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金融危機が起こりました。金融機関が危ないです。景気が急速に悪化しました。となると・・・・。
政府が登場して金融機関を救済するのが当たり前の姿になっている。金融機関が世の中に資金を供給しないと大変なことになる。金融の資金仲介機能を崩壊させてはならないと。。。。
まあ、感覚的に多くの人が受け入れてしまう事実だろう。しかし、本当にこれって正しのだろうか?と疑問を持つことも大切だ。
そもそも金融は銀行によってのみ行われるものではない。リースなども立派な金融だし、手形取引も金融の一種だ。さらに一定規模以上の会社にとっては間接金融よりも直接金融の占める割合のほうが大きいのは当たり前の話だろう。実際、多くの企業の銀行への依存度は年々低下しているのが事実だ。優良企業ほど投資先・対象がなく手元にじゃぶじゃぶの現預金を蓄えている時代である。
リーマンショックのときに金融機関への大規模な資本注入が行われた。これは当たり前のことのように多くの人には思われるだろう。金融機関に公的資本を注入し経営の安定性・健全性を向上させることで市場を覆う不信感を取り除き、金融機能を麻痺させないだめだ。金融機能がまひすれば、倒産する必要のない事業会社の多くが倒産し社会的損失が大きなものになるはずだからだ。
だが、これは本当に正しいのだろうか?公的資金注入は本当に金融機能を守ったのだろうか?
今日はFRB(アメリカの中央銀行)の論文をabstractの部分だけ紹介する。
The Effect of TARP on Bank Risk-Taking(http://www.federalreserve.gov/pubs/ifdp/2012/1043/default.htm)
For large banks, the increase in risk-taking without an increase in lending is suggestive of moral hazard due to government ownership. These results may also be due to the conflicting goals of the TARP program for bank capitalization and bank lending.
資本注入を受けた大規模金融機関は貸出量を増やさずにリスクテイクを積極化させた。
当然ながら、資本注入によって貸し渋り・貸しはがしが防がれ、貸し出しが積極的に伸びることが期待されるはずだ。だが、この研究結果によると貸出量はのびなかったという。そして、同じ貸出量でよりリスクをとる取引が積極化したのだという。
どうせ他人の金だから・・・。普通にやっていたら潰れるかもしれないからこのカネを原資に最後イチかバチかの大バクチでも・・・。となってしまったのだろうか?
政府による資本注入の有効性に対する疑問が投げかけられる結果である。実態経済を守るための緊急の資本注入が貸出を伸ばすことにはつながらず金融機関のモラルハザード的な行動を助長したのから。。。
また、欧米の事業会社に対してリーマンショック後の時期に日系の金融機関が貸し出しをものすごい勢いで伸ばしたのは記憶に新しい。本当に貸し出しのニーズがあるなら必ず貸し手は存在するということだろう。そして冒頭に書いたようにそれは金融機関である必要すらないかもしれない。
政府が資本注入をして金融の目詰まりを防げという叫びは実は正しくないのかもしれない。
2012年04月03日09:00
http://blog.livedoor.jp/clj2010/archives/65706436.html
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- 投稿可能になりました。本番投稿をお願いします 管理人さん 2012/5/27 21:16:37
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