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自民党の“肥満2人組”は一体何様になったのか。総裁・安倍晋三も幹事長・石破茂も「民主党が挨拶に来ないから物事は始まらない」と9月26日の総裁選以来ふんぞり返っている。これでは政権の座に就いたら、手に負えない高姿勢内閣になるのではないか。1年で1番仕事がはかどる季節に入り、国内外に難問が山積しているというのに、政治はまるで「秋休み」の状態だ。そこには国家、国民の視点はなく党利党略の駆け引きだけが存在する。
よく言われる民主党の体たらくより、もっとひどいのは自民党執行部だ。総裁選で選出されて以来半月もなすこともなく日を送っている。就任以来安倍が「民主党の幹事長から何も言ってこない。あまりにも無責任だ」と不満を述べれば、石破は「調整にあたるべき民主党の輿石東幹事長から就任祝いの電話1本もない。与党による審議拒否のようなものだ」となじる。安倍と石破は口裏を合わせたと見えて、口を開けば「民主党から何も言ってこない」だ。そこから一歩も出ようとしないのだ。
この姿勢は「どこか出だしから間違っていませんか」と言いたい。民間会社では社長に就任すればまず最初に自分から挨拶回りするのが常だ。日本の風習でもある。それを「来ない。来ない」と公言して、貴重な日時を費やしている。あきらかに肥満2人組の狙いは、野田以下民主党政権が、「近いうち解散」の約束を反故にして、政権に不利な解散・総選挙を回避し、一日でも延命を図りたいという「政治的醜さ」を浮き彫りにすしようという作戦なのだ。“逃げの民主”を国民の前にさらけ出そうというわけだ。野田は野田で逆手にとって11日に自民党に挨拶に行くが党首会談ではなくあくまで挨拶だという戦法に出た。党首会談だときりきり詰められるから挨拶だけにしようというわけだ。まるで「肥満2人組」対「肥満・激痩せ2人組」によるタヌキの化かし合いの様相だ。この体たらくに支持率急落の橋下徹が初めていいことを言った。「物事を進めようと思えば、トップが直接会って話をしなきゃダメだ」と述べたのだ。大阪のポピュリストから言われるようではどうしようもない。
要するに党首会談をしたかったら、安倍も堂々と首相官邸の門を叩けばよいのだ。野党第1党の党首が正面から会談を要求して、政権側が断れるわけがない。ふんぞり返って挨拶に来ないなどという方がおかしいのだ。何かもう政権を取ったような気分になっているように受け取れるのだ。国民には隅々に到るまで、民主党のやり口や体たらくは“周知徹底”されている。それをこれでもか、これでもかと同じ発言を半月以上も繰り返せば、世論の矛先は自民党に向かうと心得るべきだ。党首会談をしたければ正式に申し入れるのが筋ではないか。また臨時国会開会を民主党がためらうならば憲法に基づいて招集を要求すればよいのだ。タカ派のようで受け身の2人組は猛省すべきだ。そして論議を国会の場に持ち込むべきだ。国会議員が自らの土俵を無視してどうするのだ。震災復興予算を復興に関係のない事業に転用するという重大問題も起きている。もはや“職場放棄”しているときではない。
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