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米国の事件:9・11テロ、CIAが白人ばかりでなければ防げたか ?
今なお消えない9つの謎 !
(www.bbc.com:2019年09月11日より抜粋・転載)
18年前(2001年)の今日9月11日、アメリカで同時多発テロが起き、日本人を含む3000人近くが命を奪われた。この攻撃を防げなかった大きな理由に、米中央情報局(CIA)職員の多様性の低さがあると、イギリスの作家マシュー・サイド氏は指摘する。
以下、サイド氏の見方を紹介する。
◆多くがWASP
CIA職員は、多くが白人(White)、男性、アングロサクソン(Anglo-Saxon)、キリスト教プロテスタント(Protestant)だ。
これは、特定の知的能力と精神状態が高く評価される採用試験によるものだと、CIAベテラン職員は話す。
似通ったものの見方や背景をもつ人が多いため、CIAである事象を分析するとき、職員がそろって同じような見落としをしたり、誰もそのことに気づかなかったりする。
同時多発テロの首謀者とされる、国際武装組織アルカイダの指導者、故オサマ・ビンラディン容疑者についても、CIAは致命的な判断ミスを犯していた。
◆理解できなかった本当の意味
ビンラディン容疑者は1996年2月、アフガニスタン東部の山岳地帯トラボラの洞穴から、アメリカに宣戦布告をした。映像では、胸まで垂れたひげを生やし、戦闘服の下に布を着けた男が話をしていた。
当時、CIAはこの男がアメリカの脅威になり得るとは思えなかったと、CIA関係者は言う。
Image copyrightGETTY IMAGES
Image caption
◆ビンラディン容疑者
だが、ビンラディン容疑者が、布を身にまとっていたのは、白人男性が想像しがちな、知性や科学技術の遅れを示していたわけではなかった。真の目的は、預言者ムハンマドに似せることだった。
さらに洞穴には、より深い象徴的な意味があった。ほとんどのイスラム教徒が知っている通り、ムハンマドはメッカでの迫害から逃れ、洞穴に避難した。洞穴を見せることで、神聖さを伝えることができたのだ。
ビンラディン容疑者が、「詩」の形式で声明を出していたことについても、CIAは誤解していた。
白人で中流階級の分析官には、そんなことをする男は変わり者に思えた。しかし、イスラム教徒にとって、詩も洞穴と同じく、神聖なものなのだ。
ビンラディン容疑者が、戦略的、効果的にメッセージを発していたことに、CIAは気づくことができなかった。
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脅威を感じ取れなかった
アメリカ相手に勝てるはずのない戦いをビンラディンが始めるわけがない、という誤った認識もCIAにあった。
ジハード(聖戦)戦士にとっての勝利は、地上で獲得するものではなく、天国で得られるものだという発想を、CIA職員はもつことができなかったのだ。
Image copyrightSAUL LOEB/AFP/GETTY IMAGES
CIAは、アルカイダ対策にもっと人員を割くことができた。内部に人を潜入させる努力もできた。
だが、その緊急性を理解できなかった。脅威を感じ取ることができなかった。
◆異なる見方がすぐれた判断を生む
サイド氏は、CIAのこうした「同質性」が同時多発テロを食い止められなかったことは、示唆に富んでいると指摘。
CIAに限らず政府や企業においても、異なる理論、異なる見方をもつことが、総合的かつ細部の機微を理解した力強い判断に重要だと説いている。
(参考資料)
9.11事件:今なお消えない9つの謎 !
(dot.asahi.com:2011.5.10 13:22より抜粋・転載)
週刊朝日: 9・11事件は、アラブ人の若者たちによって準備され、米国の防衛網の盲点を突いて実行されたという、一般に信じられているストーリーでは説明できないことが多すぎます。
むしろブッシュ政権は、2001年9月11日に大規模なテロ事件が起きると知りつつ放置したか、もしくは事件の計画そのものに関与していたと考えたほうが無理がないのです。
米国は、約40年間続いた冷戦に代わる構造を再構築するために、新たな戦争を望んでいた。そのきっかけとして、9・11が起きたのではないでしょうか。
9・11から始まったテロ戦争という有事体制の中で、米国メディアがいや応なしに体制に引きずられるのは当然です。一方、インターネットは、その埒外にあるため、公式発表への疑問点も数多く報じられてきました。それは事件直後から今日まで続いています。
9・11を考える入り口として、ここでは重要な疑問点を挙げてみます。
(1)ワールド・トレード・センター(WTC)ビルはなぜ崩壊したのか?
WTCのツインタワーは旅客機が突っ込んだ後に崩壊しましたが、その様子を見た多くの建築専門家が「あらかじめ爆弾が仕掛けられていたのではないか」と指摘していました。爆弾を次々に爆破させてビルを解体する「制御解体」との見方ですが、米政府は調査結果をもとに、それは根拠のない間違いと一蹴しています。
「旅客機の衝突による衝撃と火災によって崩壊した」という公式発表が出ると、報道もその線に沿ったものになっていきました。
しかし、最近になって米国の建築家グループが、ツインタワー崩壊は「制御解体」だったとして、米政府に再調査を求めています。自然落下に近いスピードで崩れ落ちたことなど、公式発表の内容では説明できない、としています。指摘される「制御解体」であったとしても、「だれが、どのように爆発物を仕掛けたか」との疑問は残ります。
(2)旅客機が衝突していない第7ビルはなぜ崩壊したのか?
