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検事長定年延長問題:法解釈変更文書に日付なしに野党反発「奇妙な珍答弁」
検事長定年延長問題への野党の見解・詳報は ?
(mainichi.jp:2020年2月20日 20時32分より抜粋・転載)
毎日新聞:法務省と人事院は、2月20日の衆院予算委員会理事会で、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長に関連し、検察庁法で定めた、検察官の定年延長を可能とする、法解釈変更の際の見解を示した文書を提出した。野党の求めに応じた。
解釈変更を、正式な手続きを踏んで、行ったことを示すのが、狙いとみられる。
だが、文書には日付がなく、野党は、「後追いで書類を作って、その場しのぎの答弁を、していくのではないか」(立憲民主党の逢坂誠二政調会長)などと、反発を強めている。
◆小川議員:重要文書に日付を 打っていないのは初めて見た !
野党会派で無所属の小川淳也議員は、2月20日の予算委員会で、「こんな重要文書に日付を打っていないのは初めて見た」と指摘した。
法務省の文書では、検察官の定年について「広く捉えれば、(1985年施行の)国家公務員法(国公法)が規定する、『定年による退職』に包含されるものと解される」と指摘した。
そのうえで、以前は、検察庁法により、「検察官の定年制度そのものが国公法の特例」だったが、1985年に国公法で定年制が定められたことで、「特例としての意味は、定年年齢と退職時期の2点に限られることとなった」とする解釈を提示した。
◆逢坂議員:国会の議論が 何の意味もなくなる !
野党は、2月20日、黒川検事長の定年延長を巡る法解釈答弁を修正した安倍政権の対応に関し、「国会の議論が何の意味もなくなる」(立憲民主党・逢坂政調会長)と一斉に批判した。
衆参両院予算委員会などで追及の柱に据え、政権の姿勢をただす方針である。
○検事長の定年延長の 解釈変更めぐり人事院の答弁に矛盾 !
山尾、大串両議員がぶらさがり
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2020年2月19日より抜粋・転載)
衆院予算委員会で、2月19日、山尾志桜里議員が検察官の定年延長の解釈変更につい12日の質疑時点で人事院が「解釈変更の議論はなかった」とした答弁を追及したところ、人事院が答弁を撤回し「1月22日時点でこのことを法務省に相談され、新しい解釈を了とした」と修正。
山尾議員が経緯をただすと答弁は迷走、これを受け野党は委員会を退席、審議は一時中断しました。
山尾議員は国会内で記者団に対し、「1月22日の時点で議論になり、解釈は変わったという今日の答弁は、2月12日の時点で人事院がおっしゃっていた『現在までもこの論点について議論はございません。現在までも同じ解釈を引き継いでいる』という答弁とまるっきり矛盾する」と指摘した上で、委員会でやりとりを以下のように説明しました。
「2月12日時点でのこの現在、そのときの現在において、特に議論はなく同じ解釈だ」(人事院)とする答弁と矛盾するため、「この12日の答弁を撤回されるんですか」(山尾議員)と尋ねたところ、まず、「『現在までは』というところを撤回します」(人事院)とおっしゃった。
でも「現在までは」というところだけ撤回しても筋が通らない。つまり、同じ解釈が続いているというところは残っている。
そこで「本当にそこだけ撤回しても矛盾は解消しないんですけれども、どうされますか」(山尾議員)と尋ねると、今度はまた「『現在までは』というのは1月22日という意味であります」(人事院)と、とにかく撤回をしたり、その撤回を撤回したり、自身の過去の答弁に対してとても両立し得ない説明をされるようなことが続いた。
私としては、人事院の2月12日の答弁が正しいと思うが、法務大臣と内閣総理大臣と合わせなければならず、苦しい答弁が続いているのだと思ったので、「一度人事院の方で時間をとって、整理してください」(山尾議員)ということを申し上げた。
