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安倍政権の消費税大増税により、日本経済が撃墜 !
腐敗マスコミが指摘しない景気後退局面 !
財務省は、天下り利権を「急膨張」して、増税実施 !
消費税増税が、社会保障拡充に用いられていない !
安倍政権は、債務とほぼ同額の資産がある事をインペイ !
米国債を売却して、
巨大損失を回収すべきだ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2015/01/07より抜粋・転載)
1)安倍政権の暴政、猛威は改革本販売にも圧力
拙著『日本の奈落』(ビジネス社)に対するアマゾン社の販売拒絶が続いている。
安倍政権にとって、知られたくない真実が盛り込まれているからだと思われる。
紀伊國屋ウェブショップでは、取り扱いが行われているので、ご購読希望の方は、紀伊國屋ウェブショップでの入手をお願いしたい。
http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784828417752
中国で人権活動家の活動が、さまざまな形で制約を受けているが、日本も大差がないということだ。
安倍政権の暴政、猛威はとどまるところを知らないようである。
年初来、日本株価が、低調な推移を示しているが、腐敗したメディアは、その原因が、日本自身にあることを一切指摘しない。
2)腐敗マスコミが指摘しない景気後退局面 !
日本経済は2014年1月を境に景気後退局面に移行している。
年率換算の実質GDP成長率は、2014年4−6月期が −6.7%、2014年7−9月期が −1.9%、日本経済がリセッション=景気後退に移行したことがGDP統計にも鮮明に示されている。
何度か指摘してきたが、鉱工業製品在庫率指数の推移を見ても、日本経済が景気後退局面に移行していることは明白である。
ところが、NHKは、「緩やかな景気回復が持続」との大本営報道を繰り返している。
株価が、500円下落して、これを報道する際も、「規制改革がカギ」などを強調し、安倍政権の太鼓持ち、茶坊主に徹している。
3)NHKは、安倍政権迎合報道一直線 !
NHKの経営委員会を、茶坊主に占拠させたことの当然の帰結でもあるが、その劣化ぶりは、目を覆うばかりである。
ビジネス社から上梓した著書は、『日本の奈落』が第三作である。
TRIレポートと読んでいる会員制レポート『金利・為替・株価特報』http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html:の年次版として、2013年版から刊行を開始した。
2013年版『金利・為替・株価大躍動』2014年版『日本経済撃墜』に続くで、第三作が、2015年版『日本の奈落』である。
2013年版では、安倍政権の経済政策で、日経平均株価が16000円まで上昇する予測を示した。
『金利・為替・株価特報』では、2012年11月に、すでに、政治の転換による、円安・株高への転換を予測していた。
その直後に、解散・総選挙が挙行され、急激な円安と急激な日本株高が生じたのである。
4)消費税大増税により、日本経済が撃墜 !
2014年版では、安倍政権の消費税大増税により、日本経済が撃墜されることを予測して記述した。
2013年末は、日本中がアベノミクスの楽観論に包まれていた時期である。
日経平均株価は、2013年末に、16291円にまで上昇し、2014年も株高快進撃が続くとするエコノミストが大勢を占めた。
この時期に刊行したのが『日本経済撃墜』である。
当時の『金利・為替・株価特報』には、2013年末の状況が1989年末のバブルのピークの空気に似ていることを指摘した。
レポートでは、2014年年初からの株価下落基調への転換を予測して記述した。
大半のエコノミストの予想に反して、日本株価は2014年年初から下落に転
じた。
5)日本経済は、警告通り、2014年に撃墜された !
そして、日本経済は、警告通り、2014年に撃墜されてしまったのである。
『金利・為替・株価特報』では、2014年5月12日号で、日本株価見通しを「下落」から「上昇」に転換した。
そして、日本株価は、5月19日を転換点に、上昇波動に転換したのである。
その後、レポートでは10月中旬に、株価見通しを「上昇」から「中立」に転換した。
日本株価は、10月前半に下落、10月後半以降反発したが、その後は横ばい推移を続けている。
年初来の日本株価下落の主因は、日本経済の足取りが悪いことの反映であって、この本質を見極めないことが、事態悪化を深刻化させる原因になるのである。
『金利・為替・株価特報』2015年1月13日号には、2015年の見通しを記述する予定である。
6)安倍政権の経済政策の誤りは消費税増税の実施 !
