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安倍政権の本音は、大衆が地獄へ進むには、「この道しかない」だ !
安倍政権の成長戦略は、大資本が大衆からの収奪を促進する策だ !
TPP交渉差止を求め、憲法違反を提訴する
TPP参加の本質をインペイするマスコミ !
安倍政権のTPP交渉は、自民党の公約に反する !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2015/01/14より抜粋・転載)
1) 米国有力者断言、2月末にTPP大筋合意見通し
TPPについて、ロイターが次のように伝えている。
米上院共和党ナンバー2のコーニン院内幹事は13日、環太平洋連携協定(TPP)についてフロマン米通商代表は、2カ月以内に交渉を妥結させる意向だと記者団に語った。
TPP交渉に参加する日米など12カ国は、2月末にも閣僚会合を開く方向で検討しており、米政府は、その場での大筋合意を探る見通しであることが伝えられている。
TPPは、いま日本が直面している最重要政治課題のひとつである。
原発、憲法、消費税、TPP、基地、格差の六つを私は六大問題と呼んでいるが、TPPもそのひとつである。
TPPは、内容が複雑で、また、未来の事象であるため、主権者においては重要問題としての受け止め方が希薄だが、極めて重大な問題である。
2) TPP参加で、日本の諸制度が改悪される !
日本の諸制度、諸規制の根本がTPPによって塗り替えられ、日本社会が根底から変質させられてしまう、インパクトを持つ制度変更になる。
内容が多岐にわたり、TPPによってもたらされる重大な変化がまったく十分に伝えられていないから、主権者が問題を正しく認識していない。ここに大きな問題がある。
その背景には、政治権力と結託するマスメディアが、問題の本質を意図的に伝えようとしない姿勢を保持していることがある。
人々に詳細な事実を伝えれば、反対論が沸騰する。だから、詳細な事実を伝えない。
この姿勢が取られているのである。
3) TPP参加の本質をインペイするマスコミ
佐賀県知事選で安倍政権推薦候補が惨敗した。
このことについて、甘利明経済再生・TPP担当相が、「政策は支持されたが、候補者が支持されなかった」と述べたことが報じられているが、選挙の分析もなく、根拠もなく、こうしたコメントを発すること自体が、信頼を失わせる原因になる。
佐賀知事選では、政策も、候補者も、支持されなかったのだ。
安倍政権は佐賀知事選に総力戦で対応した。
4) 安倍政権のTPPと農協潰しの政策が佐賀県で惨敗 !
対立候補者の出馬表明は、12月半ばである。
まったくの無名候補が、安倍自公政権の全面支援する候補者を惨敗させた。
安倍晋三官邸の衝撃は、計り知れない。
最大の争点になったのは、TPPと農協潰しの政策である。
佐賀県民は、安倍政権が上から押さえつけるTPP推進、農協潰しの政策強行姿勢に反発したのである。
5) 自公政権の弱肉強食推進の「政策」が不支持 !
ハゲタカ資本、ハイエナ資本と結託する、弱肉強食推進の「政策」が不支持の対象になった。
甘利明氏は、現実がまったく見えていないか、大ウソつきであるかのいずれかである。
日本の主権者はTPPの重大性を正しく認識して、日本のTPP参加を確実に
阻止しなければならない。
原発や憲法の問題と同様に、日本の命運を分かつ重大問題である。
TPP参加を阻止して、日本をハゲタカ、ハイエナ、シロアリから守らなければならない。
自民党は、2012年12月の総選挙で、TPPについて6項目の公約を明示している。
民主主義政治である以上、この「公約の遵守」が求められる。
公約は、自民党の広報文書に明記されている。http://goo.gl/Hk4Alg
6) 安倍政権のTPP交渉は、この自民党の公約に反する !
6項目の公約について、自民党広報は次のように記述している。
わが党は、TPP交渉参加の判断基準を明確に示します。
TPP交渉参加の判断基準
@ 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
A 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
B 国民皆保険制度を守る。
C 食の安全安心の基準を守る。
D 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
E 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
これが安倍自民党の選挙公約なのだ。
ところが、安倍政権が、いま進めているTPP交渉は、明らかにこの公約に反するものである。
日本のTPP参加は、この公約がある限り、許されるものでない。
7) TPPは、強欲大資本のための枠組みだ !
