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例外なく完全に、堤防を強化しなければ、堤防決壊を回避できない !
台風19号の被害等の状況は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/10/14より抜粋・転載)
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1)台風19 号によって、21 河川の24 箇所で、堤防が決壊した !
台風19号による被害が広がっている。
台風接近に伴い、初期から中期に、集中豪雨に見舞われた静岡、神奈川、東京においては、記録的な豪雨に見舞われながらも、大河川の堤防決壊等の事態が、回避された。
しかし、台風の移動に伴い、中期から後期に豪雨に見舞われた、埼玉、長野、栃木、茨城、宮城、福島などの地域で、河川の氾濫が相次ぎ、21河川の24箇所で、堤防が決壊した。
川の水量が増大して水が堤防を乗り越える「越水」によって発生する浸水と、川の水量増加によって堤防が壊れる「決壊」によって発生する浸水とでは、被害に著しい差が生じる。
2)国が管理する大河川では、 7 河川の7箇所で堤防決壊が生じた !
国が管理する大河川では、長野県千曲川(信濃川)で発生した、大規模な堤防決壊など、埼玉、長野、茨城、宮城などの、7河川の7箇所で堤防決壊が生じた。
とりわけ千曲川の堤防決壊では、大規模な浸水被害が発生している。
このほか、県が管理する河川でも、栃木県の9河川・9箇所、埼玉県の3河川・3箇所、福島県の1河川・1箇所、宮城県の2河川・2箇所で堤防が決壊した。
3)水が堤防を乗り越える「越水」 は、のべ142 河川で発生した !
「越水」は、東京都の多摩川など、のべ142河川で発生した。
神奈川、東京地方では、箱根町の24時間雨量が、922.5ミリに達し、日本での観測史上最多記録を更新したが、河川の堤防決壊は生じなかった。
上流域のダムが、流入する雨水をせき止め、下流域の河川での越水や堤防決壊を回避する上で重要な役割を果たしたと見られる。
4)埼玉等では、国が管理する河川でも
堤防決壊が生じ、甚大な被害を発生させている !
ところが、埼玉、長野、茨城、宮城などでは、国が管理する河川でも堤防決壊が生じ、甚大な被害を発生させている。
堤防決壊を防ぐには堤防強度を強化する必要があり、東京、神奈川の河川では強固な堤防が構築されていたのだろうが、上記地域では、堤防の強度が相対的には弱いものになっていた可能性がある。
堤防決壊は堤防のなかの強度が最も弱い部分で発生する。
5)例外なく完全に、堤防を強化
しなければ、堤防決壊を回避できない !
大規模な河川の場合でも、全延長のすべての堤防において、例外なく完全に堤防を強化しなければ堤防決壊を回避できない。
大河川であればあるほど、堤防決壊を回避するための堤防強化策を施すことは、難しくなる。
とはいえ、堤防が決壊してしまうと被害は甚大になる。
豪雨発生の頻度が上がり、豪雨の程度が急激に拡大している近年の状況を踏まえれば、洪水対策としてのダムの整備と堤防強化策は極めて優先順位の高い施策に位置付けられる必要がある。
6)気象庁の大雨特別警報の意味が、正確に
理解されていたのかどうかにも疑念が生じる !
台風19号襲来に際して、気象庁は、大雨特別警報を発令したが、その意味が正確に理解されていたのかどうかにも疑念が生じる。
記録的な大雨が予想されるときに、何よりも警戒を要するのは河川氾濫に伴う浸水である。
その浸水被害においても、とりわけ警戒が求められるのが堤防決壊による浸水発生である。
堤防が決壊した場合の浸水の状況については、日本全国においてハザードマップが作成され、どの程度の浸水被害が、どの程度の期間持続するかのデータが提供されている。
記録的な豪雨が予想される際に、予防的な避難等がとりわけ必要になるのが、ハザードマップで深い浸水が予想される地域の住民ということになる。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
甚大な被害:台風19号で66人死亡、47 河川で決壊、全容は不明 !