ツインタワー崩壊の約7時間後、近くにあるWTC第7ビルが崩れ落ちました。公式説明ではツインタワー崩壊の影響と火災が原因とされていますが、旅客機も衝突していない第7ビルが崩壊したのは、やはりビル解体に用いられる「制御解体」と見るのが自然です。
謀略説を分析する人々の間では、この崩壊は「WTC7にも爆弾が仕掛けられており、犯人の手違いで爆破時刻がずれたのではないか」と考えられています。
(3)ビル崩壊の現場を十分な検証もせずに片づけたのはなぜなのか?
ツインタワーの崩壊現場はただちに撤去作業が行われ、崩壊原因を特定するための十分な証拠調べが行われていなかった、という指摘が出ています。
◆ペンタゴン衝突、穴が小さすぎる◆
(4)米国防総省(ペンタゴン)ビルにできた穴は、なぜ衝突したとされる旅客機の大きさより小さいのか?
ペンタゴンにはハイジャックされた旅客機が突っ込んでビルの一部が破壊されたとされていますが、公開された事件直後の写真を見ると、ビルの壁面にできた穴は旅客機が突っ込んだにしては小さすぎます。さらに旅客機の残骸などの証拠物も映っていません。
ビルに突入した際に旅客機の機体が破壊されたとされ、機体の一部もペンタゴン周辺から見つかったとされています。だが、後に公表された激突の瞬間を映した監視カメラの映像にも機体は映っていません。
(5)米軍の緊急発進はなぜ遅れたのか?
ハイジャックされた旅客機に対して、米軍は戦闘機を緊急発進させて旅客機を捕捉したり、撃墜したりする態勢を整えています。事件当日も米連邦航空局から米軍に緊急発進の要請が出されましたが、実際に戦闘機がニューヨーク上空に到着したのは、2機目の飛行機がWTCビルに激突した数分後でした。
ペンタゴンに衝突したとされるハイジャックされた旅客機に対しても、ニューヨークから戦闘機を回しても間に合う時間的余裕がありましたが、戦闘機はその後3時間ほどニューヨーク上空を旋回し続けました。
ペンタゴンがあるワシントンDCの守備は、15キロほど離れたアンドリュー空軍基地が担当していますが、この日はなぜか、約200キロ離れたラングレー空軍基地から3機の戦闘機が緊急発進しています。結果としてテロは阻止できませんでした。
(6)刑事捜査もせず、なぜ戦争に突き進んだのか?
日本の警察・司法当局は、オウム真理教による一連のテロ事件を刑事事件として捜査し、教祖の松本智津夫(麻原彰晃)被告に死刑判決を下すなど、刑事手続きにのっとって解決しました。
ところが米政府は「首謀者ビンラディン、実行犯19人。悪いのはタリバーンとアフガニスタン」と一方的に宣言し、実行犯への刑事手続きを踏まないまま、戦争へと突き進みました。
(7)ビンラディンはなぜ9・11事件の容疑で指名手配されていないのか?
米連邦捜査局(FBI)のウェブサイトに、「もっとも重要な10人の指名手配犯人」の欄があり、オサマ・ビンラディンも、その中に含まれています。
しかし、その容疑は、1998年8月にケニアとタンザニアの米国大使館が爆破され、200人以上が死んだ事件に関与したとあるだけで、9・11事件への言及が一切ありません。
容疑の欄には最後に「その他、世界各地のテロ事件への関与も疑われている」と付け加えられているので、ここに9・11事件が入っているとも考えられますが、ビンラディンの事件への関与は薄いという意味にもとれます。
(8)容疑者の人違いはなぜ起きたのか?
FBIは事件から3日後、主犯格のモハメド・アタをはじめ19人の実行犯のリストを発表しました。続いて実行犯の顔写真も公開しましたが、後に何人かは人違いだったとわかっています。
最初にWTCに突っ込んだ旅客機をハイジャックしたとされたサウジアラビア人は、実際はモロッコに住む事件と関係のない人物でした。
ところが、FBIはその後の発表でも、なぜか最初に発表したのと同じリストを使い続けました。
(9)度重なる警告はなぜ「無視」されたのか?
2001年7月、イタリア・ジェノバで主要国首脳会議(G8)が開かれた際、イスラム過激派組織が飛行機で会議場に突っ込むテロ計画があるとの情報を、エジプト当局がイタリア当局に伝え、ジェノバでは厳戒態勢がとられた。この時点で、アメリカ当局は飛行機がビルに突っ込む形式の自爆テロがあり得ると十分、認識していたはずです。
01年6月、ドイツの情報機関はアメリカでのテロ計画を察知し、米当局に通告していた。事件の1カ月前には、イスラエルの情報機関の幹部が「米国内にはビンラディンと関係する200人規模のテロ組織があり、米国内の有名な建造物を標的にしたテロ攻撃を起こそうとしている」と、FBIと米中央情報局(CIA)に報告しています。
これらの警告は、すべて表向きは"無視"されました。
私の見方が、米国の繁栄を信じて追従する日本政府、さらにはメディアにとって受け入れがたい、というのは理解できます。
しかし、9・11に対して今後は「当局が事件発生を黙認ないし誘発したのであるなら、その理由は何なのか」といった、突っ込んだ分析が必要です。公式発表を支持する立場からであっても、ジャーナリズムには事件を表面的に報じるだけでなく、本質を問う解説記事が求められると思います。 (構成 本誌・堀井正明、佐藤秀男)
◇
たなか・さかい 1961年生まれ。東レ勤務を経て共同通信社に入社。その後、マイクロソフト社で本格コラムサイト「MSNジャーナル」を立ち上げる。現在は独立して国際ニュース解説記事を配信している。『米中逆転』(角川oneテーマ21)、『タリバン』(光文社新書)、
『仕組まれた9.11 アメリカは戦争を欲していた』(PHP研究所)など著書多数
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