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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120806-00000001-gendaibiz-pol
現代ビジネス 8月6日(月)7時5分配信
「自民220議席、民主95議席」---。
自民党が7月中・下旬に行った調査の結果とされる数字が永田町を駆け巡っている。やや誇張されて伝わっているきらいがあるが、それでも6月下旬の消費増税法案の衆院可決とその直後の民主党分裂、さらに元首相・鳩山由紀夫の愚行などによって、民主党への支持は一段と低下しているのは間違いない。
民主党議員は衆院解散・総選挙にますますおびえ、自民党議員は解散・総選挙を強く求め押せ押せムード。この調査結果が消費増税法案をめぐる最終攻防に大きな影響を与えている。
*** 民主党分裂に勝者はいない ***
自民党の調査は近畿ブロックなどで「大阪維新の会」の候補が立つという前提で行われた。同党の調査は過去の選挙でも、惨敗した時も含めてほぼ正確に結果を予測しており、その精度には定評がある。
民主党も調査し、「マイナス5ポイントを含め150議席近く」という結果が出ている。しかし、その調査は分裂前の5月から6月にかけてであったため、今の時点では役に立たない。また、民主党が野党時代、最も勢いがあったころならマイナス5ポイントでも当選圏内に入ってくることができたが、今や状況はまったく異なる。
自民党の調査結果は、選挙区で肌で感じている民主党議員の実感とも合致している。民主党若手議員(複数)はこう言う。
「この7月、地元のお祭りなどを回ってみて感じることは、消費増税で支持率が下がったのはしょうがない。そうではなく、小沢一郎さんたちが出て行ったゴタゴタ、鳩山さんの言動などによってさらに下がっているというのが皮膚感覚だ」
「7月以降、有権者の反応が雪崩を打って悪くなっている」
この議員だけでなく、民主党の現職閣僚でこれまで「鉄板」と言われた議員も、自民党の調査では同党の新人候補と互角となってしまった。この閣僚は慌てて地元に戻る回数を増やしている。
小沢元代表が民主党を離党して結成した新党「国民の生活が第一」の議員の選挙区情勢も悪化している。民主党時代に有力だったある議員は、自民党の調査で同党の新人に抜かれている。党名が浸透しておらず、民主党という看板の方が「小沢」という刻印を押された党よりも、ブランドとしては有効だったと言える。つまり、民主党分裂に勝者はなく、民主、生活の双方にとってマイナスだった。
ただ、小沢は根強い個人人気を持つ。新進党を解党して結成した自由党時代の2000年6月、衆院選比例代表で約659万票、18議席を獲得した実績がある。翌年01年7月の参院選比例代表では約423万票、4議席に低下していることや、現在の小沢人気の衰えを加味すれば、600万票には届かないとみられている。それでも、ブロックごとの比例代表で候補者擁立を工夫すれば10議席台半ばには到達するだろう。
*** かつての金城湯池・大阪でも完敗 ***
もう1つ大事なポイントは「維新の会」の影響が大阪や大阪に近接した他県選挙区を除くと、それほど広がっていないことだ。たとえば、兵庫県ならば神戸市あたりまでなら強いが、姫路市には力が及んでいない。
しかし、大阪ではかなり強く、19の小選挙区のうち公明党候補がいる4選挙区を除く選挙区のほとんどで勝利する可能性が高い。大阪は2009年衆院選で17議席(ほかに自民1、社民1)を獲得した民主党の金城湯池。そこでも、完敗を喫するとみられている。
大阪市長・橋下徹の勢いも一時ほどではない。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐる発言のブレ、首相・野田佳彦をたたえた発言などによって、その定見に疑問符が付く。また、維新の会が次期衆院選の候補者養成を目指し開講中の「維新政治塾」の塾生名簿が外部に流出したことも発覚した。民主、自民両党なら、公募に応じた人たちの名簿が公表されてしまったことに等しく、前代未聞の不祥事だ。
このような選挙情勢は衆院解散・総選挙が近づいている現段階では議員心理に大きな影響を与える。今週、国会は消費増税法案をめぐり、衆院における内閣不信任案、参院における首相問責決議案提出で荒れる見通しだが、いずれにしても民主党は劣勢に回らざるを得ないだろう。
(敬称略)
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