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安倍内閣の正体は、市場原理を重視して、格差拡大を容認してきた !
自民党政権・自公政権の政治の深層・真相は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/05/31より抜粋・転載)
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1)〜9 )は前2 回投稿済みです。以下はその続きです。
10 )すべてを自由放任にしてしまうと、
貧富の格差が際限なく拡大していく !
しかし、すべてを自由放任にしてしまうと別の問題が発生する。
貧富の格差が際限なく拡大し、生存さえままならない人々が生み出されてしまう。
20 世紀になって、この問題が重視されるようになった。
そこから、社会主義体制という新しい体制を構築する試みも始動した。
他方で、資本主義の仕組みを採用する国においても、資本主義の問題点を補完する仕組みが検討され、導入されてきた。その調整の役割を担うのが政府である。
11 )民主的政府は、「所得再分配」をして、
全国民の生活を豊かにすべきである !
政府が実行する調整の役割のことを「所得再分配」という。
市場原理の下で、格差が拡大するが、結果として多くを得る者に、負担を課して財源を調達し、この財源によって、人々の生存権を、国家が保障するようになった。
すべての人は、生まれながらにして、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有している。
これが生存権の考え方だ。
日本においても、敗戦後に制定された憲法に生存権が明記された。
問題は、この規定が守られているのかである。
12 )安倍内閣の正体は、市場原理を
重視して、格差拡大を容認してきた !
大資本優遇・安倍内閣の正体は、市場原理を重視して、格差拡大を容認している。
その結果として、多くの市民が下流に押し流され、日々の生存さえ危うい状況にある市民が多数生み出されている。この問題に取り組むことが求められている。
政治の方向をこの方向に転換させるか、それとも、現在の政策路線を継続させるか。
これを決定する権限を持つのは主権者国民である。
私は、日本の政治の方向を転換させるべきだと考える。
13 )安倍政治を刷新して、国民に保障する
最低ラインを大幅に引き上げるべきだ !
すべての市民に保障する最低ラインを大幅に引き上げるのだ。
そのための具体策として提示しているのが、
消費税廃止と最低賃金全国一律時給・1500 円の実現だ。
すべての成人国民に年収300 万円の水準を保障する。
最低賃金は、生活保護給付水準算定の根拠にもなる。
すべての市民に保障する最低水準を引き上げるのだ。そのためには財源が必要になる。
14 )消費税廃止と最低賃金全国一律時給・
1500 円の実現で、年収300 万円の水準を保障すべきだ !
財源論のない政策提言は意味を持たない。
説得力のある財源論を備えた政策提言を示すことが重要である。
この世の不条理、理不尽が消えてなくなることはない。
この世から苦しみが消えることもない。
しかし、私たちの生き方を変えることにより、苦しみや悲しみを抑制することは可能になる。
政治のあり方を考える際に何よりも大切なことは、すべての人に対する慈しみ、愛の精神を政治の方向を定める基本とすることだ。
(参考資料)
消費税導入・増税の平成の30 年間は、日本経済が停滞を続けた !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/04/30より抜粋・転載)
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◆民主主義社会で、元号の改定を、ことさらに
大きく報じることは、適正でない !
元号が変わるが時間空間が天皇制によって支配されることは戦後の日本民主化の精神にふさわしくはない。元号の改定を、ことさらに大きく報じることも適正でないと感じられる。
辛うじて、歴史の時代区分上の便法として元号を用いることが好都合な場合があるというに過ぎない。
西暦との換算に伴う各種事務コストも無視できない。
◆消費税導入・増税・平成の30 年間
は、日本経済が停滞を続けた !
平成の30年間は日本が停滞を続けた期間に重なる。この30年は消費税導入の期間とも完全に重なる。消費税を導入した直後から日本経済の超停滞が始動したと言って過言でない。
消費税が導入されたのは、1989年4月であった。1989年は、「改元・消費税・参院選・内閣総辞職」の年だった。奇しくも、2019年と重なる部分が多い。
◆1989 年と類似するが、2019 年も
「改元・消費税・参院選」が、重なる予定だ !