東京高検の黒川検事長が2月8日に63歳になり定年を迎える直前の1月31日に、政府が半年間定年を延長する閣議決定を行ったというこの問題。
山尾議員は2月12日の質疑で、昭和56年(1981年)、一般法たる国家公務員法に関する議論で当時の人事院任用局長が「検察官と大学教官は現在すでに定年が定められているので、今回の定年制は適用されない」と明言していたことを挙げ、昭和56年の法改正で60年(1985年)から検察官にも国家公務員の定年延長制度が適用されるようになったとする森法務大臣の答弁との矛盾を指摘しました。
森大臣は、「議事録の詳細は知らない。人事院の解釈ではなく、検察庁法の解釈の問題だ」と強弁。13日の衆院本会議では、安倍総理が「今般、検察庁法に定められている特例以外については、一般法たる国家公務員法が適用されるという関係にあり、検察官の勤務延長については、国家公務員法の規定が適用されると解釈することとしたところ」だと答弁。
「今般」ということは従前とは解釈を変えたと言っていることだとして、17日の衆院予算委員会でも野党共同会派の議員が解釈変更の経緯等を追及していました。
予算委理事の大串博志衆院議員は、2月12日の時点で森法務大臣が昭和56年の「国家公務員法に関しては、検察官には適用しない」とする答弁を知らなかったとして、「きちんとした精査がなされずに、なし崩し的に定年延長が行われたのではないかという強い疑義があるなか、いつ解釈を変更したのかは、極めて大きな論点になっている。
それにもかかわらず、この点を政府が答えられない。答えられないどころか、答弁に矛盾がある。それを整理するための時間をとっていただき、(人事院が)いつ解釈変更したのかをきちんと明らかにして欲しいということ」だと加えました。
記者からの「なぜ人事院はこのような答弁をしたと考えているか」との質問に山尾議員は、2月12日の人事院は正しいことを言っていたのだと思うとの見解を示し、「13日に総理が『解釈変えました』発言したためにつじつまが合わず、解釈変更した上での人事でないと黒川検事長の定年延長が違法だということになってしまうので、無理筋のストーリーを作って、そこに今人事院がお付き合いをさせられているから、過去の正しい答弁と矛盾が生じているということだと思う」と述べました。
その後、人事院は「現在まで同じ解釈を続けている」と述べた12日の同委での答弁を撤回しました。
○【衆院予算委】「なぜ今のタイミングなのか」
奥野議員が黒川検事長の定年延長について迫る
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2020年2月17日より抜粋・転載)
衆院予算委員会は、2月17日に集中審議を行い、奥野総一郎議員が質問にたった。これまで検察官の勤務延長を1人もしてこなかったにもかかわらず、東京高検検事長の定年直前の1月31日に閣議決定して延長したことに「なぜ今のタイミングなのか。黒川検事総長誕生はあるのか」と安倍総理に迫った。
総理主催「桜を見る会」についても奥野議員は質疑。前夜祭における領収書の記載について、安倍総理が3日の衆院予算委員会で「領収書はホテルの担当者が金額等を手書きし、あて名は空欄であった」と答弁していた件についてとりあげた。
立憲民主党の辻元清美議員が前夜祭をおこなったANAインターコンチネンタルホテルに、領収書のあて名を空欄で発行したケ―スはあったかを問い合わせたところ「弊ホテルが発行する領収書において、あて名を空欄のまま発行することはございません」と回答がきたことについて安倍総理に質疑。奥野議員は、「なぜこういうやりとりが延々と続くかというと、明細書や領収書など具体的なモノがでてきていないからだ」と述べ、「総理がだせば終わる話だ」と予算委員会理事会に前夜祭における明細書や領収書の提出を求めた。
○検事長定年延長問題:異常な解釈変更 許されない !
