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安倍政権は民意の結果・県知事選に関係なく、辺野古基地建設推進が狙い !
訴訟で、埋立申請承認処分は取り消される可能性あり !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2014/10/25より抜粋・転載)
1) 翁長氏は、埋立申請承認の撤回又は取消を確約しない
11月16日に沖縄県知事選が実施される。
辺野古米軍基地建設阻止を求める県民は、確実に辺野古米軍基地建設を阻止する候補者に投票を集中し、間違いのない新知事を誕生させるべきである。
この、統一候補の擁立が大きな課題であったが、この流れのなかで翁長雄志(おながたけし)氏が統一候補として擁立された。
辺野古米軍基地建設阻止を求める県政野党5会派は、統一候補選定に際して、「埋立承認を撤回し、政府に事業中止を求める」ことを条件に掲げてきたが、これが、「新しい知事は、承認撤回を求める県民の声を尊重し、辺野古基地を造らせない」に変化した。
つまり、埋立申請承認の撤回または取消を確約しないことになった。
他方、辺野古基地建設を推進している、安倍政権の菅義偉官房長官は、9が10日の記者会見で、
「最大の関心は、沖縄県が(辺野古沿岸部の)埋め立てを承認するかどうかだった。
2)安倍政権は民意の結果・県知事選に関係なく、辺野古基地建設推進が狙い
知事が承認し粛々と工事しており、もう過去の問題だ。争点にはならない」
「仲井真知事が埋め立て承認を決定した。そのことで一つの区切りがついている」と述べた。
この問題の核心が、知事による埋立申請承認であり、この承認がある以上は、米軍基地建設を粛々と進行させる方針を明示した。
私は、辺野古米軍基地建設を阻止するために、翁長氏が、埋立申請承認の取消または撤回を確約し、候補者の一本化を図るべきことを主張してきた。
問題は、翁長雄志氏が、埋立申請承認の撤回または取消を確約していないことである。
「あらゆる手法を駆使」しても、現状では、埋立申請承認の撤回または取消以外に、実効性のある有効な手法は提示されていない。
3)基地建設阻止の核心は、埋立申請承認の撤回又は取消
基地建設を推進している安倍政権の官房長官が、埋立申請承認がすべてである、との考え方を明示しているのであり、核心は、あくまでも埋立申請承認の撤回または取消である。
こうしたなかで、沖縄から要請があり、10月7日に那覇で開催されたシンポジウムに参加した。
このシンポで基調講演をさせていただいたが、辺野古をめぐる事実関係について概略を説明させていただいた。
このなかで、2014年1月15日に、那覇地方裁判所に提訴された「辺野古埋立承認取消訴訟」
についても説明した。
公有水面埋立法第4条第1項に埋立申請承認の要件が定められているが、その第2号要件として、「環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」があり、仲井真知事の埋立申請承認がこの要件を満たしていないことなどが指摘されている。
4)訴訟で、埋立申請承認処分は取り消される可能性あり
この訴訟で、処分の違法性が認められれば、埋立申請承認処分は取り消されることも解説した。
少し長い動画であるが、那覇で私がどのような説明をしたのかを、当日の参加者が動画投稿くださった映像で、じっくりと確認いただきたいと思う。
【2014.10.07】基調講演 植草一秀:http://www.youtube.com/watch?v=NP67c8WyGPg
私の主張は、辺野古米軍基地建設阻止の実効性を確保するための方策は、埋立申請承認の撤回または取消であり、知事選に際しては、知事選実施の前に、候補者がこの点を確約し、候補者の一本化を図ることが必要であるというものである。
これまでの経緯を踏まえれば、翁長氏がこの点を確約して、候補者一本化を実現することが望ましいことを強調した。
5)喜納昌吉氏は、埋立申請承認の撤回・取消の確約を主張
喜納昌吉(きなしょうきち)元参議院議員は、翁長氏に埋立申請承認の撤回・取消の確約を求めて候補者の一本化を提案したが、翁長氏側が、これを拒絶した。
誠に残念なことである。
翁長雄志氏は10月21日に公約発表会見を行ったが、基本的には、従来の主張を変えていない。
「あらゆる手法を駆使して、名護市辺野古に新基地は造らせない」とし、「承認の撤回も視野に臨む」としているが、撤回・取消を確約しないのである。
