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  日曜討論:「異例の大統領選、アメリカはどこへ」
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投稿者 青木吉太郎 日時 2020 年 11 月 08 日 21:56:11: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 


 日曜討論:「異例の大統領選、アメリカはどこへ」

     大統領選挙への識者の見解・詳報は?

(datazoo.jp:2020年11月8日)

☆【出演者】宮家邦彦,鈴木一人,西山隆行,安田佐和子,渡辺靖,

☆【司会者】曽我英弘,中川緑

※混迷するアメリカ大統領選挙を専門家が徹底分析。トランプ・バイデン両氏の激戦は開票作業をめぐっても対立。今後の展開は?米国社会の分断は?国際社会や日本への影響は ?

オープニング:

アメリカ大統領選挙でトランプ大統領は票の集計の差し止めなどを求めて提訴した。開票所周辺では両陣営の支援者らが激しく対立する事態も起きている。アメリカ社会の行方、国際社会への影響などを専門家が徹底分析する。

◆異例の大統領選、アメリカはどこへ

 投票から4日、バイデン氏当選確実は ?

アメリカ大統領選挙で、アメリカの主要メディアはバイデン氏が当選を確実にしたと報じた。投票率が過去最高になると予想されている。バイデン氏は過去最多投票数を獲得した。宮家邦彦は「バイデン氏の勝利じゃなくトランプ氏が負けた、トランプ現象は残っている」「民主党は議会で弱いので分断は続く印象」などと述べた。

渡辺靖は「理念の共和国たるアメリカがこわれてしまうのでは、という悲痛な叫びのようなものが選挙結果を決めた根源的要因」などと話した。西山隆行は「アメリカの分断が顕著になり実質的に勝者なしという状態で終わった」などと述べた。

鈴木一人は「アメリカが国際社会でリーダーシップを取り戻していくのかは懸念が残る」「上院が共和党多数になる可能性が高く、国防長官の任命などで足を引っ張ることになりかねない」などと述べた。安田佐和子は「バイデン氏が勝利しても共和党が上院を握ればストッパーになる見方があり、株価は上昇して反応しているように見える」などと述べた。

◆ランプペンシルベニア州(アメリカ)共和党民主党

”激戦”の背景は ?

バイデン氏の勝利の要因について。宮家は「不満が高まった結果投票率が高まり浮動票がおそらくバイデン氏に流れた」「トランプ大統領にとって自分に批判が集中したことが最大の要因」などと述べた。鈴木一人は「現職大統領は勝った州を守るのが大原則だがそこを落としたのが大きい」「早いうちにトランプがとったテキサス州などではヒスパニック票が伸びている」などと述べた。

渡辺は「戦略のうまさもありトランプ氏が予想以上に強かった」などと述べた。西山は「民主党に対する反発が強い中でバイデン氏が勝利した意味も大きい」「トランプ氏の政権運営が混乱を巻き起こした反省から安定感を誇る元副大統領のバイデン氏の待望論につながった」などと述べた。

コロナの影響について渡辺は「構図が変わった」「トランプ大統領の対応のまずさ」「それまで直接自分には関係ないと思っていた有権者が我が身に降りかかることだと感じた」などと述べた。宮家は「マスクをしていない態度はおかしい」「それに比べたらバイデン氏はマスクをしているという単純な話」などと述べた。

安田は「コロナ以前の景気が良く民主党の黒人離れを動かすブレクジットという動きも展開され一部は黒人がトランプ支持にまわったと言われた」「しかしコロナの影響で仕事を失った側になると、経済の回復とコロナの封じ込めで対応を図れるバイデン氏に支持が移ってしまってもおかしくない」などと述べた。

西山は「ブラック・ライヴズ・マターなどの運動を民主党が行ったためバイデン氏に投票に行った黒人の動きに懸念を抱いた白人がトランプのもとに集結した」などと述べた。鈴木は「人種に基づいたアイデンティティを党派性にに織り込んでいくとバイデン氏が重視する統一は難しい課題になってくる」「白人がマイノリティになる恐怖なども今後のアメリカ政治に影響してくる」などと述べた。

