http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/1958.html
Tweet |
円高の理由
円高が止まらない。マスコミはその理由を全て「米国債の格下げ」のような報道を繰り返している。
ここで国民が勘違いをしてはいけないことがある。円高の理由についてである。「米国債の格下げ」による影響も確かにある。ただそれは1ドル80ドルからの3、4円分の円高であって、それ以前の100円〜90円から80円まで長時間軸的な円高は、米国のドルに対して、円の通過供給量が少なくなっているためである。
そのあたりは、高橋洋一氏の「週刊現代:史上最高値をうかがう円高は「人災」。復興増税を狙う財務省と日銀の日本的官僚制度が犯人だ欧州危機や米国債問題は本質ではない」にグラフを交えて簡単に説明がある。引用させていただくと...
原理は単純。円とドルでどちららが相対的に多いか少ないかだ。多いほうの通貨は希少価値がなく安く、少ない方の通貨は希少価値が出て高くなる。こうした考え方をマネタリー・アプローチといって、国際金融では常識になっている。
この単純な原理でその程度、為替を説明できるのだろうか。2007年以降、リーマンショックで米国はドルを増やしたが、日本はほとんど増やしていない。
その結果、猛烈な円高になった。単純な回帰分析をすると、日米のマネタリーベースの比によって。円ドルレートの9割方は説明できる。
円/ドル=67.5+41.5*日米マネタリーベース(億円/百万ドル)の比率・・・(*)
複雑な動きをするとされる為替レートがこれほど単純に説明できるのはかなり衝撃的だそうなのである。非常に単純な原理なのである。このマネタリー・アプローチを財務省や日銀は認めず、「通貨量を増やせばハイパーインフレになる」とマスコミ経由で国民に垂れ流し、通貨供給量を増やそうとはしない。
その辺の事情については、以下にも詳しい。
* 日本は破産しない!? 騙されるな!「国債暴落で国家破産!」はトンデモ話だ!
* 経済ニュースが10倍よくわかる 日本経済のカラクリ
また昨日の「週刊現代:10円円高になると日経平均は1100円下がる現実を見よ--米国債格付け引き下げより深刻な、政府・日銀の「自国窮乏化政策」」によると、ついに財務省擁護派の榊原英資でさせ、焦る状況になっていたようである↓。
前述の番組(8/7日の)では、長谷川さんが、円高対策として先週の本コラムでの18兆円日銀引受の話をしたら、出演していた元財務官の榊原英資氏が、「その時期に来ている、日銀引受は禁じ手といっても一時的にはいい」といった。一年前には、量的緩和による金融緩和(もちろん日銀引受は論外)を強い口調で否定していたが、その榊原氏ですら量的緩和や日銀引受を認めざるをえなくなった。
個人的には円高が全て悪だとは思っていないが、日本国民が「円高によって景気が悪くなる」と思うことによる、不景気が深刻化することが問題である。
さらに円高の悪影響として、株価の下落があげられる。「週刊現代:10円円高になる...」から引き続き引用させていただくと、
前略
そこで、経済全体への影響となると、マイナスのほうが大きい。というのは、日本経済の中でも有力なエクセレント企業は、輸出という世界市場で競争している。それらの企業が生み出す付加価値は相対的に大きい。円高はそれらの価格競争力を奪ってしまうので、海外へ向けての消費活動のプラス面が吹き飛んでしまう。
これは、内閣府が行った試算で、10%の円高(ドル安)が進むと日本の実質国内総生産(GDP)を1年目に0.2%、2年目に0.4%押し下げる結果からもわかる。
なにより、日本経済の移す鏡とも言われる株価も、円高になると下落するなどの動きを示すので、円高の日本経済への悪影響が理解できる。
下図は日米の株価指数の推移を示したモノだ。
米国に比べて日本株の出足が鈍いことがわかる。ところが、日本株価指数をドルに換算すると、日米の株価指数はそっくりな動きになる。唯一の違いは、大震災の3月11日以降の日本株の落ち込みだ。おおよそ800円くらい日米で段差があるが、それを除くと、下図のようにほぼ9割方同じ動きだ。
日本株価がドル建てで米国株価と同じ動きということは、円高になればなるほど日本株価は下がるということになる。このデータからは、10円円高になると、日経平均で1100円程度下がることがわかる。
リーマンショック移行、米国では今回の米国債の格下げにより株価は暴落はしているが、その間に株価は上昇し、それなりに経済は回り始めていた。だが日本の市場では、その分を全て為替差益で米国に持っていかたため、株価の上昇が抑えられている状況なのである。
日銀、財務省が今の政策を続ける限り、円高は確実に続くだろう。一般の国民はその理由を知らずに、「不景気だ!でも仕方ないなぁ」と思い続けるのか。
この円高の流れは、一時的に円の供給量を増やすだけでは解消は決してされない。岩田規久男先生が主張するように、デフレを解消し、日米間の予想実質金利の差を少なくしていくしかないのである。その辺りは↓に詳しい(震災前に読んでいたが、本日記で要点を纏め切れずにいました orz)
デフレと超円高 (講談社現代新書)
デフレと超円高 (講談社現代新書)
* 作者: 岩田規久男
* 出版社/メーカー: 講談社
* 発売日: 2011/02/18
* メディア: 新書
* 購入: 1人 クリック: 46回
* この商品を含むブログ (14件) を見る
要点は、グレッグのブログさんの説明がシンプルなので引用させていただく
日本ように10年後の名目金利が1.5%だとしてもインフレ期待がー1%であれば、実質金利は1.5−(−1)=2.5%になる。
対してアメリカは名目金利が3%でもインフレ期待が3%であれば3−3=0%である。 どちらの金利が高いのか??予想インフレ率を加味した実質金利では明らかに日本の方が高いのである。これが持続すると市場が予想するから、円高が止まらないのである。金利が高い通貨の方が買われるのは当然である。
ともかく、通貨供給量を増やしてデフレを解消しない限り、円高も不景気も解消はしない。日銀の早急な対応を求める!
http://d.hatena.ne.jp/kenjiro-t/20110809/1312870591
===転載終了===
いんちき格付け会社の日本国債の格付け程度などどうでもいい。
あぶない国の通貨がこれほど世界中から買われる。
金・銀の次に安定しているのではないか?
理由は、円の供給量が不足しているから希少価値が出ている。鉱物並。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > ペンネーム登録待ち板6掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。