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元防衛官僚が、集団的自衛権行使容認を 「いい加減」と批判 !
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/4132.html
投稿者 青木吉太郎 日時 2015 年 5 月 28 日 18:11:20: jobfXtD4sqUBk
 


安倍首相の元参謀役の柳澤協二氏が 集団的自衛権行使容認を「いい加減」と批判 !



(news.livedoor.com : 2015年3月16日 より抜粋・転載)

◆不明瞭な政策目標のために、自衛隊員の命を危険にさらしていいのかと疑問視 !

ざっくり言うと、安倍首相の元参謀役だった柳澤協二氏が、首相の無知を批判している。
集団的自衛権の行使容認で防衛費増強が必要だが、財政的裏付けがないと指摘。

不明瞭な政策目標のために、自衛隊員の命を危険にさらしていいのかと疑問視。

防衛官僚出身、安倍官邸の元参謀役が、安倍首相の無知を批判 !

集団的自衛権は、コスパ(*)が悪い。

*コスパとはコストパフォーマンスの略で、価格と価値(費用と効果)を対比させた度合いのことで、価格(費用)に対して価値(効果)が高い場合「コスパが良い(高い)」、逆の場合は「コスパが悪い(低い)」という。コスパは、さまざまな業界・企業で使われるが、一般消費者の使用という点では化粧品とPCパーツ業界での使用が多い。

2015年3月16日 20時30分 LITERA(リテラ)

防衛省・自衛隊60周年記念航空観閲式での安倍首相の訓示(首相官邸HP「政府インターネットTV」より)


◆「戦争のできる」国づくりへひた走る安倍晋三首相 !

 積極的平和主義などと称して「戦争のできる」国づくりへひた走る安倍晋三首相にとって、この人ほど"いなくなって欲しい"目の上のタンコブはいないだろう。

柳澤協二氏、68歳。東大法学部卒で1970年に防衛庁(当時)入庁。審議官、局長、官房長などを歴任し、2004年4月から約5年半、小泉→安倍→麻生と3代の政権に渡って危機管理・安全保障担当の内閣官房副長官補として官邸の参謀役を務めたバリバリの元防衛官僚だ。

この間に自衛隊のインド洋海上補給支援活動やイラク派遣などの立案にも携わった。テロと戦争のプロである。

◆元防衛官僚・柳澤氏:『亡国の安保政策――安倍政権と「積極的平和主義」の罠』


 そんな"左翼ではない"(というか身内だった)柳澤氏が、安倍政権の安保政策を徹底批判しているのだ。昨年4月に『亡国の安保政策――安倍政権と「積極的平和主義」の罠』(岩波書店)を出版したのを皮切りに、新聞・雑誌等のインタビューやテレビ出演はもちろん、全国各地を回っての講演会を精力的にこなしている。動機は、「かつて政府の中枢にいた人間の使命として、『おかしい』と思ったことは国民に伝えなければならない」からだという。今年1月には新著『亡国の集団的自衛権』(集英社新書)を出したばかりだ。


◆安倍首相の「積極的平和主義」は、「空想的平和主義」だ !

 長年、日本の防衛の最前線で実務を担ってきた人だけに、その筆致は、冷徹で異論を挟む余地がない。これを読むと、いま国会や与党協議で議論されている防衛論がいかに机上の空論であり、安倍首相の言う「積極的平和主義」が「空想的平和主義」なのかがよくわかる。


◆自衛隊に、一体どれくらいの兵力が必要なのかの議論がまったくない !

 例えば、集団的自衛権が必要な根拠として、同盟国であるアメリカと中国の間で軍事衝突が起きたとき、中国に奇襲された米軍の艦艇を自衛隊が守らなくていいのかという主張があるが、そのためにいったいどれくらいの兵力が必要なのかの議論がまったくない。

 柳澤氏の分析では、現状の4個護衛隊群では全然足りず、最低あと2個護衛隊群が必要となり、西太平洋までの距離の長さを考えれば、ミサイルや弾薬の備蓄もいまの数倍に増やさなければならないという。


◆外国にいる、米軍を守るため自衛隊が出動したら、肝心の日本の防衛が手薄になる !

 さらに言えば、アメリカの船を守るために自衛隊を出したら、肝心の日本の防衛が手薄になり、その分の補強も必要になる。いずれにせよ、大規模な軍備の増強と防衛費の増加が想定されるわけだが、財政的裏づけに関する話がいっさいない。

ちなみに、備蓄増が必要な迎撃ミサイルだけでも1発数千万円もする。安倍首相は、集団的自衛権行使を認めればカネが湧いて出てくるとでも思っているのだろうか。


◆安倍首相は、日米の軍事力に大きな差があることすら理解していない !

