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村上正邦ブログ
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村上正邦の「不惜身命」その25
投稿日: 2011年11月9日 作成者: M_Murakami
●公益性と政教分離の観点から宗教法人“非課税”の再点検を
人は、人知を超えたものに救いを求めます。
平安末から鎌倉時代に興った日本の仏教は、飢饉や戦災、天災や流行病などに苦しむ人々を救済する役割を担ってきました。
折しも、今年3月11日、日本は、千年に一度の大震災と予想だにしなかった原発事故に襲われて、多くの人々が亡くなり、家や故郷、職業を失い、明日への生きる希望を失いかけています。
いまほど、宗教に、人々を救うという思想と実践がもとめられているときはありません。
しかるに、現状は、どうでしょうか。
宗教が、天災と人災の地獄図をさまよう人々を救う役割をはたしているでしょうか。
今年は、法然生誕800年、親鸞生誕750年にあたります。
親鸞は、如来はかならずお前を救ってくださると説いて、苦しみに喘ぐ民の救済に一生を捧げました。
わたしには、末法思想に打ち沈んだ鎌倉初期と悲哀にみちた現代が重なり合って見えます。
そんな思いに駆られているとき、一冊の本を手にしました。
元公明党委員長、矢野絢也さんが、国税庁や政治家の実名入りで著した『乱脈経理 創価学会vs.国税庁の暗闘ドキュメント』(講談社)です。
わたしは、この本を読んで、大きな衝撃をうけました。
時あたかも、東日本大震災の復興にあたって、増税論議のまっ只中にありますが、宗教法人への課税については、どこからも、あってしかるべき声が聞えてきません。
これまで、公益法人の名の下で、巨大教団などへの課税は、タブー視されてきました。
本書は、そのタブーを打ち破る警世の書ということができるでしょう。
宗教法人への課税で、消費税数%分の税収が可能という議論があります。
「宗教法人の収益事業に大企業並みの税率を適用し、非課税の固定資産税などにも課税すれば、年間約4兆円の税収増になる」(ジャーナリスト/山田直樹氏)というのです。
たとえば、創価学会は、東京・信濃町の本部関連施設をはじめ、全国に文化会館、池田講堂、平和会館など1200か所、海外にも、800か所の施設をもっています。
宗教法人法改正が審議された95年の国会で、熊代昭彦・自民党代議士(当時)はこう指摘しました。
「創価学会は不動産9兆円、流動資産1兆円という堂々たる力を持っておられる」
都市部では、固定資産税と都市計画税で、1・7%の税率が適用されます。
創価学会は、おおまかに見積もって、年間約1700億円の課税が免除されているのです。
日本の防衛費の二倍もの資産が、宗教法人というだけで、課税を免除されているのは、驚くべきことではないでしょうか。
創価学会の主な収入源は、三つあります。
一つは、財務と呼ばれる年1回のお布施(献金)で、全国から3000億円が集まります。
お布施は、多いほど功徳があるというのが、創価学会の教えですから、信者は、毎年、競って、献金します。
二つ目は、墓苑事業です。
創価学会は、全国に12か所の墓苑をもち、これまで、約44万基の墓所を販売してきました。
墓は、平均80万円といいますから、これまで、約3500億円の収入があったことになります。
この二つ(財務と墓苑)の収入は、「非収益事業」として、課税対象になっていません。
三つ目が、機関紙『聖教新聞』の購読料と広告収入です。
年間で約1240億円の購読料収入(公称550万部×月額1880円×12か月)に広告収入をくわえるとかなりの額になりますが、こちらは、優遇措置がとられています。
新聞事業は、収益事業なので、30%の法人税率が適用されてしかるべきですが、適用されている税率は22%で、しかも、収入の27%が“みなし寄付”として、控除措置をうけています。
その恩恵をうけて、創価学会は、不動産と付随する流動資産だけで、十兆円もの資産を積み上げたのです。
池田大作氏の個人資産や美術品などをふくめた創価学会全体の総資産は、中国の防衛費(13.6兆円/一部報道)をはるかにこえるといわれています。
ところが、これまで、池田大作氏の個人所得に税務の手がはいったことはありません。
その理由は、先に挙げた『乱脈経理』に明らかです。�
矢野さんは、国税庁とやりあって、次の六つの条件を呑ませたといいます。
@財産目録は出さない
A美術品に触れない
B池田氏の個人所得にさわらない
C池田氏と創価学会の公私混同にはふれない
D会員のプライバシーにふれない
E宗教活動にふれない
国税庁の課税を阻んでいたのは、宗教法人の壁ではなく、政治的談合だったのです。
宗教法人に課税するため、法律を改正すべきという声もありますが、わたしは、その必要はないと思います。
税法や公益法人法を厳密に適用するか、一部手直しするだけで、巨大宗教団体への課税は、可能になるからです。
国税庁は、この六つの条件とひきかえに、学会が非課税扱いを主張していた墓園事業への追徴課税をおこない、法人税6億4000万円を管轄の四谷税務署に納付させています。
