11月23日水曜日のFNNスーパーニュースアンカーで青山繁晴氏が逆転の発想によって大胆提案をしていた為、報告したい。

独立総合研究所社長：青山繁晴氏の特別コーナーページ
http://www.ktv.jp/ktv/literacy/anchor.html

これを語る上での1つ目のキーワードは"百年に一度の希望"。と言うのも、自由貿易協定の主導権争いを巡って米中の対立激化は日本のチャンスというのだ。努力すれば作れると青山氏が主張。

そこで米中間の攻防を振り返りたい。EAS(東アジアサミット)に初参加した米国は南シナ海問題を取り上げた。米国は中国が海底資源確保を目的とした軍事戦略で南シナ海の安定を乱した警戒感から2010年8月にベトナムのカムラン港を米空母の拠点とし、EAS目前の11月16日米海兵隊の豪駐留計画を発表・豪北部に米海兵隊、11月18日インドネシアにF16戦闘機を供与等を行い中国を牽制したのだ。

TPPとASEAN+3で自由貿易の米中対立が激化する中、いつまでも日本が中立の立ち位置で被害者意識を持っていないで、日本が主導してEASを土台とした「自由貿易協定」創設の呼びかけを大胆提案。そこで2つ目のキーワードは日本が"高く手を挙げる"！

実は鳩山政権下で一度失敗した東アジア共同体構想があり、それと似通った案と思われがちだが、今回は状況が異なる。東アジア共同体は米国が寄ってこなかったため頓挫したが今度は米中間で日本が揺さぶられており、今こそ日本が主導すべきなのだ。尤も、信念がない野田では期待はできない個人的には思うが。

EASに参加している諸外国の多国間自由貿易協定の枠組みを検討は次のとおり。

日本はTPPとASEAN+3、米国はTPP、中国ASEAN+3、韓国ASEAN+3、ロシア、インド、ASEAN10ヶ国TPPとASEAN+3、豪ASEAN+・ニュージーランドASEAN+(因みにペルーとチリはTPPのみ)となっており、東アジアサミットでは多国間自由貿易協定への参加を検討している諸外国は実に多い。ここを中心に日本が主導して新たな貿易協定を結ぶという提案だ。

EAS自由貿易協定の実現には、「毒素条項」と呼ばれるISD(投資家保護)条項を排除することが不可欠だ。米国はTPPでISD条項を排除する気が更々ない。そこで米国の投資家に都合のいい条項を排除することで米国に有利な協定にはしないと誘い込む。

また「ドル」決済に加え「円」決済という日本にとって夢のような話が米国を引き寄せる材料になると青山氏は加えた。例の超円高で強い「円」(※本当は自国通貨安戦争に取り残され日本円の希少価値が高まっているだけ)を各国は歓迎していると読み、中国の人民元への牽制となれば中国の元切り上げに繋がることも期待され、米国も乗ってくる可能性を協調した。

ただし、後者の案は中国人民元銀行の対応や他民族に加え超格差大国という観点から多くの障害がある。

やはりこの実現が期待されることは、来年には欧州の金融危機を発端に米中でも経済が低迷し、いよいよ世界恐慌が置きつつあると予想される。そこで日本が主導して米中間の亀裂を和らげる役割も必要だということだ(下手を打てば煙たがられる感が非常に舐めないが…)。

また、こんなことも語っている日本の技術供与で東アジアの成長へ繋げるというのだ。明治維新で見られた異文化を広める運動を連想し、日本が率先して東アジアの発展途上国に技術援助することも併せて提案している。これは必要なことだろう。

更に中国からの裏援助がなくなれば北朝鮮拉致問題の解決にも貢献できるのではと云う期待もあると語った。青山氏は北朝鮮の体制が変わらない限り、拉致問題は解決しないと指摘している。外交による話し合いよりも中国が後楯となっている金正日体制を壊すことが近道と説いたのだ。何故なら北朝鮮の重要な情報を知ってしまった横田めぐみさん等を残酷だが生きて帰すわけにはいかないからだ。それが北朝鮮の現状である。

北朝鮮存続に欠かせないであろう内部情報を知られてしまった以上、そういうことなのだろう。そういう国だ。北朝鮮は。

更にグローバルな現代で成功を収めた商業マンなる民間人を民間のまま外交官として大量起用し「東アジア省」の創設によって史上初「官民連携」の役所が必要だと提案し締めくくる。

これらによって米中による無意味な軍事争いを避け、中国、北朝鮮の問題もうまくいけば解決に向けつつ、世界大恐慌を回避できる可能性に言及している。

以上。 　

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