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実質賃金が確実に改善しているという安倍自公政権の大ウソ宣伝 !
GDP2四半期連続の減少が、「アベノミクスの失敗」を象徴 !
一時的に株価上昇が、実は、20年前の半分以下だが、その実態をインペイ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2014/12/03より抜粋・転載)
1) 米国・財務省に従属・野田政権の失政で株価が超低迷
12月14日の投開票日まで10日しかない。短期決戦である。
安倍政権与党の自公は万全の選挙協力体制を敷いてこの選挙に臨む。
アベノミクスとは、「普通の財政金融政策」を発動しただけのものであるが、2013年前半に、米国長期金利上昇=ドル高のフォローの風に恵まれた(米国の謀略)ために、日本株価が上昇した。
前任の野田佳彦政権が、財務省の増税路線に乗って、超緊縮財政政策を実行していたから、日本経済と日本株価が超低迷していたことも幸いした。
しかし、安倍政権は、日本経済がかすかに浮上しかかったところで、財政政策の方向を大転換した。
2)「普通の財政金融政策」で一時的に株価上昇、
が、実は、20年前の半分だがその実態をインペイ
経済浮上誘導の政策スタンスを大転換して、「政策逆噴射」を実行してしまった。
その結果、日本経済は撃墜され、予定していた消費税再増税を延期せざるを得なくなった。
消費税再増税の延期は、当然の対応だが、これによって安倍政権の政策逆噴射が、正当化されるわけではない。
アクセル全開からブレーキ全開への政策ダッチロールで日本経済を混乱に陥れた責任を、主権者は厳しく問う必要がある。
そして、この選挙で主権者が判断しなければならないことは、日本の進路である。
原発、憲法、TPP、消費税、辺野古基地、格差の重大問題への判断が目前に迫っている。
日本の進路を左右するこれらの問題について、主権者が誤りのない判断を示す必要があるのだ。
問題は、主権者の意思を真正面から受け止める、国民政党が存在しないことだ。
しかし、だからといって多くの主権者が「該当者なし」の判断で選挙を棄権してしまうと、自公勢力の思うつぼになる。
3)反自公候補に投票を集中させる戦術を採用しよう !
ここは、「帯に短し、たすきに長し」の現状に愛想をつかすのではなく、「ストップ安倍政権」を実現するために、小選挙区で、安倍政権与党の自公候補に勝利する可能性のある、次世代以外の野党候補に、投票を集中させる戦術を採用しなければならない。
しかしながら、多くの選挙区が候補者乱立の激戦選挙区になってしまっている。
これらの選挙区で、自公勢力が強固な選挙協力体制を敷くと、自公候補が軒並み勝利してしまう事態も発生しかねない。
主権者が情勢を見極めて、どの野党候補に投票を集中させるべきかの情勢分析と投票誘導の作業を実行する必要がある。
11月17日の7−9月期GDP統計発表で、2四半期連続のマイナス成長が示され、衝撃を与えた。
4)2四半期連続の減少が、「アベノミクスの失敗」を象徴 !
この数字が「アベノミクスの失敗」を象徴する数値として取り上げられてきた。
しかし、主権者は安倍政権がこの数値を逆利用する可能性がある点に注意が必要だ。
総選挙投票日直前になる12月8日に、7−9月期GDP統計の改定値が発表される。
改定の中心は設備投資の計数である。
法人企業統計が発表され、12月8日に発表されるGDP統計が上方修正される可能性が高まっている。
マイナス1.6%の経済成長率が、一転してプラス2%成長へと大幅上方修正される可能性がある。
しかし、仮にプラス2%程度の数値が発表されるとしても、まったく驚くにはあたらない。
7−9月期成長率はもともと、プラス2%程度の数値が予想されていたのである。
5)7−9月期以降は、V字回復と説明、しかし、成長減が実態だ !
安倍政権は、増税を実施する際、4−6月期はマイナス成長になるが、7−9月期以降は、V字回復すると説明していた。
マイナス7%成長のあとのプラス2%成長では、とてもV字回復とは言えない。
増税で日本経済を撃墜した事実には変わりはないのである。
しかし、選挙直前に数値が大幅上方修正され、メディアがこれを大きく伝えると、人々の印象が強く影響される可能性がある。
安倍政権は、一種のインサイダー情報であるこれらのデータの内容と、その発表スケジュールの概要を、統計作成当局から、事前に入手していた可能性がある。
そして、これらの統計数値と、その時系列での発表スケジュールを詳細に検討したうえで、消費税再増税の延期発表、総選挙日程選定などを進めてきた可能性があるのだ。
これらの「情報操作」で、日本の主権者が自公勢力を総選挙で勝利させてしまうことは、「主権者の悲劇」と言わざるを得ない。
今次総選挙の最重要目標は。
「ストップ安倍政権」の実現である。この基本を十分に踏まえて効果的な選挙戦術を構築しなければ
ならない。
6)安倍首相は、「賃金が増加」とウソ宣伝 !