1月24日には東京・秋葉原で「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」総会が開催される。
http://goo.gl/eNhKDD
主権者が1人でも多く、この会に参集し、日本のTPP参加を、阻止しなければならない。
TPPとは、ハゲタカ資本が日本を収奪するために仕組んだ、強欲資本の強欲資本による強欲資本のための枠組みである。
ハゲタカ資本は、日本の強欲資本=ハイエナ資本を賛同勢力に巻き込み、ここにシロアリ官僚を引き込んで、日本のTPP参加を強制しようとしている。
安倍政権の経済政策は、明瞭に「弱肉強食」の方針を示しているが、「弱肉強食」とは、「大資本」を栄えさせる政策路線のことである。
「大資本」が、利潤を獲得する源泉は「大衆」である。
「大衆」から収奪して、利潤を獲得するのである。
8) 安倍政権の成長戦略は、大資本が大衆からの収奪を促進する策だ !
このための政策が「成長戦略」と呼ばれるものである。
安倍政権は「成長戦略」の看板を掲げるが、その内容は五つから構成されている。
農業の自由化、医療の自由化、解雇の自由化、経済特区の創設、法人税減税である。
これらのすべてが、大資本の利潤拡大を目指すものであり、同時に、大衆からの収奪を意味する。
そして、この「成長戦略」と表裏一体をなしているのが日本のTPP参加である。
農業の自由化とは、ハゲタカ資本に日本農業を占領させることを推進することである。
日本農業の一部は、国際競争力を持つ。
安全な農産物、高級な農産物は、国際価格競争力を持つ。
9)農業の自由化の狙いは、大資本が日本農業を収奪する事 !
ハゲタカ資本に、日本農業を収奪されることが、目論まれている。
しかし、これと並行して、大半の日本農業が切り棄てられることになる。
収奪農業は、収奪を終えれば、日本を捨て去る。
再生産可能な農業ではなく、大地からの収奪を基本とする農業には、多面的な機能がない。
利潤を追求するためだけの農業であり、収奪を終えれば、ハゲタカ資本は、不毛になった土地を捨て去るだけである。
TPP参加で食の安心・安全は、確保できなくなる。
地産地消の地域農業は、日本から完全に姿を消すことになるだろう。
10) 「医療の自由化」の狙いは、庶民は、貧困な医療にする事だ !
医療の自由化とは、医療の価格規制を取り払い、医療に貧富の格差を持ち込む政策である。
医療の価格は跳ね上がり、保険医療がカバーしない医療が急拡大する。
「成長」とは「売上の増加」であり、「売上の増加」とは「価格の高騰」のことである。
法外な医療費が出現し、これを民間医療保険がカバーすることになる。
法外に高い、民間医療保険に加入できるのは富裕層に限られることになる。
公的医療保険にしか加入できない一般庶民は、貧困な医療しか受けられない状況が到来することは明白だ。
11)「医療の自由化」で医療関係者は、利潤追求に突進 !
医療産業関係者は、悪魔の誘惑に誘い込まれることになる。
医療産業関係者は、「医は仁術」の考えを捨てて、利潤追求に突進することになるだろう。
医療費が跳ね上がり、医療が最大の貧富の格差産業になってしまっても、自分の収入が増えるなら、それで構わないと考える者が続出すると考えられるからだ。
平等社会と格差社会を隔てる最大の壁は、医療の平等が実現しているかどうかにかかる。
日本が共生社会を捨てて、完全なる、「弱肉強食社会」に移行することになる。
12)安倍・成長戦略は、強欲資本が栄え、大衆が滅びる政策だ !
強欲資本が栄え、大衆が滅びる社会とは、資本による労働からの収奪を極める社会である。
いま、安倍政権が推進している政策は、そのすべてが、この路線に乗るものである。
インフレ誘導もそのひとつだ。
インフレ誘導は、そもそも、実質賃金を引き下げるための方策として提唱されたものである。
さらに、残業代不払い制度の導入、最低賃金制度の撤廃、正規雇用の圧縮、生涯派遣労働の推進、外国人労働力の導入など、同じ方向を目指す政策のオンパレードである。
13)安倍政権の本音は、大衆が地獄へ進むには、「この道しかない」だ !
労働からの収奪を強めることによって、強欲資本は、自己増殖を続けるのである。
庶民の消費税負担を激増させて、大資本の税負担をさらに軽減する。
こうした施策を法改正を伴わずに、なし崩しで強行実施してしまおうというのが「経済特区」の導入なのである。日本はいま、地獄に進む道をひた走っている。
「この道しかない」の前に言葉が省略されている。
それは、「地獄に進むには」という言葉である。
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