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日本経済新聞グローバルオピニオン、ニューヨーク特派員西村博之氏の記事(2011/10/24)
阿修羅の投稿は、政治・経済・社会と幅広く話題や解説・意見を投稿されていて勉強になる。時に匿名の気楽さからフラストレーションのはけ口になっているが、それも面白い。下記の引用文はTPPを積極的に進めようとしているアメリカの政治経済の実態を適切に分析している。オバマを含めたアメリカの支配層は、国内の格差にとどまらず、環太平洋の格差の拡大を図ろうとしている。日本をアメリカスタンダードに従属させてはならない。
「デモなどの抗議運動が起きるのは、人々が政治システムが機能していない、と感じたときだ。ニューヨークのウオール街でのデモもそうだ。オバマ大統領の「チェンジ」に期待して投票した人々は変化の遅さに失望。金融危機や失業などの経済問題を引き起こした人々が政権入りしたことに不満やや怒りを抱いている。
ウオール街が標的になったのは、米国が抱える病巣の中心だからだ。大銀行は金融危機を招き、政府に救済された。なのに住宅の不法差し押さえを続け、経営陣は高額の報酬を受け取る。「悪者ほど得をする」の認識が今ほど鮮明になったことはない。
デモの背景には不平等や格差拡大という、より広い問題がある。いま米国では上位1%の富裕層が、所得全体の4分の1を稼ぎ、富の40%を占める。25年前はこれが12%と33%だった。格差は大きく広がった。
原因はさまぎま。グローバル化で高い技能を要しない仕事は低賃金の国に流れた。企業が生産性を高め、製造業の労働需要も減った。米国固有の企業文化と労働組合の弱体化が問題に拍車をかけた。経営者は自らの報酬を増やすため従業員をリストラした。
何よりも政策の影響は無視できない。金融規制緩和を筆頭に企業や銀行の利益を優先した政策が相次ぎ、税制面でも富裕層が収入を依存するキャピタルゲインへの減税で、経済格差はさらに広がった。
競争による格差拡大は仕方がないとの声がある。だが、それは公正な制度のもと新たな価値を生み出して富を築くことが前提。金融危機を招いた銀行経営者の巨額報酬や、不当なカード手数料の引き上げ、政府への影響力行使などで差が付くようでは話が別だ。
経済が底上げされないままで少数の人々が他をおとしめる形で富を膨らませるのは、本当の競争ではない。最近の調査では米国民の半数近くは自国の経済制度がフェアでないと感じている。努力ずる者が報われる希望の大陸のイメージは崩れた。これ自体が成長を妨げる要因だ。
キーワードは「フェアネス(公平性)」。上位1%の、1%による、1%のための政治を見直す必要がある。企業や富裕層の献金に依存するオバマ大統領は、政策の手足を縛られている。献金に歯止めをかければ、特定の利益団体の影響力は弱まる。
同じ人物が政権と企業などを行き来する「回転ドア」も政策をゆがめてきた。ルールを整えれば過度に企業や銀行寄りの政策を防げる。
自由市場経済を責める論者もいるが、現実の経済は市場に任せる部分と政府がルールを設ける非市場の部分が混在している。問題はそのルールが、特定の勢力を利するようねじ曲げられることだ。」
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- 投稿可能になりました。本番投稿をお願いします 管理人さん 2011/10/24 21:35:35
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