渡辺は「中長期的にみれば共和党は変わっていかなければならない」「最後のあがきの段階にある」などと述べた。宮家は「アメリカは最初から分断されている」「それをまとめて来たのが大統領で支えてきたのが議会」「トランプ氏は共和党を乗っ取って真ん中にいる人が減っていった、民主党でも同じようなことが起きていく」などと述べた。

◆ルベニア州(アメリカ)共和党商務省民主党

投開票めぐり法廷闘争へ 影響は 今後の展開は

今回郵便投票をした人は投票総数の41.2%にあたる6548万人と推計されている。トランプ大統領は郵便投票を批判し続けており「今後多くの訴訟を起こすことになる」と争う姿勢を強調した。西山は「これまでオレゴン州などは郵便投票を基本として投票していた」「不正を起こさせないノウハウは蓄積されている」「不正があったというトランプ陣営の主張は根拠が薄弱」などと述べた。

渡辺は「トランプ大統領としてはアウトの判定をセーフに変えたいという狙いと、選挙結果を確定させず連邦議会での投票に持ち込んで大逆転を起こす狙い」「トランプ大統領はエリートに選挙結果を盗まれたと主張し将来反エスタブリッシュの英雄的な存在になって今後もアメリカ政治の中に影響力を及ぼしていく狙いもあるのでは」などと述べた。

鈴木は「郵便投票が不正ならトランプ票ですら不正」「民主主義の根幹であるところにケチをつけようとしたのはアメリカの民主主義自体にとっても不健全だった」「交通手段がなかった人が郵便で投票できるようになった、定着すればアメリカの政治の動向も変わってくる」などと述べた。

宮家は「対面投票でリードした時点で勝利宣言をして投票を数えるのをやめろ、というのは姑息なやり方で選挙関係者の誇りを傷つけた」などと述べた。

渡辺は今後のスケジュールについて「12月8日に各州が結果を確定し、14日に投票して事実上決着となる」「確定できない州が出てきてどちらも到達しない状況になったら連邦の下院議院に来年持ち越される」「その場合トランプ氏が優位」などと述べた。

西山は「本来の共和党の姿に戻りたいと思う共和党の人も多くなっているのでは」「共和党の主流派の人たちはトランプと距離を置く動きが出てくるのでは」などと述べた。

安田は「ユタ州では大統領選でブロックチェーンの技術を使って投票した例がある」「ブロックチェーンの場合は改ざんができず体の不自由な人もスマートフォンで投票できる」「マーケットの影響では2000年のフロリダ再集計問題のようなことが起こりうる」などと述べた。

鈴木は「根拠の薄い法廷闘争で、長引かないのでは」「再集計をする余地も少ない」などと述べた。

◆ランプフロリダ大学ブロックチェーンユタ州

(アメリカ)共和党民主党郵便投票

深まる分断・対立は ?

ミシガン州の開票所にはトランプ支持者がつめかけ「不正な手続きだ」と抗議した。バイデン氏の支持者はすべての票を集計するべきというデモを各地で行った。双方の支持者が対立し衝突が起きる懸念が深まっている。宮家は「トランプ氏がいなくなってもトランプ現象は残る」「分断が続くとしたらトランプ現象をなんとかコントロールしないといけない」などと述べた。

鈴木は「トランプ大統領が示したものが残っていくのは間違いない」「トランプ支持者をまとめていくような政治スキルの高いリーダー生まれ人種差別的なことも容認する状況になっていくことが懸念される」などと述べた。

渡辺は「生産性が高い社会が実現する一方で格差がより拡大すると持たざる者の不満がより過激な指導者を求めていく懸念もある」などと述べた。西山は「民主党内でも路線闘争が激しくなる」「二大政党の対立が激しくなると同時に党内での分断も激しくなり複雑な状況になる」などと述べた。

