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巨大地震から2年たった今も、東北地方を中心に地盤の変動が続いていますが、震源から離れた関東の西側や甲信越などでは、地盤が隆起していることが新たに分かりました。
解析をしている国土地理院は、「先月、栃木県北部で震度5強の地震が起きたのも地盤の隆起の影響が考えられる。引き続き内陸の地震にも注意が必要だ」と指摘しています。
地盤の隆起が見つかったのは、震源からおよそ400キロの付近の関東の西側と甲信越、それに青森県北部と北海道南部です。
国土地理院の解析によりますと、隆起が見つかった付近では、地震の直後地盤が東へ引き延ばされたあと、ゆっくりと隆起していて、この2年間で最大5センチに上っているということです。
メカニズムについて、国土地理院は、地下深くにある比較的柔らかい岩石が巨大地震で引き延ばされて密度が下がったため、それを補うように岩石が下から入り込んで僅かに隆起していることが考えられるとしています。
国土地理院では、これほど広範囲にわたる隆起は過去に観測された例のない規模だとしていて、地盤の隆起が続くと、地表に近い活断層などがずれ動いて地震が起きやすくなると分析しています。
西村卓也主任研究官は、「先月25日に栃木県北部で震度5強の地震が起きたのも、地盤の隆起の影響が考えられる。数年から10年以上影響が続くと考えられるので、あらかじめ防災対策をするなど、引き続き内陸地震にも注意が必要だ」と話しています。
震源から離れた地域も注意が必要
巨大地震の影響は震災から2年経った今も続いています。
北日本が乗った陸側のプレートには海側のプレートが沈み込んでいて、巨大地震はその境目が大きく東向きにずれ動くことで発生しました。
国土地理院によりますと、巨大地震の直後、宮城県の牡鹿半島が東へ5メートル30センチ、東京・港区が東へ27センチ移動するなど、東北や関東を中心に地盤が大きく移動しました。
地盤の移動は、東北地方の太平洋側を中心に今も続いていて、この2年間で、宮城県の牡鹿半島はさらに74センチ東へ移動しました。これは、巨大地震のあと、陸側のプレートが海側のプレートの上に乗り上がるような、東向きの移動を続いているためと考えられています。
一方、関東の西側や甲信越、青森県北部、それに北海道南部では、地震の直後地盤が東へ移動したあとにゆっくりと隆起しています。隆起が確認された地域やその付近では、先月25日に栃木県日光市で震度5強の揺れを観測する地震があったほか、巨大地震直後には長野県栄村や静岡県富士宮市で震度6強の揺れを観測する地震が起きています。
また、政府の地震調査委員会が巨大地震のあとに地震が起きる危険性が高くなっていると発表した、神奈川県の「三浦半島断層群」、東京と埼玉県にまたがる「立川断層帯」、「糸魚川・静岡構造線断層帯」のうち、長野県の「牛伏寺断層」も、隆起した範囲に入っています。
国土地理院の西村主任研究官は、「糸魚川・静岡構造線断層帯や立川断層付近でも地盤の変動が今も続いている。震源から離れた地域でも、地震には注意が必要だ」と話しています。
3月11日 17時30分 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130311/k10013121141000.html
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