「あらゆる手法を駆使する」としており、このなかに「埋立申請承認の撤回・取消」も含むとしているのであるが、そうであるなら、「他の手法で辺野古米軍基地建設阻止を実現できない可能性がある場合には、埋立申請承認の取消または撤回を実行する」と確約すればよいのである。
翁長氏は、喜納氏の建設的な提言に真摯に耳を傾けて、辺野古米軍基地建設阻止実現の実効性を高めるために、結束して、共闘体制を構築するべきなのである。
6)翁長氏陣営の姿勢は、大きな疑念と問題がある
ところが、翁長氏陣営の姿勢は、辺野古米軍基地建設阻止に向けて一致結束して大同団結しようというものとは、かけ離れている。ここに大きな疑念と問題があるのだ。
最大の矛盾は、翁長(おなが)氏が、「あらゆる手法を駆使して名護市辺野古に新基地は造らせない」とし、「承認の撤回も視野に臨む」と表現し、「あらゆる手法」のなかに、「埋立申請承認の撤回または取消」を含む、というのであるなら、喜納昌吉氏が提示した真摯な提案を矛盾することは何もないはずなである。
喜納(きな)氏の提案を真摯に受け止めて、「他の手法で辺野古米軍基地建設阻止を実現できない可能性がある場合には、埋立申請承認の取消または撤回を実行する」と確約すればよいのである。
この確約があれば、喜納昌吉氏は、翁長氏への候補者一本化を積極推進したはずである。
10月7日の那覇でのシンポジウム開催時点では、喜納昌吉氏が、すでに知事選への出馬意思を表明していた。
しかし、私は、この時点でも、翁長氏が、埋立申請承認の撤回または取消を確約することにより、候補者の一本化を実現するべきであるとの主張を貫いた。
喜納氏は、私のこの主張を正面から受け止められたのだと思う。
(参考資料)
「玉虫色」の知事戦は、自民党の謀略か ?
沖縄県知事選は、長年、自民党による謀略が継続 !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:
2014/09/21より抜粋・転載)
1)沖縄県民を裏切った、仲井真氏
2)名護市の市民は、米軍基地建設を拒絶する意思を明示
3)翁長雄志氏は、「埋立承認撤回」を明言せず !
4)「革新系」会派と「保守系」会派が混合した、翁長陣営
5)翁長氏が「埋立申請撤回」を確約しない選挙は県民を冒涜 !
6)「玉虫色」のままの知事戦なら、単なる権力闘争だ
7)「玉虫色」の知事戦は、菅義偉氏の謀略か?
今回の選挙の図式は、菅義偉氏が仕組んだものであると考える。
翁長氏を、辺野古基地建設阻止勢力の統一候補として擁立させる。
しかし、問題の核心である、「埋立申請撤回」の確約は、させない。
この部分だけ死守させれば、翁長氏当選で、まったく問題はないのだ。
逆に、基地建設反対派のガスを抜くことができる。
8)2006年、徳田毅氏を寝返りさせた、自民党の謀略
徳洲会の徳田毅氏を自由連合から脱党させ、沖縄県知事選の直後に自民党に入党させた。
愛媛県の徳洲会病院を舞台にした生体肝移植問題で、徳洲会病院の刑事責任追及の可能性が浮上していた。
徳田氏は、糸数慶子支持の自由連合を抜けて、仲井真弘多氏支援に回った。
この選挙でフル活動したと伝えられているのが、沖縄徳洲会病院である。
この徳洲会病院が2012年12月の総選挙における選挙違反で摘発された。
昨年11月には、2010年の沖縄県知事選から丸3年の時間が経過した。
2010年沖縄県知事選の選挙違反事案について、多くが、公訴時効を迎える局面だった。
9)沖縄県知事選は、自民党による謀略が続いている !
仲井真弘多氏は、この問題で安倍政権、菅義偉氏から揺さぶられたのだろうと、私は推察している。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)とした世界なのだ。
辺野古基地建設阻止を求める政治勢力は、知事選に勝利することを優先しているように見えるが、ただ勝てばよいというわけではない。
2010年の知事選で、県外・国外移設を公約した、仲井真弘多氏は、沖縄県民を裏切った。
菅義偉氏が「これがすべて」と明言する、「辺野古海岸埋立申請承認」に突き進んだのである。
辺野古基地建設を阻止するには、「埋立申請承認」を撤回することが、まず第一歩になるのだ。
「埋立申請承認」を撤回しても、それですべてが片付くわけではない。
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