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自民党・世耕幹事長「適切でない」
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投稿者 斎藤誠司 日時 2022 年 10 月 23 日 16:51:27: ojwJt/E7/DPS6 jdaToZC9jmk
 



自民党・世耕幹事長「適切でない」 旧統一教会の「信者か」国会質問に政治
・外交 2022.10.21

国会で立憲民主党の打越さく良参院議員が、山際大志太郎経済再生担当相に対し、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の信者かどうか質問したことについて、自民党の世耕弘成参院幹事長は21日、「適切でなかった」と述べた。
打越議員は、19日の参院予算委で「山際大臣は、自身の秘書に(旧統一教会の)信者がいたことは否定しているが、念のため伺うが、大臣自身はいかがか」と質問した。
これに対し山際氏は、「信教の自由を、公の場で公人といえども聴くべきかどうか私はわからないが、お尋ねなので、私は信者ではない」と答えた。
これについて世耕氏は、21日の会見で、「公人といえども、信教の自由、内心の自由というのは保障されるべきだと思っているので、質問は、私は適切ではなかったと思う」と述べた。
また、公明党の石井啓一幹事長も会見で、「憲法の観点から言えば、自分が信じているものを言わない自由も当然ある。公の場で聞くということは、ちょっと行き過ぎではないか」と述べた。
一方、立憲民主党の泉健太代表は会見で、「信教の自由があり、1人1人がそれに基づいて生活できるということは原則だ」とした上で、「公人として、そういうことを聴かれるべきかどうかは、実際の国会の中で判断されていくことだと思う」と述べた。

*自民党政治への識者の意見 !

保守的政界再編論と日本政治の停滞:大阪市立大学教授:野田 昌吾

1.安倍政権の「誤算」と「嬉しい誤算」
衆院選は自民党が単独過半数を大幅に上回るとともに、公明党とあわせて再び3分の2を確保するという圧勝に終わった。
そもそも今回の総選挙は、森友・加計問題で窮地に陥った安倍首相が危機脱出のために、民進党代表選によって野党共闘路線の構築が不透明になったタイミングを見計らい、議席減を最低限に抑えつつ局面のリセットをはかろうとして断行したものであり、結果だけから見れば、安倍首相が解散・総選挙に込めた狙い自体はまったく的中した格好となった。
だが、安倍首相および自民党にとって最初から最後まですべて狙いどおりだったというわけではない。解散意思表明後の小池都知事による新党・希望の党の立ち上げ、さらに民進党・前原代表による希望の党への合流案の提起は、自民党を大きく慌てさせた。今回の選挙は、安倍政権の政治姿勢が厳しく批判されるなかで行なわれる選挙でもあり、7月の都議選で「小池旋風」の前に惨敗した記憶が自民党に呼び覚まされ、政権側には緊張が走った。
しかし、この自民党にとっての「危機」は3日と続かなかった。民進党が前原代表の全党合流案を両院議員総会で了承した翌日には、希望の小池代表による「丸ごと受け入れはさらさらない」「排除いたします」発言が飛び出し、野党共闘路線に代わる反自民の大きな「受け皿」ができるのではないかという希望は一気にしぼんでしまうことになった。小池の「排除」発言は、合流提案をいったん受け入れた民進党に大きな混乱を引き起こし、政権打倒のための大同団結をめざし「名を捨てて実を取る」(前原代表)はずの合流案が逆に民進党の3分裂という悲劇的結果を招き、さらに希望の党もこの発言によって、政治の停滞を打破してくれる清新で活力ある勢力という新党のイメージ作りに決定的に失敗してしまう。希望の党への支持は、結党表明時に予想されていたのとは違って選挙戦を通じて停滞を続け、結局、残ったのは野党のさらなる分裂だけという結果となった。
安倍首相および自民党にとって「誤算」はあったが、それはほんの一瞬で終わり、しかも、野党のさらなる分裂と小池新党の停滞という「嬉しい誤算」がそのあとについてきたのであった。小選挙区において自民党は選挙戦を圧倒的に有利に戦い、全体として圧勝を収めた。安倍首相の高笑いが聞こえてきそうである。

2.チャンスはなぜ逸されたか
安倍首相および自民党にとっては、狙いどおりといえば狙いどおりの選挙結果であった。ただ、安倍首相の「シナリオ」が一瞬にせよ狂わされたことも確かである。野党の立場からすれば、この政権側の「誤算」をなぜ「本物」にすることができなかったのかが問われなければならない。
今回の合流構想が失敗に終わった直接の原因はもちろん小池代表の「排除」発言であった。なぜ彼女がそのような発言をしたのか、そもそも小池・前原両代表の間で具体的な合流の取り扱いについていったい何が話し合われ、何が話し合われなかったのか、巷ではさまざまなことが言われている。「事の真相」については、またあらためて明らかになってくるのかもしれないが、そのこととは一応別に、ここで何よりも問われなければならないのは、自民党政権の打倒を目指す勢力にとっての「逸されたチャンス」という観点から見て、今回の合流問題の顛末はいったい何を示しているのかという点である。
それは、端的にいえば、1990年代初頭の55年体制の崩壊以来、わが国の政界再編論を執拗に規定してきた保守的野党再編論の持つ問題性である。
今回の合流構想自体、この保守的野党再編論の枠組で進められたものといってよい。小池代表は新党の立ち上げに際して、この新党を「改革保守」と性格規定し、くだんの「排除」「選別」の基準として安保法制と憲法改正への同意を求めたが、このことは彼女の目指す野党再編がどのようなものなのかをよく物語っている。
前原代表も、9月の民進党代表選において、岡田克也・蓮舫の過去2代の代表の下で進められてきた共産・自由・社民との野党共闘路線の見直しを前面に掲げて戦ったことからもわかるように、自民党に代わりうる第2保守政党的なイメージで野党再編を構想してきた人物だといってよい。離党者が相次ぐなかでの突然の解散・総選挙で焦りが相当募っていたとはいえ、党を事実上解党して小池新党へ丸ごと合流するという突飛な提案を前原代表ができたのは、やはり彼が保守的野党再編論者であったということを抜きにしてはおそらく理解できないだろう。
さらにいえば、今回の合流問題をめぐる混乱も、交渉を進めた両代表がともにこうした保守的政界再編論者であったがゆえに起こったものだったといえないだろうか。前原代表が「丸ごと合流」の詳細についてはっきりした確認をとらなかったことにしても、小池代表が不用意に「排除」発言を行ったことにしても、いずれも保守的再編論からの視角の偏りによって、「排除」問題の重みを二人が本当の意味では理解していなかったことによるのではないだろうか。そうとでも考えなければ理解できないほどの致命的ミスといってもよい。


 

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