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定期点検後の各地の原発再稼動に向け、世論が割れている。
将来的な脱原発依存を目指すとしても、今夏の電力不足と電気料金値上げが懸念される中、一定の安全性が確保された原発について再稼動を認めるかどうかである。
◆電力供給の努力◆
前提として、電力会社はこれまで言い値で買っていたLNP(液化天然ガス)等について、ルートの多元化とまともな価格交渉で安定調達とコスト削減に努め、電気力金値上げ幅を極力圧縮しなければならない。
また中長期的には、政府の政策として、発送電分離等で競争原理を働かせ、直流高圧送電方式導入や東西周波数の統一等で効率性・融通性を高め、新エネルギー導入を促進させ、エネルギー源の多様化・分散化と電気料金値下げを図ると共に、省エネ化を進めなければならない。
そうした努力を重ねる中で、もし電力需給の決定的な逼迫が予想され、現実的な対応として原発を再稼動させざるを得ないという事になった場合は、安全性をどのように担保するかが問題となる。
◆原発安全性の条件◆
その安全性を担保する条件であるが、現在行われているストレステストだけでは、多くの国民は不安に感じるだろう。
第一に、その内容は一般国民としては十分に理解する事が難しい。
ストレステストは、軍事演習に例えれば、いわば図上演習であり、防災訓練が実地演習に当たる。
福島第一原発事故で、電源車が到着したがケーブルの長さが足りない、プラグの形態が異なり接続が出来ない等の初歩的なミスが重なったことを考えれば、4月に予定される「原子力規制庁」の発足を待たずに、第三者による複数の想定事故シナリオを基にした実地訓練を直ちに繰り返し行うべきだ。
そして何より、グダグダの原子力村の体制一新、体質激変が不可欠である。
確かに、「原子力規制庁」の発足は一つの前進ではあるが、これまで原発を監督規制すべき原子力安全・保安院が原発を推進する経済産業省・資源エネルギー庁の傘下にある等、カバが逆立ちしたような倒錯した組織体制を単に元に戻す事に過ぎない。
福島第一原発事故について、政治家、経済産業省、資源エネルギー庁、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、東京電力の歴代及び事故当時の責任者を100人単位で炙り出して、刑事、民事で責任を取らせないと、原子力村の体質等改まるものではない。
「想定外」という詭弁と、責任体制が分散し曖昧であった事を持って誰も処罰されないのであれば、絶対に事故再発は防げまい。
なお、東電の実質国有化問題で、産業経済省と東電で綱引きがあるが、不毛な議論である。
電力供給は、民間の競争原理で行うべきであると共に、原発についての緊急事故対応は電力会社の当事者能力を超えているのだから、全電力会社の全原発を分離国有化し、場合によっては自衛隊の傘下に組み込むような安全保障体制が必要である。
原発の安全性は、信賞必罰の原則と常在戦場の有事体制の下でこそ担保される。
原理原則に立ち返った、当たり前の議論が行われる事を望む。
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/53529076.html
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