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【拡散希望】逃れられない日米FTA 事前協議合意の露骨な含意
TPP事前協議合意について、メディアは、真実の半分を伝え、半分を覆い隠している。
以下、山田正彦氏のブログを参照。
事前協議の往復書簡全文を掲載した上、一般に報じられていないUSTRの報告書が翻訳されているのが有益である。
メディアの報道では、早々と自動車などいくつかの分野について、貢ぎ物をし、非関税障壁に関する二国間協議に入るとの合意をしたと報じられている。
この二国間協議は、法的なものである。
この目的のため,両国政府は,TPP交渉と並行して,保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置の分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定しました。これらの非関税措置に関する交渉は,日本がTPP交渉に参加した時点で開始されます。両国政府は,これらの非関税措置については,両国間でのTPP交渉の妥結までに取り組むことを確認するとともに,これらの非関税措置について達成される成果が,具体的かつ意味のあるものとなること,また,これらの成果が,法的拘束力を有する協定,書簡の交換,新たな又は改正された法令その他相互に合意する手段を通じて,両国についてTPP協定が発効する時点で実施されることを確認します。
アメリカは、これまでの対日要求によって、政治レベルで日本の構造改革を図ってきたが、TPP交渉への参加を日本に対して認めるのをエサに、法的な拘束力のある協定や法令の改正によって非関税障壁の撤廃を図ることに合意したということだ。
これは、典型的には日米FTAのことに他ならない。
この交渉は「日本がTPP交渉に参加した時点で開始され」「両国間でのTPP交渉の妥結までに取り組ま」れ、「両国についてTPP協定が発効する時点で実施されることを確認」するとされている。
TPPと一括して、日米FTAも締結、批准されるという約束になっている。
マチベンは、TPPは、場合によっては、アメリカが求めるレベルに達しない可能性があると思っていた。とくにオーストラリア、ニュージーランドとの間で、米国が保護したいセンスティブな農産品の関税や、ISD条項の締結に関して意見の対立が厳しいため、場合によっては、TPPの決裂もあり得ると期待していた。
しかし、そうした期待は、ついえたと言ってよいだろう。
アメリカとしては、TPPでは、各国の思惑に配慮して、中途半端なものでも合意するかも知れない。
しかし、属国である日本に対して、それを許すとは到底、考えられない。
日本とは並行して法的拘束力のある二国間協議を進めるということは、TPPと日米FTAの間で基準や手続の相違が生まれるのは当然というのがアメリカの立場を示している。
属国にはより厳しい基準をという、ダブルスタンダードである。
アメリカ政府はアメリカ製品の日本への輸出を妨げている広範な産業分野および産業横断的な非関税障壁に対する懸念を表明してきた。これらの問題がTPP交渉においてはまだ十分に討議されていない以上、それらは二国間で、TPP協議と並行して、討議され、TPP交渉終了までに完結させなければならない。 (USTR報告書)
この合意は、TPPが締結、批准されることを前提にしているように見える。
TPPが決裂した場合は、どうか。
日本の交渉態度の想像を絶する弱腰からすれば、TPPが決裂する前に、日米FTAは、とっくに合意できる水準になっているだろう。
TPPが決裂したからと言って、日本がこの拘束から逃れることは実際上、不可能だろう。
米国議会は、日本のTPP参加表明まで大統領に対する通商交渉の授権法を失効させたままでいた。
日本が参加表明した途端に、授権法に向けた動きが出てきた。
最初からアメリカの狙いが日本だったことは明らかだ。
米国の狙いは、あくまでも世界3位のGDPを有する日本との間で、アメリカの求める自由貿易と保護主義を同時に満たすFTAなのだ。
「アジアの活力を取り込む」など、最初から、ウソだったことは明らかだ。
米国USTRの報告書の山田正彦事務所の仮訳を以下に張り付ける。
アンダーラインや強調部分に注意してもらいたい。
・関税撤廃は、TPPでは、おそらく10年を目処にしている筈だ。
USTR報告書では、日米間に限っては、自動車関税については、10年の猶予期間のさらに後に段階的に撤廃するという内容で合意したとされている。
・自動車安全基準の認証手続に関する例外台数の倍増、日本郵政に関連するガン保険や医療保険の不認可は、アメリカが求めるまでもなく、一方的に日本政府が通知してきたという。
・非関税障壁に関するファクトシートも極めて恐ろしい(末尾USTRの2つめのリンクがファクトシートである)。
たとえば、投資に関する部分だけ意訳すると、合併・買収を促進するために、真に独立した社外取締役の役割を強化するとされている。
西武の敵対的買収に対して湧き上がったような地方路線の存続や球団の保有等という企業の社会的な役割を云々するのは、投資家の利益に反する。投資家の利益を守るために「真に独立した取締役(株主代表)」の役割を強化しろというのだ。
政府の審議会などの機関に、外国投資家(stake holder)を入れることも明記されている。
こうした「非関税障壁の撤廃」が日米FTAの内容になるのだ。
なお、最後に付け加えれば、事前協議往復書簡で合意された「法の支配」が「アメリカ法の支配」であることは、2002年超党派大統領
貿易促進権限法から明らかである。
結局、TPP交渉事前協議とは、アメリカにとっては、日米FTAへの約束を取り付けるための場であったのである。
日本の官僚を中心としてそれに蝟集する政治家や財界を初めとする利益集団は、それを知っていて、TPP交渉へ前のめりになって、率先して日本を売り払おうとしているのだ。
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2013/04/post-3b52.html
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