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今、福島第一原発・3号機で2011年3月14日に発生した爆発的事象についての原因究明が充分でないにも関わらず、"政治判断" によって各地の原発が再稼動されようとしています。
さまざまな状況証拠から3号機爆発の真相を推測してみたいと思います。
米国人の原子力技術者、アーニー・ガンダーセン氏は3号機の爆発についてその発生当初から即発臨界説を主張していました。
3号機の爆発では激しい上昇気流が生じたことと、不完全燃焼の証拠である大量のススが発生したことから、水素爆発や水蒸気爆発ではない "熱爆発" がそこで起きたと断定できます。
熱爆発を起こす代表選手は火薬や爆薬や爆弾ですが、原子力発電所の建屋内にそのようなものが置かれているわけがありませんから爆発原因には核燃料しか該当しません。
また、3号機の格納容器の蓋は今現在も健全に保たれているのが容易に観察できますから、炉心の核燃料が爆発したというような可能性もありえません。
東電と保安院と政府の公式発表では水素爆発だということになっていますが、ドイツをはじめとする外国ではだれもあれが水素爆発だなんて思っていないようです。
キング・カズこと三浦知良選手が劇的なゴールを決めた2011年3月29日に開催されたサッカーの復興支援慈善試合のとき、全日本代表監督のザッケローニ氏も、Jリーグ代表監督のストイコビッチ氏も数日前まで日本国内にはいませんでした。
それぞれの母国から慈善試合間際に駆けつけてきました。
母国の家族から原発が核爆発を起こした日本から即座に脱出するように要請されたていたからです。
世界はそのように見ていました。
結論から申し上げれば、3月11日の震災発生当事、公式記録上ではそのすべてが炉心装填されていたことになっているプルサーマル用MOX燃料集合体が、実は燃料保存プール(以降単に"プール"と表記)に存在していたのではないかと仮定するとすべての現象に納得がいくようになります。
通常のウラン《新》燃料に含まれる核分裂を起こすウラン235は2パーセントです。これが4年ほど使用され使用済み燃料になるとウラン235は1パーセントに、ウラン238が中性子を1個取り込んで転換したプルトニウム239が1パーセント程度です。
この程度の濃縮レベルでは、未使用にせよ使用済みにせよ例えどんな過酷な状況に陥ろうとも即発臨界(=爆発的事象)には至りません。
もしこれらが爆発するのなら日本はとっくに核保有国になっています。
日本国内ではウラン235を20パーセントを超えて濃縮してはならないという国際ルールになっているのです。
ここで先ほどの仮定の話を進めます。
もし、公式記録上プールにあるはずの無いMOX燃料集合体が何らかの理由で秘かに残され、あるいは新規に運び込まれていたとしたらどうなるでしょう?
全電源喪失で循環冷却機能を失なったプールの中で、使用済み核燃料の崩壊熱でホウ酸水が沸騰してたちまち干上がります。
MOX燃料集合体には初めから13パーセントのプルトニウムが入っています。
その中にはどうしても取り除くことができない不純物のプルトニウム240もあれば、プルトニウムから転換したアメリシウム241などの不純物も含まれます。
プルトニウム239が中性子を2個もらうとプルトニウム241になります。
プルトニウム241はベータ崩壊を繰り返して最後はアメリシウム241になります。
アメリシウム241は核分裂を起こさない安定元素なので臨界の邪魔物です。
原子爆弾や原発は臨界させてナンボなのでアメリシウムが増えすぎるのは好ましくありません。
3号機のMOXは10年間プールで寝かされたまま長期保存されたいたいわくつきのMOXです。
アメリシウムの話は後で出てくるかもしれませんがここでは一旦おいておきます。
プルトニウム239が中性子を1個もらうとプルトニウム240の出来上がりです。
これは自発核分裂を起こすのでとてもやっかいです。
ウラン235やプルトニウム239もごくわずかに自発核分裂をするのですが、プルトニウム240はそれらの7万倍も多く自発核分裂します。
このプルトニウム240の自発核分裂で飛び出す"高速"中性子が隣の燃料棒まで飛んで行かないようにする役目を担っているのがホウ酸水です。
福島第一を出し抜いてプルサーマル発電の国内第一号となったのは九電・玄海原発です。
玄海原発では炉心にMOX燃料集合体を装填する様子が報道陣に公開されてそれが画像付でニュースで報道されました。
ナレーションでは 「MOX燃料の特性に合わせて、通常より濃度を高くしたホウ酸水の水中で炉心への装填作業が行われました」 とはっきり報道されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=XU-Aw15Y_nc
つまりMOX燃料というのは、高濃度のホウ酸水の中に浸しておかないと ”危険” であるいうことです。
MOXが即発臨界に至る過程はあっけないほど簡単です。
原理はこうです。
MOX燃料に不純物として含まれるプルトニウム240は1キログラム当たり1秒間に48万9,000 回も自発核分裂します。
この自発核分裂で生じた高速中性子は高速中性子に対する感受性が高い主役のプルトニウム239を目覚めさせます。
核分裂連鎖反応の始まりです。
それを止められるのは制御棒か濃い目のホウ酸水だけです。
燃料保存プールには制御棒はありません。
あるのはホウ酸水だけです。
それが干上がってしまったら・・・・
そのような特性を持ったMOX燃料集合体がが、もし非公式にプールに存在していて不完全な核爆発に至ったとしたら、
これはとんでもないスキャンダルです。
とても東電はもたないでしょう。
自衛隊ヘリは当初4号機に向かって出発しましたが現場で急遽3号機に注水(というか散水)しました。
あれはプールへの注水や冷却というより3号機周辺に対する "除染" だったのではないでしょうか?
