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米中貿易戦争で追い込まれるのは、トランプ大統領だ !
米中貿易戦争への識者の見解・詳報は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/05/14より抜粋・転載)
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1)米中貿易戦争の着地点は、トランプ大統領の敗北の可能性大だ !
米中貿易戦争の着地点は見えている。トランプ大統領の敗北である。
このことは、すでに5月11日付けブログ記事、「非は中国にあるとする、NHKサブリミナル原稿」
https://bit.ly/2JE0NVE:に明記した。
この記事に、「トランプ大統領が、何よりも嫌う、株価下落圧力が、急激に高まるはずだからだ。」
と明記したが、その通りの現実が進行している。
2)トランプ氏は、中国の譲歩を、狙って、中国
に対する、25%制裁関税発動を宣言した !
トランプ大統領は、5月5日のツイッターで、中国に対する、25%制裁関税発動を宣言した。
直後の米中閣僚級会合での、中国の譲歩を、狙ったものだった。
中国の対米輸出は、5300億ドル。米国の対中輸出は、1500億ドル。
米中が制裁関税を発動し合っても、米国の打撃は中国の3分の1以下だ。
この単純計算から、トランプ大統領が無謀な攻撃を仕掛けてきた。
3)直接的な打撃は、中国が大きいと判断して、
トランプ大統領が無謀な攻撃を仕掛けてきた !
直接的な打撃は、中国が大きい。
習近平主席は、体制の足元を固める上で、中国経済の底割れ回避を最優先する。
だから、中国に圧力をかければ、中国は譲歩する。
これがトランプ大統領の読みであっただろう。
ところが、誤算が生じている。中国が、平然としているのだ。
米国に対して、堂々と渡り合っている。
4)トランプ大統領が無謀な攻撃に対して、中国が、平然としている !
渡り合っているというより、中国の対応が「大人(たいじん)の対応」トランプ大統領の対応が「小人(しょうじん)の対応」になってしまっている。
トランプ大統領と同次元の思慮レベルの交渉相手であれば、トランプ大統領の「ディール術」が通用するだろう。
現実にトランプ大統領は「オレ流」の対応で、これまでは成功を収めてきたと言える。
しかし、この「ディール術」が、中国には通用しない。
トランプ大統領は面食らい、地団駄を踏んでいると見られる。
5)中国が明確に「受けて立つ」姿勢を示して
いるため、トランプ氏は、困惑している !
中国が明確に「受けて立つ」姿勢を示しているのだ。
勝敗を決定するのはトランプ大統領と習近平主席の存立基盤の強固さである。
存立基盤が強固である側が、最後まで強気の対応を示すことができる。
そして、もう一つ重要なことは、それぞれの主張の「正当性」が勝敗を分ける決め手になる。
結論を示せば、この戦争は中国の勝利に終わるはずだ。
6)トランプ大統領は、中国に対して、白旗を上げる可能性大だ !
トランプ大統領は、白旗を上げざるを得なくなるだろう。
トランプ大統領の大いなる屈辱になると考えられる。
存立の基盤の強さは、習近平主席が、トランプ大統領を上回る。
トランプ大統領は、2020年大統領選再選を目指しているが、薄氷を踏む状況なのだ。
これと比較すると、習近平主席の基盤は、はるかに強固である。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
対米貿易戦争が直撃 ! 中国メーカー「苦肉」の生き残り策
(www.newsweekjapan.jp:2019年5月7日11時08分より抜粋・転載)
貿易障壁に直面する中国の製造業は、海外顧客を維持しようと、値引きの提示や免税措置の活用、人材削減など、さまざまな作戦を展開しつつある。写真は2018年4月に開催された貿易展示会「広州交易会」(2019年 ロイター/Tyrone Siu)
貿易障壁に直面する中国メーカーは、海外顧客を維持しようと、値引きの提示や免税措置の活用、人材削減など、さまざまな作戦を展開しつつある。中には、関税を回避するため生産拠点を海外に移転する例も見受けられる。
米中貿易戦争による報復関税の応酬は、多くの企業にコスト増をもたらした。欧州連合(EU)が、電動バイクから太陽光パネルに至る中国製品に関税を課したことも中国製造業の悩みを深めている。
3月に入り、業界にとって明るいニュースが相次いだ。鉱工業生産は2014年半ば以降、最も高い伸びを示し、輸出が予想以上に回復したほか、第1・四半期の経済成長率も予想を上回った。