 安倍首相は、日米の軍事力に差があることすら理解していないフシがある。

日本政府が現行法では対処できないとして挙げた15の事例のひとつに「米国に向け我が国上空を横切る弾道ミサイルの迎撃」というのがある。よく話題になるので知っている人も多いと思うが、迎撃は物理的に不可能なのだ。

北朝鮮からアメリカ本土に向かう長距離ミサイルを探知して弾道を計算できるころには、弾頭はすでにかなりの高度と速度に達している。これを弾頭より速度が遅く、到達高度も低い迎撃ミサイルで撃ち落とすことは、誰が考えても無理だと分かる。


◆イージス艦は、日本は6隻だが、米国には30隻以上もある !

 そこで、いつのまにか話はグアムやハワイに向かうミサイルにすり替わった。ミサイル対処可能なイージス艦を使えば、技術的に撃ち落とすことは不可能ではないらしい。

ところが、このイージス艦は日本には6隻しかなく、アメリカには30隻以上もある。北朝鮮がグアムやハワイにミサイルを撃ち込む事態というのは、当然、日本も安全ではない。

そんなときに、なけなしの日本のイージス艦をグアムやハワイの近海に持っていくより、日本の船は日本の防衛に使って、グアム、ハワイはアメリカが自分で守るというほうが自然だろう。

 実際、柳澤氏の実務経験からしても、アメリカは米軍の艦船を「日本に守ってもらう」などということはまったく想定していない。

日米の軍事力には大きな「差」があり、当然、アメリカのほうが上なのだ。そこで、同盟国としての日本が求められる最重要事項が何かといえば、アジアにおける前線拠点である「日本」を日本自身が守るということだけだ。

自国の国土を守るという点においては、専守防衛を旨としてきた自衛隊は世界でも屈指の能力を備えているというのである。


◆在日米軍の方が自衛隊よりはるかに多くの弾薬を持っている !

 似たような話で、集団的自衛権がなければ、米軍の後方支援で弾薬の提供ができないではないかという主張もあるが、そもそも在日米軍の方が自衛隊よりはるかに多くの弾薬を持っているため、日本から提供する必要はない。考えれば分かることだ。

 要は、安倍首相の頭の中には自衛隊の兵力、装備、能力といった情報がほとんどインプットされていないようなのだ。だから、NHKのテレビで「人質救出に自衛隊を」などと、当の自衛隊がビックリするようなことを言ってしまう。

安倍首相は法律を変えれば自衛隊がテロリストから人質を救出できるとでも思っているのだろうか。
米軍特殊部隊が何度も失敗したオペレーションが、法律を変えるだけで成功すると思っているのだろうか。


◆安倍首相は、集団的自衛権などなくても 情報共有できる事すら知らない !

 安倍首相は「集団的自衛権があれば米軍と情報交換できるようになる」というメリットを挙げているが、これも現状認識ができていない。

なぜなら、日本政府の見解では「『何度何分に向かって撃て』というような具体的な攻撃指示につながる情報は、武力行使と一体化するが、敵機の位置情報を含め、単なる情報の共有であれば(撃つ撃たないという判断をするわけではないので)、憲法には抵触しない」となっている。

つまり、集団的自衛権などなくても情報共有できるのだ。
現に、自衛隊の艦艇や航空機はすでにアメリカの戦略ネットワークに完全に組み込まれていて、戦術情報の共有は日常的に行われているという。安倍首相は、こんなことすら知らずに安保法制に手をつけようとしているのだ。


◆柳澤氏の憤りの原点は、こうした安倍政権の「いい加減さ」にある !


 本来、徹底的にリアルで現実的でなければならない安保政策が「アメリカを助けなければ日米同盟は崩壊する」「他国がやれることを日本がやれなくていいのか」といった抽象的かつ情緒的な、理屈にもなっていない理屈で決定しようとしていることが問題だという。

 そこには軍事的常識からも戦略的考察からも整合性がなく、真の政策目標がどこにあるかもわからない。

何のため、どんな目的を達成するために集団的自衛権が必要なのかもわからない。そんな曖昧なことのために自衛隊員の命を危険にさらしていいのか、ということだ。

 それにしても、いったいなぜ、安倍首相は、国民や自衛隊を危機にさらしてまで、集団的自衛権を強行し、こんな非現実的な安保政策を推し進めようとしているのか。柳澤氏はそれについても驚くべき分析をしている。その点については後編で紹介しよう。

(野尻民夫)

 

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