「職責の特殊性」を無視 ! 藤野議員が追及
(www.jcp.or.jp:共産党:2020年2月21日より抜粋・転載)
衆院予算委: 東京高検検事長の定年延長問題をめぐり、政府が検察庁法により検察官は定年延長を「許されない」としてきた解釈を変更し、国家公務員法の定年に関する規定を使って定年延長を認めたのは、安倍首相が桜を見る会をめぐって刑事告発され、元副大臣も収賄罪で刑事訴追されるなかでの異常なやり方です。
日本共産党の藤野保史議員は20日の衆院予算委員会で、検察庁法が現行憲法の司法権独立を鮮明にするために立法されたことを示し、「三権分立に関わる問題だ」「異常な解釈変更は許されない」と迫りました。 (論戦ハイライト)
藤野氏は、戦前の治安維持法による弾圧など人権侵害が相次いだ痛苦の歴史をふまえて憲法は司法権の独立を規定し、その仕組みをつくるために検察庁法が制定された経緯を、政府の過去の国会答弁などをあげて詳しく提示しました。
検察官は刑事事件で唯一公訴を提起する機関で公益の代表者とも言われる「職責の特殊性」があるからこそ、定年制度などは一般の国家公務員とは「おのずから扱いを別にすべき」とされてきたことも紹介し、「一般公務員の定年制度は適用しない、これが確固とした解釈だ」と強調。国公法の適用を認める解釈変更の異常さを批判しました。
森雅子法相は「検察官は司法権の行使と密接不可分で特殊性を持っている」と明言。一方で「行政機関の一員という身分もある」と国公法を適用して定年延長する解釈変更を正当化しました。
藤野氏は「職責の特殊性が変わらないならば、定年制も変えてはいけないのだ」と森法相の答弁の矛盾を指摘。異常な法解釈変更について「徹底的に真相究明していく」と表明しました。
○検事長の定年延長問題 “安倍人事”のため「法の支配」を破壊 !
(www.jcp.or.jp:共産党:2020年2月15日より抜粋・転載)
安倍晋三首相は、検察庁法と国家公務員法の関係について政府解釈を変え、「検察官の勤務延長に、国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」としました。これまで認められなかった検事の定年延長を認めるための「解釈変更」です。「今般」と明言しており、東京高検の黒川弘務検事長の定年延長の決定(1月31日)に際してのものです。
1981年の国家公務員法改正で公務員の定年制度(延長含む)が盛り込まれた際の政府解釈では「今回の定年制(延長を含む)は(検察官に)適用されないことになっている」とされていました。(同年4月28日、衆院内閣委員会)
12日の衆院予算委員会で人事院の松尾恵美子給与局長は、検事の定年延長は認められないとの解釈について、「現在まで特に議論はなかったので、(従来の)解釈を引きついできた」と述べました。
この答弁について「いつから変わったのか?今回の黒川氏の人事に関してか」との本紙の取材に人事院の担当者も「そうだ」と答えています。まさに自分に近い人物への人事上の優遇を認めるために法解釈をねじ曲げ、「法の支配」が破壊されています。政治の私物化の根底に人事の私物化があることも改めて鮮明に浮かび上がります。
法律の文言の範囲内で法解釈の変更がありえないとは言えません。しかし、法律の条文と結びついて40年近くも法解釈が定着し、一定の法秩序を形成するに至った場合、法解釈の変更によって「秩序」を変えることは適当ではありません。
国会の法律改正によるべき問題です。また解釈変更を行うにしても、客観的な社会情勢の変化に伴う必要性があることは当然で、時の政権の恣意(しい)的な意向で法解釈を変更することなど許されません。
今回の解釈変更は、「解釈」の名による新たな立法であり、国会の立法権の侵害であるとともに国民主権を侵害するものです。
また、検察官に定年延長が認められなかったのは、検察官が犯罪の捜査や公判の維持など準司法作用を担当することから、人事に内閣が関与し政治的中立性を害することは妥当でないからです。その趣旨からも今回の法解釈の変更は、幾重にも「法の支配」を破壊する野蛮な行為です。
安倍政権は2014年7月の「閣議決定」で集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を強行しました。国会も国民の意思も無視し、一内閣の一存で憲法の内容を変更するという立憲主義破壊を強行した安倍政権は、底が抜けたように近代の政治原則を踏み外し続けています。「まともな政治」を取り戻すためのたたかいは正念場です。(中祖寅一)
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