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トランプ大統領の「三つの過剰」が、トランプ政権の先行きに、
暗い影を落とす可能性大だ !
トランプ政治の深層・真相は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/12/23より抜粋・転載)
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1)2019 年には、平成の改元、参院選、消費税増税があり、新時代が始まる !
今年も残すところ1週間となった。i
2019 年には、平成の改元、参院選、消費税増税が控えている。
一つの時代が終わり、一つの時代が始まるということになるが、その足下が覚束ない。
世界経済に、暗い足音が近付いている。
米国のトランプ大統領が、パウエルFRB議長の解任をちらつかせ始めた。
2)トランプ氏は、自ら登用した、パウエル
FRB議長を解任する可能性がある !
力量、実績ともに非の打ち所がない、イエレンFRB議長を退任させて、パウエル氏を、FRB新議長に登用したのは、トランプ大統領である。
そのトランプ氏は、2016 年の大統領選までは、FRBに利上げを強く求めてきた。
ところが、トランプ氏は、大統領に就任すると、FRBの利上げ政策を非難し続けている。
利上げは、株価下落をもたらし、時の政権に不利に作用し、利上げ中止は、株価を支持して時の政権に有利に作用する、と判断しているように見える。
だから、トランプ氏は、前政権の任期中は、FRBに利上げを求め、自分の政権になったら、FRBの利上げを批判しているということになるが、これでは、適正な政策運営の主張には、映らない。
3)トランプ大統領の「三つの過剰」が、トランプ政権の先行きに、
暗い影を落とす可能性大だ !
私はトランプ大統領の「三つの過剰」が、トランプ政権の先行きに、暗い影を落とすことになることを警告している。
『日本を直撃する「複合崩壊」の正体』(ビジネス社):https://amzn.to/2PPBhAE
「三つの過剰」とは、1.米中貿易戦争の過剰、2.人事の過剰、3.FRB介入の過剰、である。
トランプ大統領は、中国の対米輸出5000億ドルの約半分に、制裁関税を課す方針を示している。
税率は、25%とされる。
4)米国が実施する、最大の制裁関税設定は、
中国の対米輸出2000億ドル分への課税である !
最大の制裁関税設定は、対米輸出2000億ドル分への課税で、2019年1月実施の方針が、示されてきた。12月初の米中首脳会談で、制裁関税発動に、90日間の猶予が設定されたが、現時点で発動取りやめの方針は示されていない。
米国の対中輸出は、1500億ドル規模で、米中の関税率引き上げ競争が、実行された場合の一次的ダメージは、中国の方が大きい。この「計算」から、過激な関税率設定方針が示されてきたわけだが、中国経済が崩壊すれば、米国が影響を免れることはできない。
5)トランプ氏は、米中の相互依存関係、中国経済
の米国にとっての重要性を、正しく認識していない !
米中の相互依存関係、中国経済の米国にとっての重要性を、正しく認識できていない疑いが強い。
他方、トランプ大統領が、FRBの政策運営に、関心を持つことは当然だ。
しかし、トランプ大統領が、金融政策を支配することは、間違っている。
日本でも、政治が、日本銀行の政策運営に介入することが、行われてきた。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
トランプ政権下、米国経済は、いま、胸突き八丁に差し掛かっている !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/11/07より抜粋・転載)
1)米国中間選挙:共和党は、上院で過半数議席を
維持するが、下院では、過半数議席を失う !
11月6日に、米国中間選挙が実施された。
現在、開票作業が進展しているが、トランプ大統領の共和党は、上院で過半数議席を維持する一方、下院では、過半数議席を失う見通しである。
また、全米50州の知事選では、共和党が、約30州で、勝利を収める可能性が高い。
上院議席数は、これまでの共和51対民主49から、共和56対民主44に近い水準に、変化する見通しである。下院議席は、これまでの共和235対民主193が、共和214対民主221に近い水準に、変化する見通しである。概ね事前の予測に、近い結果になると見込まれている。
2)上院と下院のねじれ・選挙結果は、トランプ大統領
に試練を与えるものである !
3)トランプ氏への大統領弾劾が成立する可能性は、極めて低い !
4)米国は、巨大資本に従属しない、トランプ大統領
の登場によって、完全に分断された !
