琉球新報』と“懐柔密会”」というタイトル記事が掲載された。
「6月8日夜、「都内超一流ホテルのロビー階にあるバーの個室」で、菅氏と「沖縄タイムス、琉球新報の幹部」が、「2時間以上」会談した。
前の週に官房長官サイドから「地元紙との懇親をはかりたい」との打診があり、「場所等は、官邸側で準備した」」という内容の記事だった。
2月や3月に主張した、「翁長雄志知事は即刻、許可を取り消すべきだ」
「翁長知事には速やかに知事権限を行使してもらいたい」の主張を、なぜ、しつこく提示し続けないのか。「翁長タブー」という言葉がある。
2)「翁長知事には速やかに知事権限を行使してもらいたい」との主張を、
何回も報道しない、「翁長タブー」 !
「オール沖縄」で翁長雄志氏を知事に選出したのだから、翁長氏に対する厳しい提言は、
「タブー」であるという言葉だ。これは間違っている。
翁長氏は民意を負託された立場なのであって、独裁者に選出されたわけではないからである。
翁長氏は県民に約束した公約を誠実に実行する責務を負っている。
翁長氏の行動が、その公約に対する誠実さを疑わせるものである場合には、主権者である県民は、翁長氏に対して、その疑義をぶつける正当性を有する。
選挙の際に翁長氏を支援した各政治勢力も翁長氏と連帯責任を負う。
3)支援した勢力は、翁長氏に対する厳しい要請を明示する責務を負う !
主権者である県民の意思を、誠実に反映させる行動を、翁長氏が示さぬ場合には、翁長氏に対する厳しい要請を明示する責務を負うのである。
7月に検証委員会が検証結果を翁長氏に提示するとされているが、この検証結果取りまとめの公表についても、透明性を確保することが必要不可欠だ。
4)検証委員会と翁長県知事の記者会見も行われるべきだ !
検証結果は、公の場で翁長氏に手渡されるべきであるし、同時に、検証委員会と県知事の記者会見も行われるべきである。
翁長氏の知事選公約の核心は、「辺野古に基地を造らせない」というものである。
この公約にかかる検証委の検証結果取りまとめ、及び、その公表は、すべての県民の前で、透明に行なわれる必要があるからだ。
琉球新報、沖縄タイムスは、権力に迎合することなく、沖縄の主権者の側に立つ中立、公正な報道を展開し続ける必要がある。
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