(www3.nhk.or.jp :2019年10月15日 11時59分より抜粋・転載)
台風19号による豪雨で甚大な被害が出ています。今回の災害で亡くなった人は66人となり、堤防の決壊は、47河川の66か所に上っています。しかし、被害の全容はまだ分かっていません。
66人死亡 15人不明 212人けが
NHKが各地の放送局を通じてまとめたところ、台風19号の被害によって亡くなった人は、全国で合わせて66人となりました。また、15人が行方不明になっています。
死亡したのは、
▽福島県で25人、▽神奈川県で13人、▽宮城県で10人、
▽栃木県、群馬県でそれぞれ4人、
▽埼玉県、岩手県、長野県、茨城県でそれぞれ2人、
▽千葉県と静岡県、で1人です。
また、神奈川県や福島県など6つの県で15人が行方不明になっています。
このほか、32の都府県で212人がけがをしています。
堤防決壊は47河川66か所 越水など延べ181河川
台風19号による豪雨で川の堤防が壊れる「決壊」が発生したのは、15日朝の時点で、7つの県で合わせて47河川の66か所に上ることが国土交通省の調査で分かりました。
国が管理する河川で堤防の決壊が確認されたのは、7つの河川の合わせて12か所です。
▽阿武隈川 福島県須賀川市浜尾
▽吉田川 宮城県大郷町粕川
▽都幾川 埼玉県東松山市早俣
▽越辺川 埼玉県東松山市正代と川越市平塚新田
▽那珂川 茨城県那珂市下江戸、常陸大宮市野口と伊勢畑
▽久慈川 茨城県常陸大宮市の富岡、塩原、下町
▽千曲川 長野市穂保
これらの12か所については、さらに川の水があふれ出ないように、コンクリート製のブロックを設置し、水を遮るシートで覆うといった応急的な補修工事を行ってるということです。
また、7つの県が管理する合わせて43河川54か所でも、堤防の決壊が確認されています。
このほか、国が管理する河川で堤防からの越水などによる氾濫が確認されたのは22河川です。
▽阿武隈川 ▽多摩川 ▽千曲川
▽鬼怒川 ▽吉田川など
また、都や県が管理する河川では、16都県の181河川で越水などによる氾濫が発生し、浸水被害が起きています。
▽青森県 1河川 ▽岩手県 3河川
▽宮城県 16河川 ▽福島県 30河川
▽山形県 4河川 ▽茨城県 18河川
▽群馬県 2河川 ▽栃木県 23河川
▽埼玉県 23河川 ▽東京 5河川
▽神奈川県 3河川 ▽山梨県 5河川
▽新潟県 5河川 ▽長野県 14河川
▽静岡県 27河川 ▽三重県 2河川
住宅の浸水被害 少なくとも1万棟以上
NHKが各地の放送局を通じてまとめたところ、台風19号の影響でこれまでに全国で少なくとも1万棟以上の住宅が水につかり、およそ900棟の住宅が全半壊や一部損壊の被害を受けました。
このうち、
▽床上まで水につかったのは、長野県や栃木県など16の都県で7506棟、
▽床下が水につかったのは静岡県や埼玉県など21の都県で4213棟となっています。
また、
▽全半壊の被害を受けた住宅は千葉県など7つの都県で73棟、▽一部損壊が東京都や神奈川県など20の都道県で828棟となっています。
土砂災害 19都県で140件
国土交通省によりますと、台風19号による豪雨で発生した土石流や崖崩れなどの土砂災害は、14日夕方の時点で、少なくとも19の都県で140件発生しているということです。
今回の台風による豪雨では、群馬県富岡市で裏山の土砂が崩れて住宅に流れ込み、2棟の住宅に住んでいた3人が死亡するなど、各地で「土砂災害」が相次ぎました。
都道府県別では、
▽埼玉県で43件、▽静岡県で15件、▽岩手県と新潟県で12件などとなっています。
断水 13都県で13万3000戸以上(15日午前4時)
厚生労働省によりますと、台風19号の影響で15日午前4時現在、合わせて13の都と県で13万3633戸以上が断水しています。
断水しているのは、都県別に以下のとおりです。
▽福島県は、いわき市で4万5400戸、同じ水道事業者が管理する相馬市、新地町、南相馬市で合わせて2万3255戸、田村市で4300戸です。
▽茨城県は、常陸大宮市で1万2800戸、大子町で7288戸です。
▽静岡県では、県が水道を管理する熱海市と函南町で合わせて9748戸です。
▽栃木県は、那須烏山市で4000戸、栃木市で1800戸、鹿沼市で1300戸です。
▽宮城県は、丸森町で3448戸です。
▽東京都では、都が水道を管理する奥多摩町と日の出町で合わせて3100戸です。
▽神奈川県では、県が水道を管理する相模原市で3620戸です。
▽長野県は、立科町で2698戸です。
このほか、岩手県、群馬県、埼玉県、千葉県、山梨県の一部の地域でも断水が起きています。
東京電力管内 約2万400戸で停電(15日午前6時)
台風19号の影響で、東京電力管内の1都5県では、15日午前6時の時点で、およそ2万400戸で停電が続いています。―以下省略―
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