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日米の政府は、民主主義を蝕む政権の劣化になっている !
集団的自衛権の行使を容認等への識者の見解・詳報は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2020/11/05より抜粋・転載)
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1)〜13 )は前2 回投稿済みです。以下はその続きです。
14 )勝者は、勝利宣言を、敗者は、敗北宣言を堂々と実行するべきだ !
バイデン氏が勝利するにせよ、トランプ氏が勝利するにせよ、勝者は勝利宣言を、敗者は敗北宣言を堂々と実行するべきである。
民主主義の基本ルールを守るという相互信頼が存在しなければ、民主主義政治は正当に機能しない。このことは日本にもそのまま当てはまる。
安倍内閣は、日本の安全保障をめぐる環境が変化したとして、「集団的自衛権の行使」が必要だと主張した。このことを主張すること自体に問題はない。
15 )日本政府:憲法第9 条の規定から
集団的自衛権の行使は、憲法上許されない !
しかし、日本政府は、憲法解釈として、憲法第9条の規定から集団的自衛権の行使は、憲法上許されないとの解釈を明示し、この憲法解釈を維持してきた。
したがって、安倍内閣が集団的自衛権の行使が必要だと判断するなら、憲法改定の手続きを踏むことが必要になる。
16 )安倍内閣:現行憲法下で、集団的自衛権の行使を容認した !
ところが、安倍内閣は、40年以上にわたって維持してきた憲法解釈を勝手に変えて、現行憲法下で集団的自衛権の行使を容認し、この憲法解釈に基づく法制度を強行制定してしまった。
憲法は権力の暴走を遮断する防波堤である。
その憲法を正当な手続きによらず、勝手に破壊して、憲法違反の法制度を制定してしまったのである。民主主義・立憲主義の根幹を破壊する暴挙と言うほかない。
17 )日本学術会議法:学術会議の推薦に
基づいて、内閣総理大臣が会員を任命する !
日本学術会議法は、学術会議の推薦に基づいて、内閣総理大臣が会員を任命することを定めている。
そのプロセスにおいて、学術会議が優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考して会員候補を推薦し、その推薦に基づいて内閣総理大臣が任命することを定めている。
そして、過去の国会政府答弁によって、任命は形式的なもので、学術会議の推薦した者をそのまま任命することとされてきた。
18 )永年、日本政府は、学術会議の推薦した者をそのまま任命してきた !
この運用を含めて、法律の一部として、機能してきたものである。
菅内閣がこの運用が正しくないと考えるなら、国会に法律改正を提案し、法律を改正して運用を変える必要がある。
そのプロセスを踏まずに、違法に任命拒否したのなら、その事実を率直に認めて、任命拒否を撤回するしか道はない。
19 )菅内閣は、支離滅裂な屁理屈を並べて、非を非と認めない !
ところが、菅内閣は、「支離滅裂な屁理屈」を並べて、非を非と認めない。
このような姿勢そのものが政治の劣化なのである。
安倍内閣・菅内閣によって、民主主義、法治国家の根幹が損なわれている。
極めて深刻な事態である。主義主張が対立するのは構わない。当然のことである。
しかし、民主主義の根幹となるルールを共有できなくなれば、民主主義は機能不全に陥る。
日本・米国は、共に、民主主義が崩壊の危機に直面していると言わざるを得ない。
(参考資料)
○【特集】集団的自衛権〜自衛隊が 米軍の「下請け」になる日 !