安倍政権の経済政策の最大の誤りは、2014年4月の消費税増税の強行実施にある。
消費税増税強行実施のどこに問題があるのか。改めて整理しておこう。
主要な問題が五つある。
第一は、消費税増税の前にやるべきことがあるのに、それをまったく実行していないこと。
第二は、消費税増税は社会保障制度の拡充のために行うとしながら、社会保障制度が逆に圧縮されていること。
第三は、日本財政が危機にあるとの虚偽情報が流布されていること。
第四は、行き過ぎた緊縮財政の強行が景気回復基調を破壊すること。
第五は、消費税制度に根源的な致命的欠陥があること。
7)「シロアリを退治しないで消費税増税はおかしい」
第一の点が何よりも重要である。
野田佳彦氏は「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と絶叫していた。
これが2009年の民主党公約である。
その野田佳彦氏が、シロアリの手先に変質して消費税増税を強行決定した。
これが民主党崩壊の主因である。日本政治を破壊したA級戦犯が野田佳彦氏である。
「シロアリ退治」とは、官僚の天下り利権の根絶である。
財務省が消費税増税に理解を求めるなら、財務省がまず、財務省の天下り利権を削減する「範」を示すべきだ。
8)財務省は天下り利権を「急膨張」
して増税実施 !
ところが、消費税増税と並行して、財務省は驚くことに、財務省天下り利権を「急膨張」させた。
私は、財務省天下り利権削減の「第一歩」として、日銀、日本取引所、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本たばこ産業株式会社、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りを、まずは根絶すべきであることを、15年来主張してきた。
ところが、財務省は、この天下り利権を根絶するのではなく、いま、大膨張させている。
その天下り利権「大膨張」を、全面支援しているのが、安倍−菅政権である。
また、議員定数削減も、まったく進められていない。
9)消費税増税が社会保障拡充に用いられていない !
第二の問題は、消費税増税が社会保障制度の拡充には一切用いられていないことだ。
税収が増えて拡張された予算は、官僚利権予算と政治屋公共事業利権予算だけである。
「社会保障制度拡充のための消費税増税」というのは、真っ赤なウソなのである。
財務省が天下り利権の急膨張にひた走るように、消費税で巻き上げたお金は、利権官僚と利権政治屋が山分けする構図が鮮明に浮かび上がっているのだ。
10)日本財政危機という「虚偽情報」の流布 !
第三の問題は、日本財政が危機にあるという「虚偽情報」の流布だ。
『日本の奈落』には、この点を明瞭に示しているから、これも販売妨害の一因であるのだろう。
財政危機の決まり文句は、「1000兆円の借金」だが、政府と財務省が絶対に公言しない、もうひとつの真実が存在する。
それは、「1000兆円の資産」である。
日本政府の借金は1000兆円あるが、実は、資産も1000兆円ある。
借金のGDP比が、200%を超えて世界最悪だと言うが、資産から借金を差し引いた「債務超過」の金額のGDP比が重要なのだ。
11)安倍政権は、債務とほぼ同額の資産がある事をインペイ
この基準に照らせば、日本が財政危機にあるという話は、「真っ赤なウソ」であることが分かる。
たしかに、この真実が広く知られてしまうことは、財務省にとっての悪夢であるかも知れない。
しかし、『日本の奈落』の販売が妨害されている真の原因は別の部分にあると推察される。
第四は、マクロ経済政策の視点だ。
2014年は、警告通り、日本経済が撃墜された。
日経新聞は「消費税増税の影響軽微」の大キャンペーンを展開したが、朝日新聞の報道問題と比べても、はるかに重大な過失である。
行き過ぎた緊縮財政で、せっかく生まれかけた、景気回復の軌道を破壊することが何度も繰り返されてきた。
私は、この過ちを繰り返すべきでないと主張したが、今回もまた警告は無視され、同じ過ちが繰り返されたのである。
12)零細事業者は、増税分を
自己負担させられる欠陥 !
第五は、消費税制度に致命的な欠陥があることだ。
このことは、消費税増税を批判する論陣を張ってきた斎藤貴男氏がかねてより強調されている点である。
消費税増税を価格に転嫁できない、零細事業者は、消費税増税分を自己負担することになる。
これは、税制の基本理念に完全に反するものである。
消費税が「悪魔の税制」と呼ばれる所以である。
13)米国債を売却して、巨大損失を回収すべきだ !
1月に召集される通常国会では、2017年4月の消費税率10%が決定される可能性が高いが、この政策決定が、日本経済の新しい重荷になることは間違いない。
消費税増税を決める前に、54兆円の巨大損失を回収できる好機にある政府保有国債の全額売却を、国会で論じて、国民負担の軽減を図るべきである。
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