http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/2966.html
Tweet |
◆なぜ1日に30品目なのか?
1日に食べる食品数を日本人が意識し始めたのは、1985年に旧厚生省が発表した「健康づくりのための食生活指針」の影響がありました。栄養のバランスをとるため「1日30品目食べよう」と呼びかけたのです。
おそらくその頃は、インスタント食品や惣菜などの加工品が定着し、ファーストフード店なども隆盛を極めた頃で、栄養のアンパランスが懸念されたことが背景にあったのだと思います。
健康を維持するためには、栄養をバランスよく摂ることが基本。そのためには一定の食品に偏らず、できるだけ多くの食品をまんべんなく食べることが大切と考え、30品目となったのです。
当時の健康づくりのための食生活指針は、下の5つの項目からなっています。
1.多様な食品で栄養バランスを
一日30食品を目標に
主食、主菜、副棄をそろえて
2.日常の生活活動に見合ったエネルギーを
食べすぎに気をつけて、肥満を予防
よくからだを動かし、食事内容にゆとりを
3.脂肪は量と質を考えて
脂肪はとりすぎないように
動物性の脂肪より植物性の油を多めに
4.食塩をとりすぎないように
食塩は一日10グラム以下を目標に
調理の工夫で、むりなく減塩
5.こころのふれあう楽しい食生活を
食卓を家族ふれあいの場に
家庭の味、手づくりのこころを大切に
◆「6つの基礎食品」
栄養のバランスよく食べるためには、下のような「6つの基礎食品」をすべて組み合わせ、1日に30品目を食べることを目標に指導されました。
1群 タンパク質の供給源 魚・肉・卵・大豆
2群 カルシウムの供給源 牛乳・乳製品・骨ごと食べられる魚・海草
3群 カロチンの供給源 緑黄色野菜
4群 ビタミン・ミネラルの供給源 その他の野菜・果物
5群 エネルギーの供給源 穀類・芋類・糖分
6群 エネルギーの供給源 油脂
よく見ると、スーパーなどでは「30品目ふりかけ」、デパ地下の人気惣菜店でも「●品目サラダ」という商品が売られています。ふりかけにして食べても、かなり微量な栄養しかとれないとは思うのですが、できるだけ手軽に、でも健康のために多様な栄養素をとりたいという私たち消費者のニーズに応じた商品が開発されるわけです。◆新しい食生活指針
○食事を楽しみましょう。
○1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
○主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
○ごはんなどの穀類をしっかりと。
○野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
○食塩や脂肪は控えめに。
○適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
○食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
○調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
○自分の食生活を見直してみましょう。
上に示した2000年に改訂された新しい食生活指針では、「主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」とあるだけです。「1日30品目」は消えてしまいました。厚生労働省生活習慣病対策室は「30という数字を絶対化して食べ過ぎてしまう例もあり、誤解を招かないように、数字はやめた」と説明しています。人によって食品の数え方が違ったり、苦労して食べてもおいしくない。おいしくないから続かない、という意見もありました。
◆伝統食文化を見直しましょう
新たな食生活指針で注目したいのは、「食文化や地域の産物を活かす」という項目が追加されたこと。つまり、私たちのご先祖様たちが食べていた伝統食やその文化を見直しましょうということです。
昔は、今のように物流が発達していません。その地域で季節にできる食べ物しかなかったので、1日に食べられる品目は今のように決して多くはなかったと思います。それでは伝統食から何を学ぶのでしよう?
もちろん、栄養学的に食べ物の有効成分が解明されることは大切ですし、栄養のバランスよく食べることもよいことです。けれども、その食べ物の部分にすぎない栄養素にとらわれすぎのは、問題だと思います。
例えば、冬にきゅうりやトマトなど水分の多い野菜を食べ過ぎてはカラダを冷やしてしまい、風邪をひきやすくなります。旬や地域の気候風土を無視して食べることは、カラダにもよくありません。
また食物繊維や、野菜の色素や苦味、辛味、香りの成分などのファイトケミカルなど、これまでの栄養学では価値がないと思われていたものに、今注目が寄せられています。昔は、「健康のために」というよりは、「もったいない」という気持ちで、大根の葉っぱも皮も、根もすべて食べつくしていました。それにより、さまざまな有効成分を摂取していたのだと思います。
そういう意味では、旬や気候風土に適した食べ方をしてきた伝統食は、科学的にも根拠のある健康食です。また「健康によい食べ物」探しに躍起になっている現代人を見ると、「感謝していただく」という食の原点に立ち返るためにも、「伝統食」を学ぶ意味は大きいのではないでしょうか?
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > ペンネーム登録待ち板6掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。