次に投入されたのは警視庁の暴徒鎮圧用の放水車でした。
放水ガンは上に向けることが出来ない構造でした。
これも注水や冷却が任務なのではなく、地面を"除染"するのが任務だったのではないでしょうか?
その後に決死の覚悟の東京消防庁が爆心地に突入するための血路を築くために・・・・
今、現在進行形で隣の4号機に残された1,300体とも、1,500体とも云われる使用済み核燃料が建屋ごと崩落すると日本が終わると心配されています。
たとえ4号機のプールが崩落したり干上がったとしても3号機のような即発臨界(爆発的事象)にはならないと思います。
武田邦彦先生がつい最近次ぎのように説明されています。
http://www.youtube.com/watch?v=XU-Aw15Y_nc
地震直後にメルトダウンした3つの炉心の燃料棒のように、溶けて希ガスを出したり、蒸発して気化したり、水蒸気に乗って拡散したり、風に乗って拡散したりはするでしょう。
結局、爆発的事象が起きても起きなくても悲惨さにあまり変わりがないような気もしますが、爆発的事象の困るところは非常な高空まで比重の重い重金属核種を含むすべての放射性物質を吹き飛ばしてしまうことです。
最後に、本来そこにあるはずのないMOX燃料集合体がプールに残された理由について推測します。
"推測" とは無責任と云われそうですが、公開資料が何一つ無いのですから推測するしか手がありません。
ケース(1)
福島第一3号機の燃料保存プールには震災の半年前まで32体のMOX燃料集合体が保管されていました。
保管期間は大体10年間です。
その間に九州電力の玄海原発にプルサーマル発電国内一番乗りで先を越されました。
先ほどのYouTube動画でニュースキャスターの音声にあったように、玄海原発で最初に炉心装填されたMOXは16体でした。
次に、福島より半年早い2010年3月にプルサーマル2番乗りを果たした四国電力・伊方原発は、やはり玄海原発と同じ16体のMOXでスタートしています。
その次に、2010年9月にスタートした福島第一・3号機では長期保存していた32体全量が炉心装填されたことになっています。一応。
オマケに2010年12月に国内4番目のプルサーマルを開始した関西電力・高浜原発ではなんと8体だけでプルサーマルをスタートするというみみっちさです・・・・
先輩達に何か問題でもあったのでしょうか?
こう並べてみると、国内3例目の福島3号機の32体は突出して装填数が多いことに気がつきます。
一番不利な10年間に及ぶ長期保存を経た、もっとも不安要素があるMOXにも関わらず・・・・
「32体全部入れるのはおっかないから他所といっしょにしとこ・・・・」
ということになっていたりしても不思議はありません。
あくまで推測ですが。
ケース(2)
次ぎの運転サイクル用の新・MOX燃料集合体を、プルサーマル反対派住民の監視の目をかいくぐるため、夜陰に乗じてこっそり搬入していた場合。
最初はこんな馬鹿なこといくらなんでも有り得ないと思っていましたが、映画「東京原発」を見てから何でもアリだと考えを改めました。
ケース(3)
実は、10年間長期保管していたということが嘘で、すでに"使用済み"のMOX燃料がプールで冷まされていた場合。
いくらなんでもここまで無法地帯だとは思いたくないが、これが最悪のケース。
なぜなら、使用済みとなったMOX燃料がどんなものなのか想像するのも恐ろしい・・・・
MOX燃料集合体の内部、および隣接の低濃縮ウラン燃料は、プチ・もんじゅ状態に置かれる訳ですから、役立たずのウラン238の大部分は高速中性子を浴びてプルトニウム239に転換している可能性が・・・・
3号機のプールで不完全な核爆発が起きた以上、そこにMOX燃料集合体が存在したことに間違いないはずです。
あるとすればケース(1)がもっとも可能性が高いと云えます。
いや、せめてそうであって欲しい。
長文にお付き合いいただきましてありがとう御座います。
これが私の脳内核爆発であればかえって幸いです。
農産品や工業製品の輸出を考えれば国益ということも "政治判断" かも知れません。
でも、すべて明らかにして上での安全対策なり復興であるべきと強く思います。
※ 異論、反論、危険デマ扱い、経産省の原発担当工作活動等何とでもお好きにどーぞ。
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