矢野さんは、著書で、この納付を「わたしや学会幹部にとって想定内の範囲だった」とのべています。
矢野さんの本には、創価学会は宗教法人だから納税を免れる、という趣旨のことは、ほとんど、書かれていません。
創価学会への課税が、タブーになったのは、竹下登元首相が国税庁首脳にはたらきかけたのちのことです。
竹下元首相は、電話で、矢野さんにこういったそうです。
「国税庁には心にまで課税できない≠ニ言っておいた」
「ありがとうございました。ご恩は忘れません」
矢野さんは、このとき、電話機に向かって何度も頭を下げた(同著より引用)といいます。
宗教法人が課税を免れているのは、信教の自由と政教分離を前提にした宗教の「公益性」と「独立性」の二つの理由からです。
公益性の原則において、利益の追求や蓄財は、ゆるされません。
独立性については、政教分離が、絶対条件です。
創価学会が、非課税対象となる公益性や独立性を有しているでしょうか。
創価学会の施設(不動産)は、閉鎖的で、神社やお寺のように解放されているわけではありません。
東日本大災害にたいする学会からの義援金は、5億円と報じられていますが、池田氏個人については、公表されていません。
ソフトバンクの孫正義さんが、個人で100億円を寄付し、わたしの台湾の友人も、10億円を寄付しています。
教団の義援金や池田氏個人の寄付が、個人の善意におよばない創価学会に、公益性があるといえるでしょうか。
池田氏は、マハトマ・ガンディー世界平和賞や国連平和賞(非公式)など世界各国から数限りない賞をうけ、世界中の大学から名誉博士号を授与されていますが、多くは、金銭的支援の見返りという評が絶えません。
宗教法人に課税すると、日本中の小さな神社やお寺は、立ち行きません。
そんな必要はないのです。
税務署が、宗教活動の公益性と独立性をみきわめて、独自の判断で、税金を課せばよいのです。
お布施に税金をかけないのは、檀家や信者の献金や寄付だけで維持している全国二十万もの神社やお寺をまもるためです。
今年の六月、ラブホテルを経営していた宗教法人が、利用料を「お布施」と偽り、約14億円を脱税して、摘発されたそうです。
宗教法人には税金がかからないと称して、休眠中の宗教法人が、高値で取り引きされているとも耳にしました。
宗教法人だから税金がかからない、というのは、まちがいです。
公益事業にかぎり、課税が免除されるのです。
宗教法人も、私益事業をおこなえば、当然、税金がかかります。
そのことは、国税庁も、わきまえているはずです。
だからこそ、矢野さんの本(『乱脈経理』)にあるように、国税庁は、宗教法人の壁をつき破って、創価学会とたたかったのです。
創価学会から徴税を困難にしたのは、宗教法人という壁ではなく、矢野さんの本にあるように、政治のよこしまな力です。
矢野さんは、同書で、創価学会は、政教分離ができていないどころか、公明党の集票マシーンとなっていると喝破しておられます。
創価学会や公明党は、選挙協力で、政治家をあやつっているといわれています。
創価学会は、聖教新聞の印刷を請け負っている大新聞社、何十億円もの広告をもらっているマスコミにとって、大スポンサーです。
また、創価学会系の雑誌には、多くの評論家やジャーナリストが記事を書いています。
そのせいで、マスコミや一部ジャーナリストは、学会批判をおこないません。
もう一つの大きな問題は、宗教の独立性です。
一部の識者は、国家から独立している宗教法人から税金をとると、世界の笑い者になるといいます。
宗教法人は、国家から独立しているわけではありません。
宗教法人の諸活動は、憲法や宗教法人法など、国の法律で保護されているのです。
アメリカやドイツで、優遇措置が適用されるのは、宗教活動に関連したものだけで、その団体が、政治活動や営利事業をおこなった場合、優遇措置が取り消されます。
アメリカでは、宗教法人に所属する牧師が政治的な発言をしただけで、所属宗教法人に、一般法人並みの税金がかかってくるそうです。
日本では、06年の公益法人改革で、官庁が、公益性の認定をする仕組みになりました。
ところが宗教法人は、対象外になっているのです。
何らかの圧力がはたらいたと考えざるをえません。
公益法人として、税制上の優遇措置をうけていながら、国税庁の調査を妨害した創価学会のふるまいは、論外というしかありません。
東日本大震災という未曾有の国難をうけたわが国にたいして、宗教法人は、いまこそ、復興支援に立ち上がるべきではないでしょうか。
たとえば、宗教法人の側が、向こう十年間、非課税措置を返上するなどの声を挙げることが“人を救う”という宗教の本義や公益性に適うのではないでしょうか。
政治家も、勇断をもって、宗教法人の非課税問題に、取り組むべきでありましょう。
利益行為をとおして、巨額の資産をつみあげた公益法人から税金を徴収するのは、国家のあるべきすがたで、それができない理由はどこにもありません。
この決断をためらって、消費税値上げなどといっても、国民は、納得しないでしょう。合掌。
三月十一日を「鎮魂と日本の復活を祈る日」にしましょう
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