米国は、トランプ大統領の登場によって、完全に分断されたと言ってよい。
トランプ大統領は、全米のすべての主権者から、まんべんなく支持を得ることを、目指していない。
トランプ大統領の施策を強く支持する者の、結束を図る戦術を、明確に保持し、その戦術を確実に実行している。トランプ大統領が、支持を獲得しようとしている中核は、米国内陸部に居住する、キリスト教福音派の信者を軸とする、白人層である。
5)トランプ大統領は、小さな政府、自己防衛権尊重
を、重視する立場を鮮明にしている !
トランプ大統領は、思想・哲学としては、明確にリバタリアンの系譜に沿う、主張を展開しており、福祉国家ではなく、自助・自立=小さな政府、自己防衛権尊重を、重視する立場を鮮明にしている。
米国を征服、占領した渡来勢力の利益を重んじる、スタンスを鮮明にしているのだ。
同時に、ワシントンを拠点とする、エスタブリッシュメント、職業政治家の手から、米国政治を取り戻すことを主張し、この主張に、多くの白人系米国人が、賛同している。多様性の尊重、移民との融和、社会保障の拡充を主張する、民主党リベラルとは、全面的に対峙している。
6)貿易政策について、トランプ氏は、米国利益第一主義
への転換を、明確にした !
また、貿易政策においては、自由主義至上主義から、米国利益第一主義への転換を、明確にしており、従来の共和党の貿易政策からは、明確に一線を画している。
経済・軍事・発言力における、米国の覇権維持を重視し、その結果としての、中国警戒姿勢が、鮮明に浮かび上がっている。
大統領当選後の2年間は、経済成長の持続、株価の大幅上昇、失業率の大幅低下の実績を、上げてきた。この実績を踏まえれば、大統領支持率が、既往最高水準に上昇しても、おかしくはないし、中間選挙に大勝しても、おかしくないと言えるが、支持率は、低迷し、中間選挙で、下院過半数を失うことになった。
7)支持率低迷の背景にあるのが、トランプ大統領の「米国分断路線」である !
その背景にあるのが、トランプ大統領の「米国分断路線」である。
米国を、「トランプを支持する米国」と「トランプを支持しない米国」とに分断し、「トランプを支持しない米国」からの支持を、積極的に得ようとはしない点に、トランプ大統領の行動の特徴がある。
この基本スタンスは、今後も維持されることになるだろう。
現在の基本路線を維持する場合、2020年の大統領選で、トランプ氏が再選を果たすことは、十分に考えられる。
8)2020 年の大統領選で、民主党が、有力な大統領候補を、
擁立できるか否かが、大きな焦点だ !
民主党が、米国民を引きつける大統領候補を、擁立できるかどうかが、大きな焦点になるだろう。
しかし、トランプ大統領に、死角がないわけではない。
弾劾手続き進捗によるイメージダウン以外に、大きな問題として浮上するのが、今後の経済政策運営なのだ。ここに、最大のリスクがある、と言ってよいだろう。
11月20日に、ビジネス社より新刊を上梓する。
『日本経済を直撃する「複合崩壊」の正体』:https://amzn.to/2PPBhAE:というタイトルの書物である。
9)トランプ政権下、米国経済は、いま、胸突き八丁に差し掛かっている !
詳しくは、上掲書をご高覧賜りたく思うが、米国経済は、いま、胸突き八丁に差し掛かっている。
このなかで、最大の問題になるのが、トランプ大統領とFRBパウエル議長の関係である。
トランプ大統領は、本年2月のFRB議長任期満了に際して、イエレン議長を更迭して、パウエル理事を、新議長に抜擢した。
イエレン議長は、実績、実力ともに抜群の名議長であったが、トランプ大統領は、あえて議長交代に踏み切った。
◆トランプ氏が、大統領再選を実現するには、
米国の経済金融市場の堅調推移が絶対条件だ !
2020 年大統領再選を実現するには、米国の経済金融市場が、堅調推移をたどることが絶対条件になる。この意味で、米国の経済金融政策運営が、まさにこれから、正念場を迎えることになるわけだ。
2020 年の大統領再選を目指すのであれば、2019年は、いったん金融市場を波乱に陥れておいた方が、逆に有利になるとの、戦術の立て方もあるかも知れない。
上掲の新著には、2019 年を展望するための視点を、網羅しているので、関心がある向きには、ぜひご高覧賜りたく思う。
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