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2014年総選挙、戦後最低投票率で、暴走政権・安倍自公圧勝 !
第二次世界戦争終結70周年の年に、日本の戦争国家化の足音が聞こえる !
総選挙状況は、ナチス成立期の状況と方向は似ている、自民党は、
家来・マスコミに圧力をかけて、従属を強化 !
(chikyuza.net/: 2014年 12月 16日より抜粋・転載)
<加藤哲郎(かとうてつろう):一橋大学名誉教授・早稲田大学客員教授>
1)憲法改定(改悪)に暴走可能 !
◆2014.12.15 総選挙結果を聞きながらの更新です。憂鬱な結果です。
投票率は、戦後総選挙史上最低の52.66パーセント、案の定、師走の不意打ち選挙に、特定政党につながらない国民の足は、投票所に向かいませんでした。
街に出ても、静かな選挙戦でした。ウェブ上での盛り上がりも、感じられません。
こうなると、組織政党の出番です。
強固な地方組織を持つ自民党、公明党、それに政権批判票をかき集めた共産党の勝利です。
自民党は、ほぼ横ばいとはいえ、公明党を合わせた議席は3分の2、野党当選者にも改憲志向が強いですから、憲法改正発議に十分な議席です。
2)マスコミは争点を「アベノミクス」の是非へと誘導
マスコミの争点を「アベノミクス」の是非へと誘導し、消費税10%も、沖縄基地問題も、
原発再稼働も、外交・安全保障も争点にならないよう仕組まれた選挙でしたから、
ある意味では予想通りです。
でも、その結果は、国民生活にも国際社会の中での日本にも、重大な結果をもたらすでしょう。
来年は統一地方選挙がありますが、2016年参院選で与党3分の2を許すと、
いよいよ改憲への暴走が始まることになります。
沖縄選挙区での自民党全敗、米軍基地反対・オール沖縄の勝利が、わずかな希望です。
3)安倍首相は、4年間のフリーハンドを得たと狂喜 !
◆安倍首相は、「強いリーダーシップ」が「信任」されて、4年間のフリーハンド
を得たという認識でしょう。
憂鬱な開票速報を聞きながら、ドイツの1932年を想い出していました。
世界恐慌下の6月総選挙で、ナチ党が社会民主党ほか中間政党を抜いて前回比123議席増230議席の第一党になり、共産党も12議席増89議席と躍進しましたが、パーペン内閣は政局をまとめることができず、11月に再度の解散・総選挙でした。
ナチ党は若干議席を減らしましたが第一党を確保、共産党が社民党の凋落分を得てさらに議席を伸ばしましたが、けっきょくヒンデンブルク大統領は33年1月アドルフ・ヒトラーを首相に任命、直後から他党とユダヤ人を弾圧、ワイマール共和国の民主制にもとづいて、ワイマール憲法は停止され、民主主義は死にました。
4)総選挙状況は、ナチス成立期の状況と方向は似ている自民党は、
家来・マスコミに圧力をかけて、従属を強化 !
日本の2014年12月総選挙には、ナチス成立期のような熱狂はありませんでしたが、
向かっている方向は似ています。
忍び寄るファシズム、排外主義・軍国主義化です。
これが、杞憂に終わればいいのですが。
◆この選挙で、自民党は、特定秘密保護法を実施に移したばかりでなく、徹底した情報戦略を採りました。
争点をアベノミクスによる景気回復一本にしぼり、直接関係するTPPや消費税、非正規雇用・格差、年金・社会保障さえ、議論を避けました。
テレビ局に対しては「公平中立・公正」報道の「お願い」を出して圧力をかけ、「朝まで生テレビ」に批評家出席はなし。もっと恐ろしいのは、NHKの国際放送用に作られたコピー厳禁の内部通達「オレンジブック」での英語表記の統一。
「性奴隷」はもとより「従軍慰安婦」の表現もやめて「「those referred to as comfort women [慰安婦と呼ばれる人々]」とせよ、英語圏で普通に使われる「the Nanjing Massacre [南京大虐殺]」は使用不可で「the Nanjing Incident [南京事件]」に統一する、というもの。
ほとんどジョージ・オーウェル『1984』「ニュー・スピーク」の世界です。
しかも、日本のマスコミはこれを報じることができず、イギリス『The Times』紙の記事によって、公共放送の「取扱注意」内部文書の存在を、英文報道の写真により知らされる屈辱。
イギリスBBCでは、日本の好感度が5位まで下がっているというのに、日本の選挙後のマスコミは安倍首相のホンネ「改憲訴えたい」の報道ラッシュ。
安倍内閣の言論統制・情報誘導は、「電通」の力をも使って、ここまで来ています。
これも、「いつかきた道」です。
5)安倍内閣の右傾化・排外主義路線が海外から危険視 !
◆ただし来たる2015年は、第二次世界大戦終結70周年、世界中で日独伊枢軸の敗北と「連合国=国連(The United Nations)」の勝利が、振り返られます。
そこで、安倍内閣の右傾化・排外主義路線が、問題にならないはずがありません。
領土問題も靖国神社も性奴隷も、1945年時点に遡って、ドイツやイタリアの70年後との比較で、世界から注視されます。
あのノーベル平和賞授与式でのマララさんの力強い演説に、日本はどう応えるかが問われます。もとより、どの国の戦後も、一本道ではありません。
6)米国の日本占領政策・「逆コース」等70年の軌跡を学ぼう !
下記に公開し、情報提供を求めている占領期の雑誌『政界ジープ』について、皆さんからの情報と、バックナンバーが集まりつつありますが、1946年夏の創刊時の『政界ジープ』は、意外にも尾崎行雄・長谷川如是閑の路線で、共産党・社会党幹部も寄稿しており、「勤労大衆のための唯一の政界案内誌」の宣伝文句通りでした。
占領軍には忠実ですが、初期はGS=民政局の路線です。
1948年8月「尾崎ゾルゲ赤色スパイ事件の真相」あたりからは、G2系=731部隊免責「右派ゴシップ雑誌」にな り、1950年朝鮮戦争勃発、日本ブラッドバンク創業時が二木秀雄=ジープ社のピークです。
1955年には、総会屋風恐喝雑誌として二木秀雄らが逮捕され(政界ジープ事件)、消えていきます。
占領政策全体に忠実に(GS→G2)右旋回するのが、731部隊残党の流れのようです。
改めて「逆コース」を含む、70年の軌跡を学びましょう。
次回更新は、その戦後70周年の正月です。皆様、よいお年を。
初出:加藤哲郎の「ネチズン・カレッジ』より許可を得て転載 http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Home.shtml
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye2844:141216〕
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