それでも、米国向け輸出に依存する一部企業とっては苦境が続く。中国南部で今月開催された貿易展示会「広州交易会」では強気姿勢を示した企業も、貿易を巡り米中政府が合意に達しなければ、さらなる生き残り策を講じる必要が出てくることを懸念している。
泊頭にあるBotou Golden Integrity Roll Forming Machineの営業担当者ホープ・ハ氏によれば、関税導入により軽量鋼桁や建躯体用の棒鋼を製造する同社製の機械価格が上昇し、米国顧客の一部を失ったという。同社は現在、売上促進のために8%の値引きを提示している。
「顧客が高い輸入関税を払う羽目になったので、こちらが値引きを提示しなければならない」とハ氏は言う。
ボールベアリングを製造するCixi Fushi Machineryのジェーン・ワン代表によれば、同社は長期契約の顧客に対して3─5%の値引きを提示したという。だが、それでも十分ではなく、同社は月間3万ドルの売上を稼いでいた生産ラインを一時停止したと同氏は話している。
「(米中)合意を待つことになるだろうし、そうすればまた再開するだろう」と彼女は言う。現時点では、主力市場である中東地域に注力している。
コスト上昇分の価格転嫁に成功した企業もある。次のページ脱中国の動きも
○脱中国の動きも
◆価格上昇は不可避
米カリフォルニアに拠点を置くACOパワーの創業者ジェフリー・タン氏によれば、同社は中国製の太陽光発電冷蔵庫の一部について、約10─15%の値上げに踏み切ったという。
「選択の余地はなかった」とタン氏は言う。「値上げせざるを得ない」
中国外では同社が扱うポータブル冷蔵庫を低コストで生産できないとタン氏は言う。だが、貿易に関して米中が何の合意も打ち出せず、関税率が上昇するならば、この構図も変化する可能性がある。「部品をすべてベトナムに運んで、そこで組み立てることになるのではないか」
Aufine Tyreは昨年、カリフォルニア州の倉庫を借り、製品を搬入した。後に実際に導入されることになった反ダンピング関税を予期した動きである。また同社は、やはり関税を回避する手段として、タイ国内のタイヤ製造プラントの操業をまもなく開始する予定だ。
同社の営業担当マネジャーを務めるジェーン・リュウ氏は、それぞれ220─240本のタイヤを収めたコンテナを月50個、タイから出荷し、その後はさらに量を拡大する計画だと語った。
広州交易会の出展企業のなかには、中国政府が4月初めに国内の付加価値税を16%から13%に引き下げたことや、輸出に関する税の還付を公約したことを歓迎する声があった。
「こうした措置はわれわれをある程度、守ってくれる。さもなければ損失が出ていた」と語るのは、LED照明を製造する深センの寧波宇興電子で営業を担当するウィリス・ユアン氏だ。
米国の関税対象製品には含まれない監視カメラを製造している深センのSmarteye Digital Electronicsは、税制優遇措置のおかげで価格引き下げが可能になった、と営業担当マネジャーのシンプル・ユー氏は語る。「大きくコスト削減できたから、低価格で販売できる」
◆為替レート懸念
だが、同社にも懸念すべき点はある。家賃や人件費の上昇によって、従業員数を削減を余儀なくされたのだ。
ユー氏は、貿易紛争が人民元の対ドル相場に与える潜在的な影響も心配だと指摘。「以前は1ドル6.9元だったのが、今では1ドル6.7元だ。6.5元まで上がるのではないかと心配している」
EUが1月、中国製電動バイクに18.8─79.3%の反ダンピング関税を課したことに対して、電動バイク製造各社はすばやく反応した。EU域内でバイク組立を一部開始した企業は多い。Zhejiang Enze Vehicleは、ポーランドとフィンランドで組立を開始した。
「バッテリー、フレームその他の部品を調達し、別々に梱包して欧州に送り、提携先企業に組み立てさせている」と同社営業部門代表のディラン・ディー氏は言う。
プラスチック製分度器や映画館向けのポップコーンカップなどを製造するAnhui Light Industries Internationalは、トランプ米大統領による米輸入関税引き上げによって、10億元(約166億円)以上の損失を出したという。
それでも、同社を率いるハン・ゲン氏は、貿易紛争は解消されるだろうと楽観的だ。「米国にとっても、中国にとっても良いことはない」とハン氏は語り、トランプ大統領も貿易紛争が企業を傷つけていることを知り、「紛争を終らせるだろう」という見解を示した。
「(その日が来たら)また米国向けに販売できる。われわれは稼がなければいけない。稼ぐのが嫌いな人はいない」
(翻訳:エァクレーレン)
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