2019 年も「改元・消費税・参院選」が、重なる予定にある。
「内閣総辞職」まで重なれば、時代の転換に、うまく符合することにもなる。
日本のバブル崩壊が始動したのは、1990 年の年明けだ。
1989 年5月と10月に、バブル崩壊の予兆があった。
日銀が、公定歩合引き上げに動いたのである。
◆1989 年末は、日経平均株価の
史上最高値・38915 円になった !
しかし、株価は、1989 年の年末まで上昇を続け、1989年末が、日経平均株価の史上最高値になった。日経平均株価の水準は、38915 円だった。
このバブルピークから、30年の時間が経過するが、現在の日経平均株価の水準は、22000円である。
30年の時間が経過して、日経平均株価は、半分強の水準なのだ。
「失われた10 年」は「失われた20 年」になり、「失われた30 年」になった。
◆消費税が導入・増税された、平成の30 年間
は、日本経済超停滞の時代だった !
消費税が導入された、1989年からの平成の30年間は、日本経済超停滞の時代だった。
「失われた10年」の表現は、拙著『日本の総決算』(講談社)で、「失われた90年代」と帯に記したのが、初出である。
バブル崩壊もバブル崩壊不況も、日本の「経済政策失敗」が、大きな原因だった。
政策失敗は、国際政策協議という名の「経済外交」の分野で、日本外交が、対応能力を保持していなかったことによって発生した。巨大バブルは、日本の内的要因によって発生したものではない。
◆米国の経済政策変化に日本は翻弄され、
未曽有の混乱に巻き込まれた !
米国の経済政策変化に日本は翻弄され、日本経済は未曽有の混乱に巻き込まれた。
為政者が十分な洞察力、判断力、そして行動力を持たないと国民経済を守ることができないのだ。
私は、『中央公論』1991 年11月号に、「バブル崩壊後日本経済のゆくえ」と、題する論文を発表した。
バブルの生成と崩壊のメカニズムを、解き明かしたものだった。
1981 年に発足した、米国のレーガン政権が、新しい経済政策を実行した。
これが「レーガノミクス」だ。レーガノミクスにより、米国金利上昇=ドル上昇が生じる一方、米国の財政赤字と経常収支赤字が急膨張した。米国で、保護主義圧力が高まり、レーガン政権は、人為的なドル切り下げ政策を発動した。1985年9月のプラザ合意だ。
◆自民党政権下、バブル崩壊に対する、
日本の政策対応は、拙劣を極めた !
対米隷属・大資本従属・自民党政権下、バブル崩壊に対する、日本の政策対応は、拙劣を極めた。
日銀は、バブル崩壊が始動すると、ブレーキ全開の方向に政策を転換した。
本来は、バブル生成の過程でブレーキを踏み、バブル崩壊が始動したらブレーキを緩めるのが正しい。
ところが、日銀は、その真逆の対応を示し、バブル生成とバブル崩壊を、いずれも過大に膨張させた。
財務省は、1990年代初頭に、事態の深刻さを踏まえて、予防的な早期政策転換を、実行するべきだった。
◆財務省は、バブル崩壊が深刻化する中で、
緊縮財政政策転換を拒否、不況を深刻化させた !
ところが、財務省は、バブル崩壊が深刻化する中で、緊縮財政政策を転換することを拒み、バブル崩壊不況を深刻化させた。財務省は、同時に、バブル崩壊が始動したのちに、不動産関連融資の総量規制に、踏み切った。財務省は、バブル崩壊が始動してから、ブレーキを最大に踏み込むという、日銀と同様の大失策を演じたのである。財務省は、同時に不良債権問題への対応が、致命的に遅れた。
◆財務省の悪い・三原則は「場当たり、隠ぺい、先送り」だ !
財務省の悪い・三原則は「場当たり、隠ぺい、先送り」である。
不良債権問題の処理には、20 年の時間を要することとなり、日本経済の長期低迷がもたらされた。
さらに財務省は、消費税増税によって、二度の深刻な不況をもたらした。
財務省は、このことに対する反省が、まったく持たれぬまま、2019 年に、三たび消費税増税に突き進もうとしている。財務省の体質・考え方が改められない限り、元号が変わっても、日本経済の本格改善は、期待し難いと言わざるを得ない。
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