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WSJ http://jp.wsj.com/Life-Style/node_360286?mod=MostPopularBlock
米コネティカット大学4年生のリア・ネルソンさん(21)は今学期、論文提出の期限延期を依頼するため、指導教授の1人に電子メールを送信した。「最近精神的に非常に落ち込んでいるため、今週は健康管理に集中しようと思います」と記し、さらに精神的な健康は「何よりも重要なものですから」と付け加えた。
ネルソンさんは、うつに苦しんでいる。往々にして、試験や論文提出が重なるとうつ症状が突発する。2010年3月にタイレノール(解熱・鎮痛剤)を過剰摂取し、自殺を図ったのも、1週間に3つの試験と論文の締め切りが重なったことによるプレッシャーが影響していた、とネルソンさんは話す。
米国の大学では今、精神的な健康問題を理由に特別措置を要請する学生が増えており、ネルソンさんもその1人だ。
指導教授に直接依頼する場合もあれば、大学の障害者支援オフィスを通じて正式な「便宜的措置」を要請する場合もある。そうした措置には、試験時間の延長や別室受験、授業の必要出席日数や課題の提出期限の調整などが含まれる。障害者の差別を禁じる米連邦法「アメリカ障害者法(ADA)」によって、精神的なものを含め、何らかの障害があることを証明する書類を提出した学生については、大学側は「合理的な便宜」を図ることが義務付けられている。
だが大学事務局や教授らは、精神的な健康問題を抱える生徒を授業に遅れをとらせないようにしつつ、いかにして支援していくか頭を悩ませている。そもそも大学の目標の1つは、学生に実社会に出ていくための準備をさせることだ。実社会では、重要な顧客に渡す資料の作成期限を守れなければ、たとえどんな理由があろうとも許されない場合がある。また教授側にしてみれば、すべての学生を平等に扱う必要がある。
「学生を過保護にし過ぎれば、実社会で現実に直面したときに対処できなくなる危険性がある」と、ワイオミング大学で学生部長と学生副学長補を兼務するデビッド・カズンズ氏は話す。
試験時間の延長といった一部の便宜措置は、どの大学でも標準的に認められており、身体や学習障害のある生徒にも適用されている。だが、課題の提出期限や授業の出席日数・参加率に関する正式な便宜については、大学によって対応が大きく分かれている。各指導教授に任せている大学もあれば、大学側が学生に代わって積極的に介入している場合もある。
大学側によると、精神障害を患う学生は増えてきているという。米大学保健協会が129の大学の10万人を超える学生を対象に行った調査によると、昨年不安症と診断された、または不安症の治療を受けた学生の割合は約11.6%、うつ病と診断された、またはうつ病の治療を受けた学生の割合は10.7%に上った。うつ病や双極性障害、統合失調症をはじめとする精神障害の多くは、思春期後半に発症する。
うつ病や不安症などの精神疾患は、集中力や睡眠、認知処理などに影響するため、学習に深刻な影響を及ぼす可能性がある、と精神障害の専門家らは話す。
大学生の間で精神障害が増えているかにみえる明確な理由は不明だ。治療薬や治療法の発達のおかげで、深刻な精神障害を患っていても通学できる人が増えている可能性はある。また多くの大学が、精神障害を持つ学生を特定し、カウンセリングを受けさせるプログラムを導入している。325大学に支部を持つ「アクティブ・マインズ」のような学生擁護団体も、精神障害につきまとう偏見を軽減する取り組みを行っている。
ニューヨーク州のコーネル大学では、広範な自殺防止プログラムの導入や包括的な障害者支援オフィスの設置を行っている。だが、支援オフィスの対応範囲外の学生と教授間の交渉については、関与を控えるようにしている。
支援オフィスでは、カウンセリングを受けに来たことを証明する日付入りの書類の発行を数年前から取りやめている。授業の欠席や課題提出が遅れた理由を証明する書類を手に入れるためだけに、予約を入れる学生があまりにも増えたためだ、とカウンセリングと心理的サービスを統括するグレッグ・イールズ氏は説明する(大学医務室も、受診予約票の発行をやめている)。
イールズ氏は「大学のリソースの無駄遣いだった」と話す。一方、教授陣は「学部は、学生がうそをついていないかどうかを判断するため、われわれに探偵の役割を果たすことを望んでいるが、それはわれわれの仕事ではない」と述べた。
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