安倍首相は、「賃金が増えている」「物価上昇率をも追い越しつつある」と述べるが、このようなウソに騙されてはいけない。
現金給与総額の前年比増減率と消費者物価上昇率の推移を示す。
現金給与総額 消費者物価上昇率
(A) (B) (A)−(B)
2013年12月 0.5 1.3 -0.8
2014年 1月 -0.2 1.3 -1.5
2014年 2月 -0.1 1.3 -1.4
2014年 3月 0.7 1.3 -0.6
2014年 4月 0.7 3.2 -2.5
2014年 5月 0.6 3.4 -2.8
2014年 6月 1.0 3.3 -2.3
2014年 7月 2.4 3.3 -0.9
2014年 8月 0.9 3.1 -2.2
2014年 9月 0.7 3.0 -2.3
2014年10月 0.5 2.9 -2.4
安倍晋三氏は2014年7月の数値だけを使う。
現金給与総額が前年比で+2.4%の高い伸びを示した。この月の実質伸び率は−0.9%である。
現在の消費者物価上昇率は消費税増税の影響で、1.7〜2.0%ポイント、数値がかさ上げされている。
したがって、7月の数値は、消費税増税による物価上昇を差し引けば、実質伸び率が、プラスに転じた数値になっている。しかし、増えたのは、この月だけなのだ。
7月は、ボーナス月で、現金給与総額が前年比+2.4%の高い伸びを示した。
しかし、その後は数値が落ちている。
12月3日に発表された10月の伸び率は、わずかに+0.5%だ。消費者物価上昇率は+2.9%。
このうち、1.7%ポイントが、消費税の影響だとすると、消費税増税分を除く物価上昇率は+1.2%。
所得が0.5%増えても、物価が1.2%上がれば、実質所得は−0.7%だ。
消費税増税による物価上昇を合わせると、実質所得は、−2.4%なのである。
7)自公の訴えは、ウソで、選挙が塗り固められている !
「アベノミクスで賃金が伸びて、インフレ率を追い越しつつある」というのは、真っ赤なウソである。
このような真っ赤なウソで、選挙が塗り固められているのだからどうしようもない。
GDPの6割を個人消費が占めている。この消費が構造的に減少している。
肝心要の財布の中身が減っているのだから、消費が増えるわけがないのである。
設備投資も景気をけん引するような状況にはまったくない。
円安が進行しているが、輸出は、まったく増えていない。
景気が浮上する「絵」は、まったく見えていない。ここに、また大きな重圧がかかる。
8)景気回復の確実性がないのに、10%増税を確定の異常さ !
2017年に、消費税率が10%に引き上げられる流れが作り出されようとしている。
自公の安倍政権与党が勝利すれば、安倍政権は2017年4月の消費税再増税を確定するだろう。
こうなると、個人消費は一段と抑制されることになる。
個人は自己防衛で、必要不可欠な消費以外には、1円も使わない、ハリネズミ消費行動を強めるだろう。現在の株高を支えているのはドル高だが、ドル高が永遠に続くわけがない。
現に米国のFRBはドル高進行に対して、すでに警告を発し始めている。
日本経済を先行き見通しが悪化し、ドル高の環境が崩れれば、日本株価は反落してしまうだろう。
いま、私たちにできることは、この安倍政権にブレーキをかけることだ。
日本経済を浮上させるには、消費税再増税を延期するのではなく、中止することが必要である。
なにしろ、「官僚の天下り利権」さえ切っていないのだ。
9)自公政権は、巨額のムダ・「天下り利権」さえ切っていない
「我が身を切る改革」を何ひとつできない財務省に、増税を語る資格などない。
主権者は、財務省が「天下り利権」を明確に切るまで、絶対に消費税増税を認めるべきでない。
日本の国がシロアリとハイエナとハゲタカに食い尽くされるだけなのだ。
いまできることは、安倍政権にブレーキをかけること。
そのためには、
1.絶対に選挙を棄権しない=必ず投票に行く
2.小選挙区で自公に対峙する、最も当選可能性の高い候補者に一票を投じる
の2点を確実に実行することが必要不可欠だ。
(参考資料)
1998年前の公明党の理念・基本路線から大変節 !
*公明党初期(池田第三代会長時代):
「中道革新連合政権」構想5項目
(島田裕巳『創価学会・もう一つのニッポン』139頁等):
@ 反自民党、反大資本、
A平和・自立・中立政策に基づく外交政策、
「日米安保条約の段階的解消」基地段階的縮小、
B日本国憲法と議会制民主主義の擁護、
C国民福祉優先の経済政策
D政治経済の改革手段としての暴力革命・急進主義を否定し、漸進主義を選択する
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