安田は「分断の口が開く時は経済が弱い時」「一旦落ち着いていた人種問題がリバイバルしたのはコロナで景気が後退したから」「経済の回復が分断を和らげるために必要」などと述べた。

西山は「今後マイノリティ人口が増えていくことを考えれば彼らを取り込んでいく動きも出てくる」「こういったことから政党の変化が起こる可能性はある」などと述べた。

鈴木は「根っこにはお互いの主張を聞くコミュニケーション不足がある」「他方でトランプ大統領がリーダーだからこそみんなが言いたいことを言えた、表面的な対話の可能性は少しはある」などと述べた。渡辺は「リベラルが批判するだけでなく相手の感情を理解して寄り添っていくことが必要」などと述べた。

◆国際社会への影響は ?

国際社会への影響などについて討論。トランプ大統領は、アメリカ第一主義としてパリ協定の離脱や、WHO脱退を通知したが、バイデン氏は国際協調や同盟関係をより重視する方針でパリ協定の復帰・WHO脱退の撤回の方向を示している。

キーワード:アメリカアメリカ合衆国大統領選挙ジョー・バイデンドナルド・ジョン・トランプパリ協定世界保健機関中国共和党民主党

◆日米関係は ?

日米関係などについて討論。宮家氏は、日米間の利益の相反はないと思う。トランプ氏でやりやすかった部分もあったかもしれないが、不確実性が減って予測可能性が高まるのは誰にとってもやりやすいので期待していると話した。鈴木氏は、バイデン氏になることで中東や欧州に関心を取られていくとアジア太平洋が軽視されてしまう恐れがあるとコメントした。

○米国大統領選では、バイデン候補の当選が限りなく濃厚だ !

(「植草一秀の『知られざる真実』」:2020/11/05より抜粋・転載)
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1)米国大統領選では、バイデン候補の当選が限りなく濃厚だ !

米国大統領選は、集計の最終段階に差し掛かっている。

現時点での開票結果を踏まえると、バイデン候補の当選が限りなく濃厚である。

郵便投票の期限が延長されている州が複数存在し、開票結果の確定には時間がかかるが、その前にバイデン氏が当選に必要な選挙人数270の獲得を確定する可能性が高い。

バイデン氏の選出は、秒読みの状況に移行しつつある。

2)トランプ大統領は、郵便投票に不正があったと主張している !

トランプ大統領は、郵便投票に不正があったとして、郵便投票の開票を止めることを求めているが、正当な主張とは言い難い。

開票状況を見守り、開票結果が公表された段階で、良識ある対応を示すべきである。

しかしながら、これまでのトランプ大統領の行動は、米国の混乱を誘発するものになっている。

選挙での勝利に向けて全力を尽くす。

その上で、結果に対しては謙虚に受け止める必要があるが、現時点のトランプ大統領の行動は紳士的なものと言い難い。

3)トランプ大統領は、良識ある対応を示すべきだ !

後世に残る名誉のためにも、トランプ大統領は、良識ある対応を示すべきである。

郵便投票は、正規に認められた投票手法である。

国会選挙では、とりわけコロナの影響が大きいため、郵便投票に依存するウェイトが高くならざるを得なかった。郵便投票が多用されたにもかかわらず、投票所での投票には長時間を要するケースも多く存在した。この状況下での郵便投票の活用はやむを得ないものである。

4)不正選挙の疑いがあるなら、具体的に事実を摘示すべきだ !

不正選挙の疑いがあるなら、具体的に事実を摘示することが必要である。

不正選挙が存在することは十分に想定されるが、その不正が結果を左右するものになるのかどうかは、具体的検証が必要不可欠になる。

第1回目のテレビ討論が罵り合いの様相を呈したのは、トランプ氏が相手の発言中に不規則に発言を続けたために生じたものである。

 

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