(iwj.co.jp:)
日本を守るのは日本自身である。同盟国ではない。日本を守る根拠は個別的自衛権である。集団的自衛権ではない。現行憲法の9条解釈では個別的自衛権で日本の防衛は認められている。日本は自力で守りうる。米国の戦争に巻き込まれて利用され、蕩尽されてゆくための仕掛け、集団的自衛権は必要ない。(7月1日 岩上安身)
「憲法は、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていったんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」――。
昨年7月29日に飛び出した、麻生太郎副総理の「ナチス発言」。「誰も気づかないで変わった」とあるように、この発言が真に意味するのは、安倍政権は、憲法改正について正面から国民的な議論に問うのではなく、現行憲法の解釈では認められていない「集団的自衛権行使容認」を、「解釈改憲」によって可能にする、ということではないだろうか。
集団的自衛権の行使容認に向けて議論を進めている、安倍総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」(座長・柳井俊二 元駐米大使)は、今年4月にも政府に報告書を提出する見通しだと言われる。
解釈改憲による集団的自衛権行使容認の問題点とは何か。行使容認を急ぐ安倍政権の背後に見え隠れする米国の意図とは? これまで岩上安身とIWJが取材し、まとめた関連記事を一挙ラインアップ。
○小林教授、「独裁政治の始まり」
(www.jcp.or.jp:共産党:2015年6月16日)
衆院憲法審査会で戦争法案は「違憲」だと表明した憲法学者の長谷部恭男早稲田大学教授と小林節慶応大学名誉教授が、6月15日、日本外国特派員協会と日本記者クラブで会見し、改めて同法案は「違憲であり撤回すべきだ」と語りました。
長谷部氏は、「核心的部分、集団的自衛権の行使を容認していることは明らかに憲法違反であり、かつ違憲である他国軍隊の武力行使と、自衛隊の活動の一体化をもたらす蓋然(がいぜん)性が高い」と語りました。最高裁の砂川判決(1959年)を集団的自衛権の根拠とする政府与党側の議論について、同判決が集団的自衛権について議論していないとして「国民を愚弄(ぐろう)するものだ」と批判しました。
小林氏は「恐ろしいのは、憲法違反がまかり通ると、憲法に従って政治を行うというルールがなくなってしまう。これは絶対に阻止しなければいけない」「独裁政治の始まりになる」と強調しました。
政府与党が数に任せて法案を強行採決した場合にどう対応するかとの記者の質問に、長谷部氏は「次の国政選挙で新しい政府を成立させ、いったん成立したこれらの法律を撤回する。もとに戻すことを考えるべきだ」と語りました。
小林氏は、訴訟の用意があることを明かしつつ、「違憲判決が(最高裁で)出るまでは大体4年もかかる。しかし4年もほっておくのか。来年の参院選で自民党が沈めば憲法改定はできなくなる。そうして次の衆議院選挙で自民党を正せばいい。これは最高裁判決を待つよりよっぽど早い」と強調しました。
○スイス主要メディア、日本の集団的自衛権の閣議決定を批判 !
(www.swissinfo.ch:2014/7/4 )
安倍内閣が1日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことに対し、スイスの主要メディアは「日本は平和主義に別れを告げた」「安倍氏は法的に姑息な手を使っている」「中国との緊張関係を再度高めるような閣議決定だ」などと厳しく批判している。
自衛の措置であれば日本が同盟国の戦争に加担できる集団的自衛権の行使容認が閣議決定されたというニュースは、閣議決定の翌日、スイスの主要メディアで報じられた。
→民主主義から外れた政治決断
スイスのメディアは全体として、安倍晋三首相が閣議決定するに至ったプロセスが民主的ではない点を批判している。
スイス国営放送は昼のニュース番組で、数千人が首相官邸前で抗議活動を行った様子を放送。新宿で閣議決定に抗議する男性が焼身自殺を図ったことや、日本国民の過半数は反対しているという世論調査を引きあいに、安倍内閣の早急な閣議決定は国民の同意を得ていないと断じた。
国民の反対をかわすために、安倍氏は正式な手続きを経て憲法改正することなしに「法的に姑息な手段に出た」と論じたのは、保守派の一流紙NZZ。今回閣議決定ができたのは、まず国会で与党が過半数を占めていたこと、連立を組む公明党が武力行使の新3要件が数カ所新しく書き換えられたことで「大人しくなってしまった」こと、自民党内にほとんど反対派がいなかったことなどを理由に挙げる。
また、安倍政権下では内閣人事局が過去にないほど多くの官僚ポストを指定したために、官僚が政権批判しにくい環境が作られたとNZZは指摘。さらに、安倍氏に近い経営委員会の指揮の下で、公共放送のNHKは安倍政権に「へつらっている」と同紙はみる。実際、新宿の焼身自殺未遂のニュースはNHKでは流れていない。―以下省略―
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